懐かしい友人が来た。
宿泊先は、帝国ホテル。
一緒に食事をすることにしたが、外は寒風吹きすさぶ二月。
それならホテル内で食べる方が絶対に良い。
選んだ店は、鉄板焼きの『嘉門』。
席に着くと、シェフが挨拶に現れ、調理の準備を始める。
友人と話をし、そしてシェフと話をするうちに、料理への期待がどんどん高まる。
ワイン・リストを慎重に検討し、今夜はイタリア・ワインで組み立てることに。
最初のワインは、ピエモンテ州のガヴィを選ぶ。
ヴィッラ・ブローリア、ガヴィ・デル・コムーネ・ディ・ガヴィ、2008年。
コルテーゼというぶどうで造られた、酸のバランスが良い辛口の白である。
アミューズは、黄金色のじゃがいも、インカの目覚めのコロッケ。
続いて、前菜は海老尽くし。
サラダが出されるときに、赤ワインに切り替える。
ちょっとガヴィを飲むペースが早かったようだ。
二本目は、トスカーナ州の赤ワイン。
カルピネートの、ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプロチャーノ・リゼルヴァ、1999年。
ぶどうは、サンジョヴェーゼの亜種であるプルニョーロ・ジェンティーレ90%、カナイオーロ・ネーロ10%。
ヴィーノ・ノビレ、つまり高貴なワインと言われるだけあって、洗練された味わいのワインである。
品質の高さで知られるカルピネートのヴィーノ・ノビレは、リゼルヴァ(38ケ月以上熟成)らしく、深く、充分な強さを持っている。
魚料理の食材が運び込まれる。
アンコウにアンキモ。
鱈の白子に、大振りなホタテ。
どんな料理になるのか楽しみ。
最初の魚料理は、アンコウと野菜のココット。
スープで煮た野菜に、鉄板で焼いたアンコウの切り身とアンキモを乗せて食べる。
実に美味。
次の魚料理は、ホタテと鱈の白子のグリル。
白子に付けられた焼き目が美しい。
その上に、たっぷりと黒トリュフをすりおろす。
トリュフの豊かな香りが、ホタテと鱈の白子に重なり、一層食欲を掻き立てる。
ここで、牛肉が届いた。
フィレとロース。
肉用に、三本目のワインを選ぶ。
嘉門のワイン・リストだけでは足りず、帝国ホテル全体のリストを借りて選択する。
三本目は、強いボディを選らなければならない。
そこで、ヴェネト州のアマローネを選択。
ヴェローナの、ぶどうを陰干しして造られる、特別な強いボディのワイン。
ぶどうは、コルヴィーナ、ロンディネッラが主体。
選んだワインは、テデスキの、アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ、クラッシコ、カピテル・モンテオルミ、2001年。
深い味わいに、強い凝縮感。
フィレとロースを分け合って食べる。
友人はフィレが好きという。
私はロースがより美味しいと応じる。
最後の〆の食事用に、生のタラバガニのむき身が現れた。
タラバガニを贅沢に使ったガーリックライス。
その上に、ズワイガニで作った餡がたっぷりとかけられる。
タラバガニのガーリックライス、ズワイガニの餡かけ。
何とも贅沢なご飯。
香の物と、お味噌汁とのハーモニー。
鉄板焼きはやはり和食なんだ、それも世界に誇れる素晴らしい和食であることを実感した夜でした。














