その泡盛は、瑞泉酒造が造る「御酒」。
「御酒」と書いて、「うさき」と読む。
この「御酒」は、第二次世界大戦の戦火によって焼失してしまったと思われていた、伝統の「黒麹菌」によって造られた泡盛なのだ。
なぜこんなことが可能となったのか。
それは、発酵学の世界的権威、坂口謹一郎東大名誉教授が1935年に採取した沖縄の「黒麹菌」が、奇跡的に残っていたことによる。
その「黒麹菌」が東京大学分子細胞生物学研究所で発見されたのは1998年のこと。
それを、瑞泉が苦労の末に復活させたのは、1999年。
その幻の泡盛が、この「御酒」なのだ。
因みに、瑞泉酒造は琉球王府の泡盛職を始祖とし、操業1887年の名門である。
裏ラベルを見ると、原料は米こうじ、度数は30度、瓶詰めは2005年3月15日と書かれている。
これは凄い泡盛であると、飲む前から驚く。
色は極めてクリアな透明。
口に含むと、米の甘い香りが鼻に抜け、強い熟成感が舌を覆うが、味わいはドライ。
これは最高の泡盛である。
素晴らしい幻の泡盛に感激した夜でした。