今夜は友人たちと中華料理。
普通の中華料理店では紹興酒を飲むことが多いが、今夜のお店、『謝朋殿』(錦糸町)にはワインが結構揃っているのだ。
それに価格もリーズナブル。
だから、中華料理を食べたくなると、ここに来ることが多い。
早速最初のワインで乾いた喉を潤す。
選んだ白は、オレゴン州のウィラメット・ヴァレー・ヴィンヤーズ、ピノ・グリ、2007年。
オレゴン州を代表するワイナリーが生産する、フルーティでミネラル感の強い素晴らしいピノ・グリである。
ピノ・グリは、赤用の偉大なぶどう、ピノ・ノワールの変異株で、ノワール=赤に対し、グリは赤と白の中間の灰色の意味。
従って、普通の白とは違った深みがあり、私が好きなぶどう品種である。
因みに、このワインにはピノ・ブラン(ブラン=白)も7%ほど使われている。
前菜は好物のくらげ。
これが無いと、私にとっての中華ディナーは始まらないのだ。
そしてモツ炒め。
これも白ワインのアテに最高。
そしてイカと野菜の炒め物。
プリプリのイカが美味い。
野菜の蟹あんかけ。
中華では、野菜料理をなるべく多く食べるようにしている。
そうすれば、お腹一杯食べても、翌朝の体重計の目盛りは増えることが無い。
二本目は赤。
軽めのピノ・ノワ-ルを開ける。
ニュージーランドのシレーニ・エステートが造る、サティール、ピノ・ノワール、マールボロ、2007年。
シレーニ・エステートは北島の東海岸にあるホークス・ベイに本拠地を持つが、このワインは南島の北端、マールボロ地区のワイン。
しっかりとぶどうの果実味を持ちながら、すっきりとした綺麗なミディアム・ボディ。
シレーニとは、ローマ神話の酒神、バッカスの従者であるシレーニ神から付けた名前。
参加者がそれぞれ好きな物を頼むので、何が来るか収拾が付かなくなる。
黒酢の酢豚が出てきた。
これはこの店では外せない料理の一つ。
そして、鶏肉とカシュ-ナッツ炒め。
誰が何時の間に頼んだのだろう。
でも、美味い。
味覚が次々と変わるので、いくらでも食べることができる。
そして、豚肉の味噌炒め、レタス包み。
メニューには無いが、参加者の一人が食べたいと言って、特別に作ってもらった。
ワインはもう三本目に突入している。
マッセートの普及版、レ・ヴォルテ、2007年である。
テヌータ・デル・オルネッライアは、イタリア、トスカーナ州を代表するぶどう醸造家、アンティノリ家のロドヴィーコによって開かれ、最高のスーパー・トスカーナと称されたが、その後ロバート・モンダヴィの手を経て、今ではアンティノリ家の最大のライバル、フレスコバルディ家の所有となっている。
マッセートがメルロー100%なのに対し、レ・ヴォルテはサンジョヴェーゼ51%、メルロー34%、カベルネ・ソーヴィニヨン15%の配合。
果実味、酸味、タンニンのバランスが良く、トスカーナのボルゲリ地方のテロワールを体現した素晴らしいワインである。
やはり四川風も一皿は頼みたい。
でも、とても辛い。
食事の仕上げは、まずはおこげ。
目の前で熱々のおこげにルーが掛けられると、香ばしい音と香りが食欲を掻き立てる。
そして海鮮焼きそば。
もうお腹は一杯のはずなのに、何故か手が伸びてしまう。
中華料理とワイン、全員満足の素晴らしい会食となりました。