北九州の小倉にある大好きなイタリアン、『アトル』を久し振りに訪れた。
店の外には、今日のお薦めが書かれている。
御影石のビルの中にある、この木製の緩やかな階段が好きだ。
ここを上ると、今夜の期待に胸が膨らむ。
オープン・キッチン近くのカウンターでも良いが、今夜は店の奥のテーブルに着く。
今夜のシャンパーニュは、以前にもご紹介したジョエル・ファルメル、トラディション。
コクがある、美味いシャンパーニュである。
きっと黒ぶどうの比率が高いのだろう。
寒くなったこの時期に良く合う。
何となく真面目に造りました、といった感じで好感が持てる。
好きなレコルタン・マニピュランの一つである。
カウンターに置いてあるプロシュートが美味しそうだったので、シャンパーニュに合わせて切ってもらった。
店のお薦めだけあって、美味い。
最近は珍しい野菜の種類が増えて、食べる楽しさが倍増した。
今夜の赤は、店のリストに載っていない一本物。
ルモワスネ・ペール・エ・フィスの、ニュイ・サン・ジョルジュ、1997年。
ルモワスネは、1877年、ボーヌに設立されたネゴシアン。
豊富な資金力を持ち、ルモワスネの地下カーヴには100万本ものワインが保管され、熟成を待って出荷されている。
古酒になると、20年に一度の澱引きを行い、最高の状態で蔵出しされているのだそうだ。
この赤はまだ14年物だが、グラスに注ぐと少し退色が始まっており、タンニンはとても柔らかくなっている。
その分ぶどうの果実香が前面に出ており、ヴィンテージ・ワインでしか味わえない奥ゆかしさを楽しむことができる。
九州で食べる馬肉は、上品でとても美味い。
パスタも赤に合わせ、猪のラグーソースを選ぶ。
しっかりとした猪肉も、今夜のワインに良く合う。
床には、入荷したワインケースが幾つも置かれている。
また小倉に来た時には、新しいワインを試しに来よう。
旅先の小倉で過ごす、楽しい夜でした。







