赤ワインは、もう決めていた。
前回友人達とここに来た時に飲んだワインが美味しかったので、彼女に飲んでもらうために1本キープしておいたのだ。
そのワインは、ロンバルディア州のバルゲラが造る、ロッソ・ディ・ヴァルテッリーナ、1999年。
裏には、1999年と誇らしげに書かれている。
イタリア語が出来る彼女が、裏ラベルの記載内容を解説してくれる。
でも、造り方とか熟成のさせ方とか、必要な情報が書かれておらず、意味の無い美辞麗句しか書かれていないと不満げ。
そんな彼女も、注がれたワインを一口含むと、機嫌が直ったようだ。
ぶどうはキアヴェンナスカ、ピエモンテ州で言えば、ネッビーロ。
彼女が大好きなぶどうである。
色は既に少し薄くなっているが、果実香は健在。
強いタンニンは円やかとなり、強かったと思われるタンニンも大人の表情。
13年の時を経て開花した、素晴らしいワインである。
スカンピが大ぶりで美味い。
外側がかりっと焼かれたポークは、とてもジューシー。
一切れもらって味わう。
脂身が取り除かれ、骨の部分も綺麗に掃除されている。
美味くラムを食べるには、この心遣いが大切なのだ。
お腹はいっぱいなのだが、すいすい食べてしまう。
彼女も、この店がお気に入りになっている。
広尾で彼女と過ごす、素敵な夜でした。