彼女も私も、アイラ・モルトが大好物。
あのヨード臭が何ともいえず、好きなのだ。
彼女は、アイラ・モルトを飲むと、子供のころに初めて薬箱に顔を近づけて中をのぞいた時のことを思い出すという。
私はアイラだけではなく、スカイ島のタリスカーも好きだが、彼女が好きなのはアイラ限定。
その中でも、ポート・エレンが特に好きなのだ。
でも、これには困ってしまう。
なにしろ、ポート・エレンははるか以前に醸造所を閉じており、手に入るのは、残った樽を毎年少量ずつボトリングしてリリースされる、貴重品なのだ。
私は彼女と飲むために、銀座の『シェイク』に4th Releaseを1本キープしている。
そして出張時に自分で飲むために、7th Releaseを一本小倉の『UEDA』にキープしているのだ。
実は、この一本の存在を彼女は知らない。
彼女に教えていない秘密を持っているということは、ちょっと嬉しくもあり、ちょっと後ろめたいような気もする。
小倉の夜に、バーのカウンターで一人で飲むポート・エレンのストレート。
まさに禁断の花園の味わいなのです。
実は、『UEDA』にキープしているのは、ポート・エレンだけではありません。
今夜は、スペイサイド・モルト、オスロスク、28年も飲みました。
こちらはアルコール度数が56.8%もあるため、ストレートではなく、水と半々に割ったツァイスアップで。
もちろん氷は入れません。
豊かな香りを味わうためです。
やはり、良いワインを飲んだ後のウィスキーは最高です。
小倉と、『UEDA』のマスターに感謝した夜でした。