中山公園の並びに立つ、ルネッサンス・ホテル上海は、59階建ての新鋭ホテルである。
その48階の角部屋から見る上海の夜景は美しい。
部屋の二面は全面ガラス張りで、そのコーナーの一面はバス・ルームになっている。
今夜はバス・ルームの明かりを消して、ブラインドを開け放って風呂に入ろうと思うと、それだけで楽しくなる。
今回の上海旅行では、観光地に行くつもりは無い。
上海および周辺の見るべきところは、既に訪ね終わっている。
今回は、一年の疲れを癒し、来るべき年に心と体の備えを行う旅である。
午前中はフィットネス・クラブで過ごし、午後は文筆活動、夕方はフット・マッサージと全身マッサージ。
そして夜は美味い中華料理三昧。 さらに、出来ればワインは控えようと思っている。
レストランで飲む中国ワインに美味いものはほとんど無いし、輸入ワインはまだ高価である。
『申菜坊』という店に、軽く食べるつもりで立ち寄る。
冷菜は、クラゲの黒甘酢。
仕方がないので、牛肉の小排骨を注文する。
実は、今夜は青島ビールでもと思っていたのですが、何と禁じ手の中国ワインを頼んでしまったのでした。
ダイナスティ(王朝干紅葡萄酒)、カベルネ・ソーヴィニヨン、1996年。
中国のカベルネが、10年以上持つはずがありません。
しかし、選択の余地が無かったのです。
ところが抜栓してみると、しっかり香りが残り、ボディも落ちていませんでした。
これは稀有なことです。
ボトルの裏面にも、賞味期限10年間と書かれていました。
ワインに関しては、好運に恵まれた初日でした。
仕上げには、サンラータンと上海焼麺を注文し、一日を終えました。