パーラメント、ハンブルク | ワインは素敵な恋の道しるべ

ワインは素敵な恋の道しるべ

白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。


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今夜は、市庁舎の地下にある素敵なレストランを訪れた。


これがラットハウス、つまり市庁舎。



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門をくぐり中庭に入る。


大きな彫像が水盤の上に立ち、手を差し伸べる。


思わず一緒に空を眺めてしまう。















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庁舎内に入ると、内部はこんなに美しい。


ハンザ同盟の中心地であり、富を誇った都の歴史を感じさせる。















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ホールの中には、多くの展示物が並んでいる。


何かと近付いてみると、それは日本の震災復興を祈る展示。


寄せ書きもいっぱい張り出されている。


予想もしなかった、ハンブルクでの日本復興への暖かい想い。


感激のあまり数限りないパネルを一枚一枚見て歩き、目のあったドイツ人にダンケとつぶやき、優しい笑みを返してもらう。



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そしてここが今夜のレストランの入り口。


以前はラットヴァインケラーという店だったが、今ではパーラメントという名に変わっている。














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地下では色々な方向に通路が伸び、その先に何があるのかと思ってしまう。


きっと深夜になり明かりが消えると、別の世界の住人が繰り出してきて、賑やかになるのだろう。













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まだ早い時間なので、客はまばら。






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さっそく最初の白で乾杯。



今夜もフランケン地方のヴュルツブルグにある、ヴァイングート・アム・シュタインのシルヴァーナ。


エチケットの上には、ワイン生産者の物と思われる指紋のシールが貼られている。










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このシルヴァーナも、香り豊かな素晴らしい辛口。


これだからフランケンのワインは大好きなのです。
















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最初の料理は、帆立と西瓜のグリル。


西瓜をグリルするとどうなるのか不安だったが、熟す前の西瓜のグリルはなかなか美味しい。


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ここで、二本目に赤ワインを抜栓する。


今夜も、ピノ・ノワールを選ぶ。


プファルツ地方のクニプザーが造る、ブラウアー・シュペートブルグンダー、2008年。


クニプザーは有名なピノ・ノワールの生産者で、人気が高く、日本では手に入りにくいワイン。


面白いのは、ピノ・ノワールのドイツ名は、ブラウアー(またはブラウ)ブルグンダーか、シュペートブルグンダーだが、このエチケットにはブラウアー・シュペートブルグンダーと表記されている。


とにかくレストラン内が暗いので、写真がボケてしまった。




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これは美味い。


色合いは濃く、濃厚な果実香とまろやかで強いタンニンを持つ。


今回の旅での最大の発見は、思っていた以上にドイツの赤の品質が上がっていること。


以前は硬いタンニンばかり際立っていたが、今ではぶどうの栽培技術が向上し、樽熟成と相まって素晴らしいボディを造り上げている。






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メイン料理は、牛ホホ肉の赤ワイン煮込み。


これはワインとの相性抜群で美味い。


しかし、量が半端でない。


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飲み過ぎとは思いながら、あまりの美味しさに店で一番高価な赤を頼んでしまう。


同じくクニプザーが造る、キュヴェX、2007年。


もちろん、ぶどうはシュペートブルグンダー。


クニプザーの最高のキュヴェだと思われるが、その自信がこのエチケットにも表れている。







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何と言う素晴らしい熟成感。


重く強く、複雑なぶどうのニュアンスさえも感じる。


ドイツは白が美味く赤はいまいち、という概念を根底から覆す素晴らしいピノ・ノワール。


なんとかこのワインを買って帰りたいと思ったが、結局街のワイン・ショップでは手に入らなかった。


別のブランドは手に入れたので、それはまたご紹介する。



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広い店内は、いつの間にか満席。


賑やかな話し声がホールにこだまする。




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ラットハウスを出ると、ラットハウス・マルクト(市庁舎広場)には明かりが煌々と輝く。





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市庁舎を見上げながら、ハンブルクの暖かい人情に感謝。


やはりドイツは日本人に合うのかもしれない。


また訪れることを心に近い、最後の夜に別れを告げました。