【結果まとめ】受験生アンケートからわかること | 合格への道のり("3つの道"編)

合格への道のり("3つの道"編)

これまで宅地建物取引士試験、行政書士試験、司法書士試験、海事代理士試験及びマンション管理士試験に一発合格しました。2022年からは受験生、実務家(士業)及び講師の3つの道を歩みますので、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m。

皆さん、こんにちは。

リーダーズ総合研究所・講師の板野です。

 

先日✕(旧Twitter)上で実施したアンケート4件の結果の集計がまとまりました。

受験生や合格者の皆様を始め、多くの皆様に投票いただきありがとうございます。
 
この場をお借りして感謝申し上げます🙇‍♂️🙇‍♂️
 
詳細は対談シリーズ第8弾で発表しますが、それに先立ってアンケート結果を発表します。

  (アンケート第1弾)

※投票数:219票、実施期間:令和5年7月31日~8月6日

 

  ▼ポイント

○投票者(受験生及び合格者を対象、以下同じ)の約半数は、②過去問を知識の定着を図る(記憶用)ツールとして活用

○投票者の中には、①〜④の使途をいくつか併用したり、過去問題集と肢別本とで役割を異にする者もいる

 

  (アンケート第2弾)

※投票数:241票、実施期間:令和5年8月1日~7日

 

  ▼ポイント

○投票者は、①講座テキストの読込み及び②過去問題集や肢別本に二極化している(併せて約80%)

○③受験指導校の直前対策講座の教材(集約化ツール)を記憶用として繰り返す投票者もいる

 

  (アンケート第3弾)

※投票数:217票、実施期間:令和5年8月3日~9日

 

  ▼ポイント

○投票者の半数以上は、過去問等を③4回以上(中には10回以上)解いている

○投票者の中には、時間がなくて過去問等を①1回だけ、あるいは②2~3回程度解いている者もいる

 

以上が3件のアンケート結果及びそのポイントをまとめたものです。この結果を踏まえ、私の方で上記アンケート結果を分析してみました。

   (アンケート分析)

(2023.8.29追伸)

今回のアンケートでは、対象を行政書士試験の受験生に限定していませんが、その理由は私の経験上、少なくとも法律系資格においては"(直前期の)勉強法"は変わらない"と考えたからです。

 

受験生応援プロジェクト第2弾において質問募集したところ、その点につき、行政書士試験の受験生以外から「直前期の受験戦略(戦略編・実践編)」に関する記事が大変参考になっている旨の御感想を多数いただいております。

 

終局的には、多数派として下記の2つのタイプに大別できると思います。

タイプ①の受験生

過去問等の使途を「繰り返し解いて知識の定着を図るためのツール」とし、直前期学習においては「過去問等に力点を置いた学習」を行う受験生

 

タイプ②の受験生

過去問等の使途を「テキストの内容の理解を深めるためのツール」や「出題範囲や出題形式等を知るためのツール」とし、直前期学習においては「テキストの読込みに力点を置いた学習」を行う受験生

 

ただ、もちろん勉強法は①②のどちらかのタイプには限りません。

勉強法は"受験生十色"

すなわち、どちらの勉強法が正解というわけはなく、自己の能力や学習環境、可処分時間等に見合った学習法を採用すれば良いと思います。

 

なお、タイプ①②のどちらにも課題はありますのでその克服は不可欠となります。

  (課題とその対策)

タイプ①の受験生

"知識の空洞化をどう解消するかが課題

⇒ 過去問知識を記憶のフックとして周辺知識を確認する作業が必要

(主な対策例)

○問題を解く度、テキストに立ち返って関連(周辺)知識を確認

○関連知識(図表化したもの)を過去問題集等に貼っておき、問題を解く度に確認 等

 

Q1 知識の空洞化って何?

A1 例えば、民法94条2項の第三者のような重要論点について、過去問を解いただけではその一部(黄色マーカー)しか記憶に定着せず、同じ重要論点である過去問未出題の部分の問題(水色マーカー)には解答できない現象(下図参照)。過去問出題率の低い試験(行政書士試験の場合、約3割)では要注意!

 


タイプ②の受験生

自己の"学習到達度"をどのように知るかが課題

⇒ 記憶は単調な学習で達成感は得られにくく、学習到達度もわかりにくい(過去問で、少なくとも出題範囲や出題形式等だけは確認しておく)

(主な対策例)

○模擬試験や答練の活用

○テキストの問題集化

○リマインド機能の活用

(2023.8.29追伸)

◯総復習ノート(あるいは、そのブログ版「つぶやき確認テスト」)の活用 等

 

※「つぶやき確認テスト」は山田斉明先生のブログで展開中!

 

Q2 テキストの問題集化って何?

A2 ①テキストを読み込む際は図表を手で隠し、各標題の横にメモした数字(項目数)だけを頼りに全ての項目が即答できるか確認し、②即答できないものがあれば、その項目だけを記憶する方法(下図参照)

 

Q3 リマインド機能の活用ってどうするの?

A3 以下の手順で手軽に記憶力を確認できる方法

(手順①)スマートフォンのリマインダー機能を活用し、記憶すべきを定期的(例えば、毎週)にリマインドセットする

(手順②)下記画像左の状態で全ての項目を即答した後、スマホをクリックして下記画像右で答え合わせする(記憶できていなければ、その項目を覚えなおす)

タイプ①②のいずれの勉強法を採ったとしても、究極的には、私の師匠・山田斉明先生が御提案されている通り、知識を具体⇒抽象に変換する能力が求められます。

 ▼具体⇒抽象の往復

 具体⇒抽象によって、1つ1つの知識が互いに関連付けられ、体系化・構造化された状態を作り出すことで、具体⇒抽象はそのための手法です。

詳しくは、師匠・山田斉明先生がブログで解説されていますので御覧になってみて下さい。

 

 

  (補足)

最近学習を始めたばかりの認知心理学によれば、 ①見聞して得た新たな情報は、既有知識(既に取り込んだ知識)を活用しながら加工・編集して脳内に収納したり、 ②思考する、あるいは思考したことを表現していく際も既有知識を活用すると言われています。

 

この考えを受験勉強に引き直してみると・・・、

 (短期)合格者は何でも知っていると思われがちですが、実は知らない知識も多い代わりに、コア知識(重要度・優先度の高い知識)に的を絞って完璧に理解⇨記憶して使いこなしています。(実際、私も「資格試験に合格したんだからそれくらいことは知っているよね」って言われましたが、実は、合格直後は知らないことの方が多かったです・・・)

 

Q4 コア知識って何?

A4 A及びB+ランクの重要知識(下図の①②)。合格者の多くはコア知識を完璧に理解⇒記憶し、その知識をフル活用して合格ラインを突破しています。

 

要は、他資格も含めたテキストや過去問を使って闇雲に知識を増やすのではなく、保有するコア知識を未知の問題とつなげて解を導く思考法(アナロジー思考)を鍛錬した方が良いと考えるに至りました。経験上、この思考法は法律実務でも十分通用すると考えています。

 

(参考)

東京大学のアドミッションポリシーにも、入学試験の基本方針として、 「第三に、知識を詰めこむことよりも、持っている知識を関連づけて解を導く能力の高さを重視します」とあります。

 

 

 

この考えは最近難化傾向にある行政書士試験などにも当てはまると思います。

 

 

 

  (アンケート第4弾)

※投票数:203票、実施期間:令和5年8月6日~12日

 

  ▼ポイント

○投票者の回答は、概ね①約1ヶ月前、②約2か月前、③約3ヶ月前の3つに分かれる(約90%)

○独学受験生の中には、直前期の概念はなく、直前期とそれ以外で勉強法に相違点はないと考える者もいる

 

以上が最後の1件のアンケート結果及びそのポイントです。

この結果を踏まえ、私の方でアンケート結果を分析してみました。

  (アンケート分析)

○受験指導校の受講生は基幹講座が終わってから試験日までを直前期と考える傾向(理解フェーズから記憶フェーズへの移行)

独学受験生は直前期とそれ以外との区別が難しいと思われる(そもそも直前期っていつから?何の勉強をすれば良いの?)

 

  (直前期の期間の決め方)

直前期は記憶に尽きる(=前提)

 ⇒ 独学受験生も直前期は記憶学習にウェートを置いた方が良い。

(参考)

 記憶の重要性については対談シリーズ第2弾参照

 

○自己の記憶が定着する期間としてどの程度要するのか、試験日から逆算して直前期の期間を決める

(試算例)

・記憶が定着するには教材を最低(5回)繰り返す必要がある

・自己の可処分時間を考慮すると、1回繰り返すのに(10日/回)要する

・記憶学習に要する必要日数を算出する

    5回 * 10日/回 = (50日必要)

 ⇒ 直前期学習は(9月23日)から開始する(試験日当日を除く)

 ※( )内は受験生によって個人差がある

 

なお、行政書士試験における「戦略的学習スケジュールの立て方」については、対談シリーズ第8弾において御提案する予定です。

 

(戦略的学習スケジュール)

 

直前期に突入すると、うかうかしている間に試験日が到来してしまいます。

したがって、直前期はこれまで以上に自己の受験戦略に従って勉強を実践することが重要なので、早めに戦略を立てた上で実践していきましょう。

 

私も山田斉明先生との対談シリーズ第6弾(戦略編)、第7弾(アンケート結果を踏まえた戦略)、第8弾(実践編)等を通じ、しっかりサポートしていきたいと考えております。

 

行政書士試験はもとより、これまで私自身が受験した資格試験を踏まえて心技体の観点からまとめた戦略なので、他の資格試験でも十分使える戦略だと思いますので参考になさってみて下さい。

 

最後になりますが・・・、

これから益々大変な時期に突入しますが、体調管理に留意しつつ、最後まで諦めないで頑張って下さい!