先週土曜日、黒部渓谷鉄道 に乗ってきた。
黒部渓谷鉄道は日本一深いV字峡谷を縫うように走るトロッコ電車だ。黒部川電源開発のための資材運搬用鉄道として1923年から順次完成、1937年に欅平まで開通した。小さい割に長大な編成の列車が、宇奈月から欅平(けやきだいら)までの距離にして20.1kmをいくつもの橋やトンネルを越えて走り抜ける。
今日はこの客車に乗っていく。「リラックス車両」と言って、窓付き、背もたれ付きの最豪華車両だが、まあこれだ。
あの山の向こうの奥深い谷へと向かう。
早速出発だ。新やまびこ橋 を渡っていく。
最初は宇奈月ダムと宇奈月湖だ。
最初の駅だ。関係者のみの乗降で、観光客は乗降できない。このような業務用の駅が随分あり、上下線のすれ違いにも使用されている。
手前がTV朝日「ナニコレ珍百景」にも登録された「猿専用の吊り橋」だ。奥左手は宇奈月温泉への源泉パイプライン。
自然の岩なのだが石仏に似ているので信仰の対象となってきた「仏石 」(ほとけいし)。赤い半纏を着せられている。
最初の旅客乗降駅、黒薙に着いた。
黒薙は宇奈月温泉の源泉地だ。駅から徒歩20分程度の距離に温泉宿もある。
黒薙温泉へ行くにはいきなり高さ50メートルほど階段を登らなければならない。
駅を過ぎると水色の「後曳橋 」で黒薙川を越える。
後曳橋を通過するトロッコ列車から黒薙川の上流方向を見る。見えているのは水路橋。この谷の奥に『黒薙温泉旅館』がある。来年、北陸新幹線ができたら行くことにしよう。
ちなみにトロッコが走っているのはこのような高さである。高所恐怖症の方には辛いかもしれない。
世界で一番スリルのある鉄道ではないだろうか。
黒薙を過ぎて暫く行くとと出し平駅だ。ここも一般旅客の乗降は無い駅だ。
この駅は出し平ダムの最寄りだ。1985年竣工の重力式コンクリートダム。日本初の排砂ゲートを装備している。下流の宇奈月ダムと連携し、黒部川に溜まった土砂を排砂している。
そして黒部川第二発電所。鐘釣の先の小屋平にある小屋平ダムから水を落として発電する。宇奈月発電所とほぼ同時期の1936年にできた黒部川開発の黎明期の発電所である。
トロッコ列車はさらに渓谷奥へと進む。9月というのに木々の緑はまるで新緑のように清々しい。
ところどころですれ違いだ。
鐘を釣ったような形なので鐘釣 山。
鐘釣駅に到着だ。ここで下りると、スコップで掘る秘湯で有名な、河原露天風呂の『鐘釣温泉』がある。
小屋平ダムだ。ここから先は急勾配のトンネルが連続し、トンネルの迫力を楽しむ部分となる。
欅平駅についた。
黒部川のこの先には恐怖の水平歩道 がある。もちろんブロンプトンで行くことはあり得ない。
さあ、ここからは黒部川の支流、祖母谷(ばばたに)川の奥にある 祖母谷温泉 へ急ごう。
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