サンフランシスコに、素晴らしいフレンチ・レストランがオープンした。
郊外にあったミシュラン一つ星レストラン、『エル・パセオ』が閉店して二年。
『エル・パセオ』は、武居征吾氏が、シェフであり奥様でもある”ケイコ”氏と共同で開いていたお店。
そのお店が、『ケイコ・ア・ノブ・ヒル』と改名して2011年12月1日にサンフランシスコ中心部、ノブ・ヒルに開店したのだ。
『ケイコ・ア・ノブ・ヒル』は、ノブ・ヒルの急な坂を登った一番高い場所にあるビルの二階にある。
店内の内装は、シックでゴージャス。
ダイニングルームの他に、個室、バー、ウェイティングルームがあり、シーンに合わせて利用可能だ。
デュヴォー、グランド・レゼルヴ・ブリュット。
日本ではあまり見掛けないシャンパーニュ。
三年以上の瓶内熟成を経て出荷されているそうだ。
伝統的な造り方の、重厚なブリュット。
ドサージュも、低く抑えられている。
セパージュは、ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%。
フレンチだが、そこかしこに日本の食材が使われている。
メイン・ダイニングはフレンチだが、バー・ラウンジでは和食を中心にサーヴされている。
ラ・シュエット、オレゴン・ピノ・ノワール、2009年。
パトリシア・グリーン・セラーズが、ラ・シュエットのために製造・瓶詰めしたと書かれている。
ラ・シュエットとは、フクロウの意味。
武居さんが、六本木に開いているお店の名前でもある。
この絵は、どこかで見覚えがあるような。
そう、ハリー・ポッターの挿絵で有名な、ダン・シュレシンジャーの作品。
彼は、武居さんの友人でもあるのだ。
アメリカのピノ・ノワールとは思えない、複雑なニュアンス。
ブラインドで飲むと、きっとブルゴーニュと間違ってしまうだろう。
武居さんによると、アメリカのピノ・ノワールの樹齢は若いのに、無理してブルゴーニュの古木のピノと同じ造り方をしているのが間違いだとのこと。
このラ・シュエットは、ヴィラージュクラスの若い樹のぶどうを使った造り方をしているので、自然な美味さがあるのだそうだ。
それにしても、2009年でこの熟成感。
驚きのピノ・ノワールである。
このワインは生産量が少なく、『ケイコ・ア・ノブ・ヒル』か、『ラ・シュエット』でしか飲むことができない。
フォアグラのソテー、エスプレッソ・ソース。
オマール海老の横に添えられているのは、カリフォルニア産のゆず。
ゆずの中には、オマール海老と北海道産の帆立が入っている。
追加で、黒トリュフをたっぷりとかけてもらった。
まるでお菓子のよう。
さて、食事はこれで終わりなのだが、ここから先が長くなってしまった。
その話は、また明日。