友人が、ラッフルズ・ホテルのロング・バーに行ったことがないと言う。
それは大変だ。
このまま日本に帰る訳にはいかない。
ラッフルズ・ホテルの前には、何時も観光客が集まって写真を撮っている。
その人混みを掻き分けるようにして正面玄関に車を付けると、そのままロング・バーに向かう。
実は、ラッフルズ・シティ側から入るとバーはすぐ近くにあるのだが、それでは折角ラッフルズ・ホテルまで来た意味が無い。
この噴水を始め、正面玄関から長いコリドーを歩くと、途中に見るべきものが幾つもあるのだ。
二階のバーに入ると、螺旋の内階段を使ってさらに上の階に行く。
まだ時間が早いので、すぐにテーブルを確保することができる。
知らずに飲み干そうとすると、下の球の部分に空気が入り、ビールが勢いよく飛び出して顔にかかる。
小振りで塩が効いていて美味い。
殻を床にどんどん落として食べるのが、ロング・バーでの流儀。
夜遅くなると、殻を踏む締める音が部屋中に満ち溢れる。
バンドの生演奏が始まり、一層楽しい雰囲気となる。
さて、仕上げはやはりシンガポール・スリング。
ロング・バー発祥のカクテルである。
周囲のテーブルを見ると、誰もがこれを飲んでいる。
男だけで飲むのは気恥ずかしくはあるが、初めての友人のために注文する。
ラッフルズ・ホテルのロング・バー、誰もが一度は訪れる、そして必ず楽しい気分になって帰ることのできる、そんなお店です。




