ここのところ忙しかったので、週末をホテルで過ごすこととした。
ベイ・エリアにある『インターコンチネンタル東京ベイ』では、以前はよく週末を過ごしたものだ。
最近は西新宿の『パーク・ハイアット』や、六本木の『グランド・ハイアット』を使うことが多いし、ちょっと前は恵比寿の『ウエスティン東京』を利用していたので、随分久し振りである。
「美味しいワインを持ち込むのなら行くわ」、との返答。
そこで良いワインを準備するとともに、海側の眺めの良い広い部屋に予約を変更した。
窓の外には、レインボー・ブリッジとお台場のホテルやビル群が見渡せる。
そして手前には竹芝桟橋。
ここから船に乗り、大島、三宅島や八丈島等の伊豆七島に何度も行ったものだ。
「外は暑いわ。早くシャンパーニュを飲みましょうよ」
クラッシュド・アイスを詰めたバケットでキンキンに冷えているボトルを、すぐに抜栓する。
今夜のシャンパーニュは、フィリップ・フォンテーヌが造る、ブリュット・ミレジム、ブラン・ド・ノワール、2007年。
ぶどうは、ピノ・ノワール70%、ピノ・ムニエ30%。
彼女は、ブラン・ド・ノワールが好きなのだ。
とても細かな泡立ち。
ふくよかな桃やパイナップルの香り。
口に含むと、鮮やかな酸を持ち、黒ぶどうの深みと複雑なニュアンスの熟成感を持つ。
彼女もこれは美味しいと、満足。
シャンパーニュで喉を潤すと、初めて部屋と外の景色を見渡し、「好い部屋ね」とにっこり微笑む。
今夜は思いっきり癒されそうだ。
素敵な夜の続きは、また明日。