丸の内のKITTEにある『ドン・ピエール・ハート』で彼女と過ごす夜の続き。
二本目のワインは、特別なもの。
もちろん店のワイン・メニューには掲載されていない。
オーストラリアのウルフ・ブラスが造る、プラチナ・ラベル、バロッサ・シラーズ、2002年。
オーストラリア最大手のワイナリーのひとつ、ウルフ・ブラスは、1966年にドイツ移民のウルフ・ブラスによって設立された。
イーグル・ホーク、レッド・ラベル、イエロー・ラベル、ゴールド・ラベル、グレー・ラベル、ブラック・ラベルのシリーズを販売しており、その頂点に立つのがこのプラチナ・ラベルなのだ。
ところが口に含むと、とても洗練されている。
円やかなタンニン、強い熟成感とふくよかな果実味。
確かにこれは、世界最高のシラーズのひとつである。
しかも2002年は、オーストラリアの最高のヴィンテージなのだ。
プラチナ・ラベルは一度飲んでみたかったワインで、木本店長にお願いして取り置きしてもらっていたワインなのだ。
彼女も濃いだけのシラーズは嫌いだが、こんなに洗練されたシラーズがあるのかと驚いている。
今夜のワインにも満足してくれたようで、私も嬉しい。
こだわり野菜のミックス・サラダ、黒鯛のカルパッチョ、20ヶ月熟成パロマ産生ハムとクスクス、そしてパテ・ド・カンパーニュ、豚肉と鶏白レバーのパテ。
大きな鶏を、二人に取り分けてもらう。
牛の方がシラーズに合うかとも思ったが、ソースがしっかりしているので充分にワインを楽しむことができる。
ゴルゴンゾーラ・ピカンテ、ピエダングロア、コンテ。
特にピエダングロアの熟成が進んでいて美味い。
人気のKITTEに開店した、『ドン・ピエール・ハート』で彼女と過ごす、素敵な夜でした。