クリスタル | ワインは素敵な恋の道しるべ

ワインは素敵な恋の道しるべ

白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。


今日はクリスタルのお話です。と言っても、「なんとなくクリスタル」の話ではなく、「スワロフスキー」でも「バカラ」の話でもありません。


ルイ・ロデレール、クリスタル・ブリュットのお話です。


この偉大なプレステージ・シャンパーニュ、クリスタル・ブリュット、2002年を大切な人と飲みました。場所は、マロニエゲートにある『シーフード・リパブリック』(銀座)です。


もちろん、常備品ではありません。支配人が特別に取り寄せてくれたのです。


繊細な泡にふくよかなアロマ、ドライで深みのある味わい。


やはり、至極のシャンパーニュです。こんなシャンパーニュを飲むと、幸せになってしまいます。彼女を見ると、顔に赤みがさし、明るく輝いています。クリスタルのお陰で、今夜は大成功!




ワインは素敵な恋の道しるべ


クリスタルのセパージュは、ピノ・ノワール55%、シャルドネ45%です。


クリスタルは、ロシア皇帝、アレキサンドル二世の要求に応じて、ルイ・ロデレールが1876年に製造したのが最初です。それ以降、ルイ・ロデレールの最高のプレステージ・キュヴェとして君臨しているのです。


クリスタルには大きな特徴が三つあります。


第一に、瓶が透明です。アレキサンドル二世に献上されていた時は、まさにクリスタルグラス製でした。これは、当時毒物による暗殺が横行していたため、瓶を透明にし、中をチェックできるようにしたためだと言われています。


第二に、瓶底がフラットになっており、澱を溜めるために通常ついている大きな窪みがありません。これも、瓶底の窪みに爆弾等を仕込まれることを恐れたためと言われています。


第三に、黄色のセロファンで包まれています。これは、瓶が透明なため、紫外線による品質劣化を防ぐためです。


そうです。クリスタルには、歴史の一こまが凝縮されて詰まっているのです。そう考えると、クリスタルの淡い黄金色が、ますます高貴に思えてきますね。


貴方も彼女を本当に愛するのなら、そして彼女を恋敵の暗殺から防ぐために、ルイ・ロデレール、クリスタル・ブリュットを彼女のために開けてみませんか!