丸ビルの35階、『マンゴツリー東京』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
二本目のワインは、カンパーニャのアリアニコを選んだ。
ラーヴァが造る、ベネヴェンターノ・アリアニコ、2010年。
ラーヴァは、アブルッツオの有名な造り手ファルネーゼと、地元のパートナー達によって設立された新しい会社。
タウラジ等の高品質のDOCGワインを生産している。
このワインはIGTで、ラーヴァの普及版のアリアニコ。
鼻を近付けるとぶどうの豊かな果実香がふわっと立ち昇る。
温度が低い間は酸とタンニンが目立ったが、温度が上がるにつれて円やかになり、果実味とのバランスがとても良くなった。
さらに温度が上がってくると、全体的に印象がぼやけてきて酸とタンニンが隠れ、平板な味わいとなってしまう。
そこでカラフェに移し、少し冷やしてもらう。
すると再び綺麗なストラクチャーが現れ、彼女も満足。
オイスターソースでさっと炒めた空芯菜は二人の好物。
空芯菜の中に埋没していた色鮮やかな唐辛子を最後に上に乗せ、彩りを加える。
見た目は味が濃いように見えるが、実は薄味。
この料理は彼女が選んだが、アリアニコに良く合ったので彼女は嬉しそう。
遠くで花火が上がり始めた。
ディズニー・リゾートの花火が綺麗に見えるのだ。
望遠にして撮影したのでボケてしまったが、建物の先に丸く明るく見えるのが花火。
その左下に見える小さな半円形の明りは、葛西臨海公園の観覧車。
私はもうお腹いっぱいなのだが、彼女は最後にご飯ものを食べたいと言って、蟹味噌の炒飯をオーダー。
タイ醤油卵焼き、タイの腸詰、トントロの煮込み、ライム、パクチー、等々色々な食材が盛り合わされている。
何時も私達の面倒を見てくれる大坂さんが、炒飯を混ぜ込んでくれる。
なかなかのハンサム・ボーイなのだが、俯いて真剣に調理してくれているので、額が照り輝いて写ってしまった。
食材を混ぜて食べるなんて、まるでビビンパブみたいだ。
彼女と私の皿に等分に盛り分けようとすると、「少しでいいの」と皿を引っ込めてしまう。
盛り付けた炒飯に、更に追加でもらったパクチーを振りかける。
トントロと腸詰の甘み、小さく刻んだ青唐辛子の辛み、そしてライムの酸っぱみ、パクチーの香りが混ざり合い、最高に美味い。
でも、彼女が注文したのに、お腹が一杯だと言って少ししか食べないので、結局私が大部分を食べる羽目になってしまった。
そこで、デザートは省略。
食べ過ぎたけど、彼女から幸せをいっぱいもらった、『マンゴツリー東京』での素敵な夜でした。