ブロンプトンが誕生してからまもなく50年となる。ロンドン・サウスケンジントンにあるブロンプトン通りの作業場で生まれた普段使いの自転車であったのだが、近年、その進化は止まることを知らない。
例えば制動性能の向上。ブレーキレバーが刷新されたのは2013年モデルから。真鍮/プラスチック製の安手のモノからオール金属(アルミ)製のカッチリしたモノになった。ブレーキキャリパーはもともとシングルピボットだったのが、2008年モデルからダブルピボットになった。さらに2010年に色がシルバーから渋い艶消しシャンパン・ゴールド色になった。(現行ブラック色の前のモノ。)
変速性能もだ。内装3速のベースモデルに、2002年に外装2速モデルが追加され、さらに内装3速/内外装6速/外装2速の時代を経て、2022年モデルで、P/Tラインで新設計の機構が導入されて、必要にして十分なワイドレンジの外装4速が実現した。
前後ホイールは、もともとシングルウォール/シングルバテッドだったが、2013年モデルから、ダブルウォール/ダブルバテッドに改良された。走行性能が向上したことは勿論だが、リム打ちによるパンクリスクが激減したことが最大の福音であろう。
それ以外のパーツの高品質化/高機能化も進んだ。ざっと思いつくだけで、
- サドル(ピラー直付けママチャリタイプ→2011ペンタクリップタイプ→2022スーパーライトタイプ)
- ペダル(右固定ペダル:プラ製→2010アルミ製、左折り畳みペダル:クランクへの取り付けが六角ボルト→2012携帯六角レンチが使える六角穴ボルト+折り畳み時に本体を傷つけない工夫)
- クランク(クランク・チェーンリング一体型→2013スパイダークランク)
- サスペンションブロック(挟まっているだけのモノ→2007リアフレーム固定タイプ→2011FIRM追加→2017材質/デザインPラインで一新)
- シートピラーエンドキャップ(ゴム製ボルト固定タイプ→2017嵌め込むだけのプラ製軽量タイプ)
過去10年では2013年と2017年、そして直近ではPライン導入の2022年が大幅モデルチェンジ/性能面での飛躍の年であったと思う。進化に並行して値段も上がり続けているが、これは仕方のないことであろう。(昔と今では形は同じでも全く違う自転車と言ってよいと思う。)
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前置きが長くなったが、私はブロンプトンの基本形ともいえる旧Mハンドルの初号機が大好きである。また、初号機(オリジナルM3L)は都度パーツをアップグレードしているので、現行Cラインとそん色ない性能・見栄えとなっている。
しかし、いかんせん鈍重な内装変速タイプであり、また、リアフレームがクロモリなので重い(フロントフォークは純正チタンに換装済)。そのため、2号機(オリジナルS2L、現在9キロ未満)/3号機(オリジナルM6L-X、現在10キロちょっと)の導入に伴い、活用機会が減少していった。
さらに最近、P化した2号機の利用頻度が跳ね上がってから、初号機、2号機、3号機の利用頻度は1:6:3ぐらいになっている。いや初号機の稼働は今やそれ以下かもしれない。2号機の負荷を軽減し、かつ初号機の稼働率を上げて3機の利用バランスをとっていくために何か対応策が必要だ。
という訳で、『ブロンプトン初号機補完計画』を進めている。ネルフによる人類補完計画のごとく、不完全となった旧世代の機体を『後付けアップグレードにより最良最善のブロンプトンに生まれ変わらせる』計画だ。
自転車屋さんから連絡があったので行ってきた。初号機のP化は完了していた。
P/Tラインのリア三角に交換されている。
Pラインのアドバンスディレイラーとアドバンステンショナーがフツーに付く。あたり前だが、純正新リアホイールの装着にもなんの問題もない。
スプロケは当初シマノ11-13-17-21Tでお願いしていたが、純正とシマノでトップの11T及び13Tの形状若しくは厚みが異なるようで、そこだけ純正にしてもらっている。
古いメインフレームにPのリアフレームをつけることで何ら問題は生じない。但し、サスペンションブロックやローラーなどはPライン用に一新することになる。
当然マッドガードもPライン用に変更だ。
動作確認後、BB交換(トーケンの軽量BB)とスーパーライトフロントホイール装着を追加でお願いした。
仕上がりが楽しみだ。
(本ブログは決してブロンプトンのアップグレードや改造を推奨する意図はありません。仮に同様のアップグレードや改造を取り進められる場合は自己責任でお願いします。)
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