シャトー・マルキ・デ・ボアのアリエノール、2010年。
アリエノールとは、アリエノール・ダキテーヌのこと。
12世紀、アリエノールはフランス南西部を領地に持つアキテーヌ公ギョーム10世の長女として生まれ、フランス王ルイ7世と、イングランド王ヘンリー2世の二人の王と結婚した。
フランス南西部を領地に収めたいフランスとイングランドの思惑。
そしてフランス王と離婚し、イングランド王と結婚したために100年戦争に突入する原因となった、悲しい歴史。
そんな歴史とは関係なく、エチケットには2011年のパリ農業コンクール金賞受賞のメダルが描かれている。
歴史を彩った人物の名を冠し、金賞受賞のワインに期待が膨らむ。
スミレの香り、ドライな樽香。
口に含むと強いタンニンを感じるが、後味はすっきり。
余韻は長くなく、アルコール度数は14度とボルドーにしては高めだが、熟成感のためかアルコールアタックは感じない。
アリエノールはとても陽気で、陰気なルイ7世と全く性格が合わなかったと言う。
そんなアリエノールの名前を冠するワイン、陽気に楽しくいただきました。