続いて出されたワインは、クーヨン、マサール、ピノ・ノワール、2008年。
クーヨンは、1995年に設立された、シャルドネとピノ・ノワールに特化した、新進気鋭のワイナリー。
クーヨンとは、野鳥が集まる場所と言う意味。
ワイナリーが、水鳥の生息地に隣接しているのだ。
ふくよかな香りを持ち、タンニンもしっかりしている。
ピノのストライク・ゾーンが狭い彼女も、これなら大丈夫と言ってくれ、ひと安心。
天然酵母を使用し、開放タンクで発酵後、フレンチオークの樽で12ヶ月熟成させている。
新樽比率は15%。
グラスの向こうに見えているのは、正装してきたスコットランド人。
ちょっとスノッブなことを言うので、他の参加者から君はミスター・ビーンに似ていないか、などと揶揄されていた。
これは美味い。
次のワインは、クロナキラが造る、シラーズ・ヴィオニエ、2008年。
1971年に創設され、順次畑を広げ、ぶどうの種類を増やしてきたワイナリーである。
色は非常に濃く、ガツンと強いだけのワインを想像してしまったが、驚くほどエレガント。
しっかりとした熟成感を持ち、スパイシーでリッチ。
それでも、ヴィオニエが少し入っているためか、とてもエレガント。
これも素晴らしい。
彼女がお代りをしたところをみると、彼女もとても気に入ったようだ。
柔らかく甘みを感じるラムは、最高に美味い。
西オーストラリアのマーガレット・リバーにあるワイナリー、ヴァス・フェリックスのケーン・カット、セミヨン、2010年。
ヴェス・フェリックスとは面白い名前だ。
フランス人によって発見されたオーストラリアの素晴らしい土地を意味しているのだそうだ。
フランスの軍艦がこの地を調査中に、ヴァスという水兵が溺れたことでこの地を発見したことから、ヴァスのフェリックス(ラテン語で幸運)と名付けられたそうだ。
グラスの向こうに見えているラフな格好の人は、アメリカ人。
とても話が面白く、そしてブルース・ウィリスにとても良く似ていた。
ところで、このエチケットの鳥は、ハヤブサ。
野鳥がぶどうを食べにくるので、ハヤブサを飼って、インコなどの野鳥を追い払っているのだそうだ。
ブルー、白カビ、そしてミモレットをつまみながら話は尽きない。
こんな楽しいワイン会は久し振りだ。
彼女と過ごす、代官山の素敵な夜でした。