今年6月に、ミラノに旅した時のこと。
夜毎夜毎、美味い料理とワインを求め、有名レストランを訪問した。
ガッレリアを抜け、マリーノ宮市庁舎の横から小道に入る。
オメノーニの家の前を通る。
ユニークな装飾だが、夜遅くこの小道を通るのは気持ち悪い。
イタリアを代表する小説家であり、イタリア語統一運動の指導者でもあった、アレッサンドロ・マンゾーニ。
ドアから中を覗くと、建物を無料で案内してくれた。
さらに小道を進み、大通りに出ると右折し、プッブリチ公園まで進む。
公園を見下ろすビルの4階にある『テラッツァ・ヴィスコンティ』は、ミラノを代表するレストランの一つ。
店名どおり、テラスで食事をするのがここのお薦め。
奥のサーヴィング・テーブルにはスプマンテが飾られている。

赤は、ピエモンテ州のバローロを選んだ。
ミラノではとても高価な、€100。
さて、白は何にするか。
赤をバローロにしたので、白もピエモンテ州のものを選ぶこととし、大好きなピオ・チェーザレのガヴィ・デ・ガヴィを注文する。
価格は€30と、とても良心的。
ところが、ピオ・チェーザレの在庫が切れているので、他のガヴィでも良いかと、店員が聞いてきた。
「お薦めのガヴィを頼む」と答える。
ちょっと離れたサーヴィング・テーブルで、店員が手際よくボトルを開け、グラスに注いでくれる。
でも、そのボトルを見て凍りついてしまった。
ガヴィではなく、アンジェロ・ガイアのガイア・アンド・レイではないか。
安く見積もっても、€200はする代物である。
急いで支配人を呼び、事情を説明する。
すると支配人は、一瞬躊躇しただけで、「€30でご提供させていただきます」と、さらりと言ってのけた。
そして、「素晴らしいガイアをお楽しみください」と付け加えて、にこっと笑って立ち去った。
ミラノが益々好きになった、素敵な出来事でした。


