彼女が好きな、アイラ・モルト。
アイラ島は、スコットランドの西の海に浮かぶ島。
島で造られるモルトを、アイランズ・モルトと呼ぶが、他の島々にはひとつずつしか醸造所が無いのに対し、アイラ島には8か所もの醸造所がある。
そこで、アイラ島のモルトはアイランズ・モルトに含めず、アイラ・モルトと呼ばれているのだ。
その中でも、レア物のポート・エレン。
何故なら、1825年に創業されたが、1983年に蒸留部門を閉鎖してしまい、それ以降はモルトを生産していないのだ。
新しいボトルが手に入った。
それも、評価の高い、7thリリース。
残った樽を、少しずつ瓶詰めし、リリースしているのだ。
つまり、貯蔵されている樽が無くなれば、それで終わり。
とても貴重で、美味いモルト・ウィスキ-、それが彼女が大好きな、ポート・エレンなのだ。
7thリリースは、1979年に蒸留され、2007年に瓶詰めされた28年物。
今夜は、7thリリースは眺めるだけ。
飲むのは、既に封を切っている5thリリース。
5thリリースは、1979年に蒸留され、2005年に瓶詰めされているが、何故か25年物の表記。
これは、アルコール度数が57.4%もある。
海に面した島の醸造所で、海草が混じったピートを使うため、ヨード香がとても強い。
初めて飲む人は、その強い香りとアルコール度数に驚いてしまう。
でも、一度好きになると、普通のブレンデッド・ウイスキーが飲めなくなるほどの強烈な個性を持っているのだ。
二杯目は、アイランズ・モルトの代表格、スカイ島にある、タリスカー、25年。
これも海草由来のヨード香が極めて強いモルトである。
10年物、18年物が一般的だが、やはり25年物が美味い。
30年物もあるが滅多に手に入らず、私も一本しか飲んだことが無い。
このモルトも、アルコール度数は54.2%もある。
う~ん、強烈に美味い。
これは、本当に大人の酒である。
レストランでワインを飲んできた後でもあり、アルコール度数が強いので、シングル2杯で止めておかないと酔ってしまう。
銀座八丁目にある『バー シェイク』のオ-ナー、古田土さんは、銀座資生堂の、『ファロ』のラウンジの支配人を長く務めた有名なバーテンダー。
古田土さん、今夜もお世話になりました。