最近海外に出ることが多く、彼女とゆっくりワインを飲む時間があまり無かった。
セラーのワインを厳選して持っていくので、二人だけのワイン会をしようとメールを送る。
OKの返事をもらい、重いクーラー・ボックスを抱え、予約したホテル、紀尾井町の『ホテル・ニューオータニ』に向かう。
今夜の生花はどんなテーマか、見るのが楽しみなのだ。
本館からタワーに通じる長い通路を進む。
この通路は移動が大変と言えばそのとおりだが、彼女が先にチェックインして待つ部屋に向かうと思えば、心躍る道のりである。
部屋に着くと、届けておいてもらったアイスバケットにシャンパーニュを入れる。
元々冷えた状態で運んできたが、クラッシュド・アイスを詰めたバケットで、キンキンに冷やすのだ。
今夜の最初のワインは、ニコラ・フィアット、グラン・レゼルヴ・ブリュット。
1976年創立の新しいシャンパーニュ・メゾンであり、創始者が現存する唯一のシャンパン・メゾンでもある。
グラスに注ぐと、濃い黄金色。
細かい勢いのある泡立ち。
口に含むと豊かな熟成感を持ち、黒ぶどうの強い味わいを感じる。
これは、彼女が好きなタイプ。
シャルドネよりも、ピノ・ノワールで造られたシャンパーニュが好きなのだ。
セパージュは、ピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ40%、シャルドネ20%。
リザーヴ・ワインを15~20%用い、3年間の瓶内熟成を経て出荷されている。
また新しいミュズレがコレクションに加わった。
さて、料理とワインの続きは、また明日。