六本木の『サバティーニ』に繰り出した。
ホテル・アイビスの13階でエレベーターを降りると、クリスマス・ツリーがお出迎え。
その隣では、『サバティーニ・ローマ』と彫られた大きなアコヤ貝に乗った今夜の魚達がお出迎え。
彼女は魚に睨まれているようで怖いと言うが、友人達は旨そうだと魚の出迎えに大喜び。
マルケ州の代表的存在、ウマニ・ロンキが造る、新酒(ノヴェッロ)。
ジェンマート・ノヴェッロ・マルケ・ロッソ、2011年。
ジェンマートとは、”宝石で飾った”と言う意味。
その名のとおり、ウマニ・ロンキの自信作なのだ。
ノヴェッロなので、若くて熟成感の少ないワインを想像していたが、そのとても濃い色合い、そしてボディに驚かされる。
これは充分にぶどうの凝縮感を持つ、素晴らしいワインだ。
ぶどうは、サンジョヴェーゼ、モンテプルチアーノ、ラクリマ・ディ・モッロ・ダルバのブレンドだそうだ。
グラスの後ろに見えるビルの灯りは、ミッドタウン。
頼んだ料理が出てくる前のアミューズは、空いた胃袋をなだめてくれる。
最近、カルパッチョもサラダ仕立てが好きになっている。
濃厚な自然の甘さがたまらなく美味い。
1本目をあっという間に飲み干したので、白ワインを出してもらう。
フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州の、ヴィッラ・ヴィータスが造る、リボッラ・ジャッラ、2010年。
ヴィッラ・ヴィータスは、土着のぶどうを用いた数種類のヴァラエタル・ワインを造っている。
このリボッラ・ジャッラもフリウリの土着ワインで、私も飲むのは初めて。
柑橘系の香りを持ち、しっかりとした酸味がある爽やかな白。
新しいぶどうのワインを飲み、美味しかった時は本当に嬉しくなる。
パスタは、ズワイガニ、アーティチョーク、水菜のタリオリーニ。
そこで、抜栓し、デキャンタージュしておいた赤を出してもらう。
アブルッツォ州のファルネーゼが造る、モンテプルチアーノ・ダブルッツォ、2009年。
ファルネーゼは1582年から続く歴史を持つ生産者。
コスパ抜群の、素晴らしい品質のワインを世に送り出している。
特にモンテプルチアーノは評価が高く、このワインも素晴らしい熟成感を持ち、スパイシーで重厚。
この価格でこのボディを飲むことができるなんて、ファルネーゼには何時も感謝している。
メインは、イベリコ豚肩ロース肉のロースト、バルサミコソース、キノコ添え。
見た目にも美しい一品。
美味いワインのせいか、自制心が働かなくなったようで、ワゴンから4種類を選んでしまう。
ちょっと食べ過ぎた時は、スピリッツで消化促進。
グラッパを一杯目はゆっくりと、そして二杯目は勢いよく呷って今夜を締めくくる。
友人達と過ごす、楽しい六本木の夜でした。