そう、今回の旅は、彼女のお祝いのために企画したもの。
選んだレストランは、ステート・タワーの64階にあるオープン・テラス・レストラン、『シロッコ』。
このビルの最上階にお店があり、展望バーからはバンコクの街並みを一望することができる。
このまま外に出ると、テラス・レストラン、階段を上ると、室内レストランでイタリアンを味わうことができる。
ドームを出て階段を下ると、今夜のレストラン、『シロッコ』に着く。
まだ明るいのですぐには席に着かず、展望バーでしばらく眺望を楽しむことにする。
バーはガラスの低い壁で外と仕切られていて、眺めが妨げられることがない。
眼下にチャオプラヤー川を眺めることができる。
円形のバーカウンターで飲み物を注文し、彼女と共に暮れゆくバンコクの街の眺望を楽しむ。
暑いバンコクとは言え、さすがに64階では風があるので、半袖では肌寒い。
店の人は皆さん長袖。
私は麻のジャケットを着てきてよかった。
彼女は半袖の優雅なワンピースを着てきたが、上に羽織るカーディガンを持ってきていて良かった。
写っているのは、私の足。
テーブルのランプと、街に灯り始めた明かりが重なり、美しい。
「お誕生日、おめでとう」
「こんな素敵なお祝いをありがとう」
乾杯は冷えた白ワイン。
二人が好きな、ピノ・グリージョを選んだ。
このワインは日本には輸入されていないようだ。
イギリスやアメリカのワイン輸入商のH.P.を見ると、ピエモンテのガヴィにも負けない、高品質のピノ・グリージョだと紹介されている。
確かにフルーティな辛口で、ふくよかな果実味を持つ、上質の白である。
料理が届くまでは、このパンで空腹を満たす。
これが美味いのだ。
しかし、ワインと共にどんどん食べ過ぎてしまい、料理が出る頃にはほとんど食べ尽くしてしまった。
それでは、赤ワインの紹介はまた明日。