今夜は友人たちと、小倉の行きつけのお店で会食。
お店は、小倉北区米町にある『希味』。
これで、”のぞみ”と読む。
オーナーの名前が希美(のぞみ)さんなので、美を味に代えて、同じ読みにしているのだ。
最初の白ワインは、チリを代表するワイナリー、コンチャ・イ・トロのカッシェロ・デル・ディアブロ、シャルドネ、2008年。
コンチャ・イ・トロは、チリ第一のワイナリー。
スペインのコンチャ侯爵家が新大陸でのワイン造りを考え、それを実現したのがこのワイナリーの創立者のドン・メルチョー氏。
今では近代的な管理の元、多くのぶどう品種を栽培し、素晴らしいワインを世に送り出している。
グラスに注ぐと、色合いは少し濃い目。
ふくよかなぶどうの香りを持ちながらも、気持ちの良い辛口。
酸とミネラルのバランスの良い、素晴らしい出来である。

二本目は、同じくカッシェロ・デル・ディアブロ、メルロー、2008年。
カッシェロ・デル・ディアブロとは、”悪魔の蔵”の意味。
昔、コンチャ・イ・トロには最も美味しいワインを貯蔵しておく秘密の蔵があった。
ところが盗み飲みをする者が後を絶たなかったので、ドン・メルチョー氏は、この蔵には悪魔が棲むと噂を流し、美酒を守ったとの伝説が残っている。
このワインのシリーズは、この伝説を名前に冠しているのだ。
このメルローも美味い。
充分に濃く、充分に強い。
コンチャ・イ・トロのこのシリーズは、本当にコスト・パフォーマンス抜群である。
二本で止めておけば良いのだが、気分は最高、ついつい三本目に突入してしまう。
カリフォルニア、ソノマのクライネ・セラーズの、エンシェント・ヴァインズ、ムールヴェードル、2007年。
クライネ・セラーズは、ぶどうの古木からのワイン造りで有名で、100年近い古木から造られたワインにエンシェント・ヴァインズの名前を付けている。
また、太陽電池で100%自家発電を行う、環境保全型ワイナリーとしても知られている。
使われているぶどうも珍しい。
ムールヴェードルはフランスのローヌ地域で補助的に使われているぶどう品種である。
例えば、シャトー・ヌフ・デュ・パプにグルナッシュを補完するぶどうとして、シラー等と共に使われている。
最近では、カリフォルニアでこのムールヴェードルを100%、またはメインにしたワインが造られているが、私にとっては初めて出会うワインである。
ぶどうの特徴どおり、色は非常に濃い。
そして、しっかりしたタンニンを持つ。
しかし、よく言われる土臭さや獣臭はほとんど感じず、なかなか洗練された仕上がりとなっている。
やはり地中深く根を張った古木のぶどうを用いているので、洗練されたミネラル感のあるボディとなっているのであろう。
今夜は『希味』の料理に全く触れなかった。
もちろん、和食の創作料理は気が効いていて美味い。
今夜も楽しい小倉での会食でした。