アルゼンチンから友人が来たので、一緒に食事をすることにした。
場所は、銀座の『シルベラード』。
中原シェフ率いる、イタリアンの名店である。
友人は、イタリア国籍も持つイタリア系アルゼンチン人なのだ。
『シルベラード』があるビルのエントランスは、何時も生花が美しく迎えてくれる。
友人もこの演出をきっと気に入ってくれるはずだ。
外には、銀座の夜が輝く。
その喧騒が嘘のように、この角部屋は静かに客の訪れを待っている。
ワインは事前に選んである。
乾杯は、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州の白ワイン。
テヌータ・ルイーザが造る、ホワイト・エモーション、2010年。
1927年創立の家族経営のワイナリーで、コンセプトは”スタイリッシュ&エモーション”。
土着品種を用いたワイン造りで知られている。
このホワイト・エモーションのぶどうは、フリウラーノ、リボッラ・ジャッラ、ゲヴェルツトラミネール、シャルドネ。
とてもバランスが良く、まさにスタイリッシュで洗練された白。
アドリア海の海風とアルプスの山風がぶどう栽培に最適な環境を作り出しているフリウリ、そこの造り手による白は素晴らしい。
白ワインが喜ぶ美味しさ。
ホワイト・エモーションとのベストマッチ。
温かなスープが胃に嬉しい。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ造りで有名なサン・ポリーノが造る、サンタンティモ、2009年。
サンタンティモは、モンタルチーノ南部、世界遺産のオルチャ渓谷にある修道院の名前。
このワインはサンジョヴェーゼ・グロッソ100%で造られており、サン・ポリーノのブルネッロの弟分とでもいうべき存在。
充分な果実味と熟成感を持ち、円やかなタンニンと酸のバランスも良い。
価格が高騰しているブルネッロに較べ、気軽に飲むことができる嬉しいワインである。
楽しい夜はまだまだ終わらない。
続きはまた明日。