それは、日本橋の老舗、『蛇の市本店』の若女将のせいかもしれない。
美人の若女将が選んでくれる日本酒は、飛び切りに美味いのだ。
今夜も、頼んでおいた酒が入荷したというので、友人達と飲みに行った。
友人が飲みたいと言っていたのは、山形の亀の井酒造が造る、くどき上手、辛口純米吟醸。
亀の井酒造は、創業明治8年の小さな蔵。
この辛口純米吟醸は、雄町を100%用い、50%まで磨きあげて醸した、蔵こだわりの逸品である。
酒に良く合う。
酒が益々進む。
次の酒は、鳥取県の大田酒造場が造る、辨天娘、槽汲(ふなくみ)生原酒。
辨天娘では、タンク毎の酒をそのままブレンドせずに出荷し、タンク毎に微妙に異なる味わいを楽しめるようにしている。
この酒は生原酒で、五百万石を65%まで磨いて醸し、アルコール度数は18~19%もある。
素晴らしい酒を選択してくれた若女将に感謝。
この皿は、知人の陶芸家に頼んで特別に焼いてもらったものだそうだ。
すでに酒が回り始めていたようだ。
あれ、字が裏返しで見えるのは、酔ったせいかな?
いえいえ、これは八仙の裏酒なので、文字も鏡映しになっているのです。
陸奥八仙の華想い大吟醸の責めと荒走りをブレンドし、最高の旨みが出るまで貯蔵した隠し酒。
米は華想いを50%まで磨き込んで醸している。
これまた若女将、素晴らしい酒をありがとう。
とくに、ヅケは最高に美味い。
身が締まって美味い。
烏賊は、身がこりこりと歯応えがあって、それでいてとても柔らかい。
光物は好物。
普段はあまり食べないが、今夜は思わず食べてしまう。
これは江戸前の代表格で好物。
でも、酒の勢いか、食べてしまう。
酒を飲み過ぎた後には、とても美味い。
友人達と過ごす、日本橋の老舗鮨屋での楽しい夜でした。