待ちに待った、ナカイ・ヴィンヤード・ディナーの日が来た。
彼女は今夜は少し興奮気味。
それもそのはず、カリフォルニアで素晴らしいワインを生産するナカイ・ヴィンヤードのオーナー、中井章恵(なかいあきよし)氏と食事をしながらナカイ・ワインを飲むことができるのですから。
東京駅で待ち合わせると、車に乗って一路虎ノ門へ。
ホテル・オークラ別館の裏にある、虎ノ門タワーレジデンスの1階に目指すレストラン、『エレメンツ』がある。
シェフは加藤政明氏。 私は、六本木にあった伝説的カリフォルニア・レストラン、『スパゴ』からのお付き合いで、その後六本木一丁目の『マコ・レストラン東京』、『シュン』と付き合いは続き、今の『エレメンツ』に至る。
また、支配人の青柳篤治氏ともお付き合いは、『マコ・レストラン東京』、『シュン』、『エリシュオン・ハウス青山』、『シルベラード』(銀座)と続き、『エレメンツ』に至る。
そして今夜、ナカイ・ヴィンヤード・ディナーを主催するのは、デプト・プランニングの長尾友久氏である。
氏とは高島屋のワイン売り場で偶然知り合って以来のお付き合いである。(11月23日の記事「幻 MABOROSHI)参照。)
これだけの知り合いが揃えば、楽しくないはずがない。
最初は、ソーヴィニヨン・ブラン、2008年。 華やかなフレッシュな香りが心地よい。
続いてソーヴィニヨン・ブラン、2006年。
驚くべき変化である。 花の香りは消え、強く深い味わいの素晴らしい辛口に仕上がっている。
これなら、ワインの存在感を十分に示しながら、前菜の平目のカルパッチョ、グレープフルーツソースの味を邪魔しない。
マッシュルームのクリ-ムソースのあと、真鯛のロースト、海苔風味のシャルドネソースに合わせ、シャルドネ・ロシアン・リヴァー・ヴァレー、2006年が出される。
これがカリフォルニアのシャルドネ?
ぶどうの果実味がギュッと詰まっているが、過度にフルーティではなく、酸のバランスがとても良い。
しかりとした余韻を持つ、素晴らしいシャルドネである。
そして、白銀豚ロースのパン粉焼き、グレイヴィーソースには、メルロー・ロシアン・リヴァー・ヴァレー、2006年と、2004年が同時に出される。
ヴィンテージによる違い、ワインの熟成度による違いを味わえる貴重なチャンスである。
デザートが運ばれてきても、中井さんの飾らない性格と、ワイン造りへの深い愛情に魅せられ、彼女は私の存在を忘れたかのように、中井さんとの話に夢中。
私も中井さんともっとお話ししたかったのに、と少し気分を害す。
店を出ると冷たい夜風が上気した顔に気持ち良い。
「今夜はとっても楽しかったし、勉強になりました。こんな素敵な会に連れてきてくれて、ありがとう。やっぱり高原さんは、最高です」
彼女のこの一言で、全てがバラ色に変わる。
終わり良ければ全て良し。
やはり彼女は最高です!




