飛行機に乗る楽しみの一つは、日本で公開されるより早く観ることができる、映画。
そしてもうひとつの楽しみは、ワイン。
今回の旅で利用したANAのバンコク線のワインを、全種類飲んでみた。
カナール・デュシェーヌの、ブリュット・ミレジメ、2005年。
これは、フランスの結婚式で最も飲まれるシャンパーニュ。
理由は、メゾンの生まれにある。
1860年、樽職人のヴィクトル・カナールと、ぶどう農家の娘レオニー・デュシェーヌが結婚し、1868年に二人の名前を付けて設立したのが、このシャンパン・メゾンなのだ。
ロシア皇帝ニコライ二世の宮廷でも愛飲されたことから、エチケットにはロシア皇帝の紋章「双頭の鷲」が描かれている。
また、その上に書かれたサーベルは、お祝いや褒美の象徴なのだそうだ。
セパージュは、ピノ・ノワール54%、ピノ・ムニエ10%、シャルドネ36%。(年度によって異なっている可能性あり。)
昨年のシャンパーニュは、フィリポナのブリュット・ミレジメ、2005年だった。
ANAのシャンパーニュは品質が高いので、乗っていて楽しい。
さて、白ワインを見ると、二種類積まれている。
一本目は、大好きなリュリー。
しかも、メゾン・ジョゼフ・ドルーアン。
2009年と若いが、エレガントでふくよかな素晴らしいシャルドネ。
リュリーは、フランス、ブルゴーニュのコート・シャロネーズにあり、高品質の白と赤を産している。
造り手は、ヴォロニク・ドルーアン。
ブルゴーニュとオレゴンでワイン造りを手掛ける、ドルーアン・スタイルの継承者であり守護神。
ブルゴーニュで造られるワインも好きだが、彼女の子供たちの名前が付けられたオレゴンのワインも大好きである。
南島の北部にある、マールボロ地区にある、スパイ・ヴァレー、ソーヴィニヨン・ブラン、2010年。
これは驚きのワインを採用したものだ。
スパイ・ヴァレーは日照時間が最も長いため、完璧なぶどう栽培地と呼ばれている場所。
そこで、オーナーを始め三人の若者が造るワインは、世界中のコンクールで金賞を数多く獲得しており、今最も話題になっている新しいワイナリーなのだ。
強いぶどうの熟成感を持つ、素晴らしいソーヴィニヨン・ブラン。
彼らが造り出すワインは、高品質で、しかもコスト・パフォーマンスがとても良いのだ。
最初の赤は、ボルドー、オー・メドックのシャトー・ラ・ローゼット、クリュ・ブルジョア、2007年。
これはバランスのとれた、ボルドーらしいワイン。
セパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨンがメインで、メルロー、プティ・ヴェルド、カベルネ・フランが入っている。
二本目の赤、そして最後のワインは、オーストラリアのザ・ラッキー・カントリー、シラーズ、2009年。
実は、このワインは良く分からない。
まさにオーストラリアのワインの一大産地、バロッサ・ヴァレーとマクラーレン・ヴァレーで生産されているシラーズのようだ。
飲んでみると、さすがオーストラリアのシラーズ。
これは圧倒的な果実味を持つ、素晴らしいシラーズである。
今回は、白・赤とも、フランスとオセアニアの組み合わせになっている。
ANAが自信を持って選びに選んだワインだけあって、今回も素晴らしく、楽しいフライトとなりました。