「Janne Da Arc アルバム未収録楽曲をレビュー」 | brilliant-memoriesのブログ

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ドエルさんでもあり、V系好きのギャ男でもあり、60〜00年代の音楽好きでもある私がお送りするこのブログ。アルバムレビューや自作曲の発表、日常、ブログなどいろんなことをします!

「一気に夜が涼しくなりましたね。急に気候が変化するから秋服を急いで買いに行かなければと思いました。本当に急に気候が変わりそうなので、皆様も、体調管理には気をつけてください。」というわけで、今回でJanne Da Arcのレビュー回は最終回。ラストはアルバム未収録の楽曲をレビューしていこうと思います。全体的に2004年以降に発表された楽曲が多い感じがしますね。それでは、早速行ってみましょう。

 

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・「アルバム未収録のカップリング曲達」(~2003)

 

1stシングルから16thシングルまでのカップリング曲は全て「ANOTHER SINGLES」というカップリングベストに収録されました。しかし、ライブ音源の1曲のみ、未発表曲が収録されていたのでその楽曲のレビューをしようと思います。

 

-S-[live]」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

8thシングル「NEO VENUS」のカップリング曲。インディーズ時代からライブでやってきた楽曲ですが、音源化はされず今作で初めてライブ音源が収録されました。煽りもカッコいいですね!物心ついた頃にはもうジャンヌはいなかったので、ライブ音源を聴きながらどんな感じに会場が揺れていたのかといった想像しています。ゴリッゴリのリフとツーバスが混ざり合ったハードロックナンバーとなっていて、ヘドバンしたくなるライブ向けの楽曲だなと思いました。キーボードが重圧に埋もれてしまっているのが気になりましたが、ライブ音源ということなので、これは仕方ないですよね。歌詞はタイトル通り、ドSな相手に攻められ、自分のドM気質が花開くシチュエーションとなっております。攻める相手も男性、主人公も男性ということなので、もしかして...。ちなみに実際は歯医者さんを中二病っぽくかいた歌詞だそうです。

 

「SINGLES」(2003)

 

2003年にカップリングベスト「ANOTHER SINGLES」と同時発売されたシングルを集めたベストアルバム。1stシングルから16thシングルまでのシングル曲と未発表曲を収録した2枚組全17曲となっております。2007年には「SINGLES2」の発売と共にこのベストアルバムも再販しましたが、そちらは「廉価版」となっており、飢えた太陽」がDISC1のラストに収録され、「Legend of~」は存在が抹消されてしまいました。買うなら2003年に発売されたバージョンを購入することを強く勧めます。
 

飢えた太陽("SINGLES" MIX)(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

16thシングル。「SINGLES」への収録が決定したため、オリジナルアルバムには未収録となってしまった若干可哀相な扱いを受けているシングル曲です。砂漠の中で灼熱に手照りつけられ、干からびてしまいそうなスパニッシュなナンバー。アコギが大活躍。サビではギターとベースのユニゾンといったかなりハードな音が響き渡ります。メロトロン・フルートが醸し出すレトロ感も凄く良い味を出していますね。歌詞は一夜だけの関係を築くためにホテルで躰を重ねる2人が映されています。隠喩も誰でも分かるように作られている為、その過激さが誰にでも分かるようになっているのが特徴です。

 
「Legend of~」(作詞:yasu 作曲:yasu)
 
インディーズ時代から演奏されてきた未発表曲が遂に音源化。yasu作詞・作曲の7分もある壮大なバラードナンバーとなっています。ピアノの音色とシンセストリングスが厚みを表現、ファンタジアで幻想的な世界が広がっているのも、インディーズ時代らしいですね。中盤から3拍子に変わる展開もステキです。歌詞もまるで絵本を読んでいるかのような「天使」を描いたファンタジアなストーリーが展開されます。メロディラインがかなり聴きやすく、とても美しい楽曲なのに何故これまでアルバムに収録されなかったでしょうか...?

 

・「アルバム未収録のカップリング曲達」(2004~)

 

「ANOTHER SINGLES」発売以降のカップリング曲は全てアルバム未収録。しかしながら、晩年のカップリング曲もこれまでと同じようにメンバーそれぞれがやりたいことを思う存分にやっている感じがします。聴けるのは、シングルのみというレアリティと共に、一癖も二癖もある面白い楽曲ばっかりなので、是非聴いてみてください。

 

survive?」(作詞:kiyo 作曲:kiyo)

 

17thシングル「FREEDOM」のカップリング曲。kiyo作詞・作曲のデジタルサウンドとロックサウンドが融合したナンバー。世界観はぐちゃぐちゃしてますが、メロディラインキャッチーな為、聴きやすい楽曲となっております。高速スラップを堪能することができるベースソロからのギターソロのコンボも見所ですよ。和訳すると「survive」=生き残るとなります。歌詞は「正直者が馬鹿を見る」現状に疲弊しつつも、涙を力に変えて自分の力で生き抜こうとする勇ましい主人公が描かれています。

 

Hysteric Moon」(作詞:yasu 作曲:ka-yu)

 

18thシングル「Kiss Me」のカップリング曲。ka-yu作曲の激しいハードロックナンバー。サビがGLAYの「月に祈る」と似てると言われていますが、個人的には出だしだけが似ているな...という印象でした。ツーバスとシンプルなラインながらもしっかりと支えるベースが土台となり、スリリングなキーボードの音色が彩ります。ギターも曲の隙間から速弾きやチョーキングをつかったテクニカルなフレーズを披露して、存在を強くアピールしているので、お見逃し無く!歌詞はストーカーがテーマとなっていて、街で出会った女の子に好意を伝えようとストーキングするも照れ屋な性格が邪魔をして、ラストは警察呼ばれてさようならENDというストーリーとなっています。このように完全にV系な歌詞と、かなりカッコいい世界観なので、晩年のカップリング曲の中でも特に人気がある楽曲となっています。

 

少年の瞳」(作詞:yasu 作曲:kiyo)

 

22thシングル「Love is Here」のカップリング曲。デジタルサウンドやパーカッションを使った妖しい世界観が印象的なkiyo楽曲。全楽器が挙動不審なフレーズを弾いているので、不安になります。イントロのギターリフは、後のABCの楽曲「INCUBUS」の香りも感じられますね。歌詞は凄いですよ、カップリング曲だから完全にやりたい放題やってます。その内容は、「高まる性欲」や「劣等感に始め不安定になるメンタル」、「反抗期」といった思春期に経験するであろう内容がこれでもかと綴られていて、現代でいうところの所謂「陰キャ」と呼ばれるであろう主人公視点で物語が展開していきます。思春期を経験した人は勿論、現在リアルタイムで中高生の方々なら”確実に”共感出来る歌詞となっているので、是非聴いてみてください(笑)

 

WING」(作詞:yasu 作曲:you)

 

23thシングル「月光花」のカップリング曲。カップリング曲ながらドラマのタイアップが付いた楽曲でもあります。いきなり速弾きツインギターソロから始まり、今回も複雑な楽曲なのかな...と思いきや、後は8ビートとPOPな世界観というyou曲の中でもかなり異質な楽曲という印象的がありますね。しかしながら、そこに飛び降り自殺する主人公が映された真っ黒な歌詞が乗るので「そのままPOPに終わらせないぞ...!」という熱い意思が伝わってきますね。

 

」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

24thシングル「ダイヤモンドヴァージン」のカップリング曲。カップリング曲では久々に登場したyasu曲はバラードとなっております。1番はアコースティックギターとピアノ、ストリングスのみでしっとりと演奏されて、間奏で楽器陣が合流して壮大になるという展開になっております。終盤にはチェンバロの音色も聴こえてきますね。歌詞は湖の上で大好きだった彼女へ愛を歌うという切ない内容になっているのですが、普通に別れるとは訳が違う主人公の悲しみを読み取ることができます。おそらく死別してしまったのでは無いかなと予想しています。

 

・「Janne Da Arc 10th Anniversary INDIES COMPLETE BOX」

 

2006年、インディーズ時代に発売された3作「Dearly」、「Resist」、「CHAOS MODE」を纏めたベストアルバムが発売されました。「CHAOS MODE」のラストに2曲のインディーズ時代にやっていた未発表曲が追加で収録されたので、そちらの楽曲達のレビューをしていこうと思います。アルバムジャケットは、今ではネットでおもちゃにされてしまった「デビルマン」です。

 

「MISTAKE」(作詞:ka-yu 作曲:ka-yu)

 

ka-yu作詞・作曲ナンバー。テンポはそれほど速くないものの、激しいナンバーとなっております。しかしながらメロディラインがかなり馴染みやすいため、サラッと曲には入れ込めるのも特徴です。要所要所に挟まれる3連符のキメがカッコいいですね。歌詞はたくさんの男を堕としてきた女性の誘惑に主人公も堕ちてしまい、出口のない愛の迷路を永遠に彷徨い続けるというシチュエーションとなっております。

 

「Jesus Christ」(作詞:yasu 作曲:kiyo)

 

パチンコ店のようなエレキパーカッションに脳が刺激されるナンバー。本編では一変して美しいゴシックな世界観が広がっていますね。kiyo作曲ということで、デジタルサウンドや大胆なシーケンスサウンドが多用されているのも特徴です。歌詞は闇堕ちしたイエス・キリストが描かれていて、かなり厨二心をくすぐられる世界観が広がっています。

 

・「SINGLES2」

 

2007年に発売されたベストアルバム。「SINGLES」の続編となっていて、17thシングル「FREEDOM」~現時点ではラストのシングル26thシングル「HEAVEN/メビウス」までを網羅しております。「DOLLS」「月光花」「ダイヤモンドヴァージン」「振り向けば...」「HEAVEN」といった人気曲も多く、シングルから入りたい方は「SINGLES」と共にジャンヌ入門編としてオススメです。6thアルバム「JOKER」以降に発売された25thシングル「振り向けば.../Destination」と26thシングル「HEAVEN/メビウス」の4曲は今作のみの収録です。

 

振り向けば...」(作詞:yasu 作曲:ka-yu)

 

2006年に発売、両A面となった25thシングル「振り向けば.../Destination」の1曲目。シングルにka-yu曲が抜擢されるのも初めてですね。ゆっくりとしたシンプルなバンドサウンドに馴染みやすいメロディラインと壮大なストリングスが絡み合う卒業ソングとなっています。MVはこの曲が主題歌として抜擢された映画「HIRAKATA」のシーンが使われていて堀北真希ちゃんが登場していますね。歌詞も(おそらく高校の)卒業式の日の友人が沢山の青春を過ごした校舎を旅立ちそれぞれの道へ歩み始める瞬間と人生の道を振り返れば、ここにみんながいるから強く生きれるよね!という離れていても強い絆で結ばれていることが綴られているのが素敵ですね!丁度、同じシチュエーションの「自分の高校卒業式の日」の記憶と重ね合わせるとさらに泣けます。

 

Destination」(作詞:yasu・kiyo 作曲:kiyo)

 

両A面となった25thシングル「振り向けば.../Destination」の2曲目。思えばシングルがyasu曲じゃないのも「NEO VENUS」以来となりますね。この曲も「Over G」というゲームのタイアップが付いています。激しいリフとスラップベース、ツーバスといったゴリッゴリのサウンドにkiyo曲特有の作り込まれたデジタルサウンドとゲーム感のあるシンセが見事な化学反応を起こしており、ギャラクシーを疾走するようなカッコいい世界観が広がっています。歌詞は自身の夢へ向かい、道を塞ぐモノは全て吹っ飛ばすレベルで疾走したいという前向きな歌詞になっています。kiyoも作詞に参加していることから先程レビューした「survive?」の延長線上のメッセージが込められているのかもしれませんね。

 

HEAVEN」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

26thシングル「HEAVEN/メビウス」の1曲目。歌うベースラインや煌びやかなシンセの音も彩るyasu作曲のポップなサマーチューンナンバーとなっており、サビでは4つ打ちダンスサウンドの要素も見受けられる爽やかな楽曲となっています。歌詞は溢れ出る恋人への愛を歌うラブソングとなっています。前作の「JOKER」の延長線上のシングルだとするならば、この歌詞もhydeへ向けて書かれているのでしょうか...?最後のシングルであること、そしてその後の未来も踏まえると、聴きなじみのあるメロディラインや1番Aメロの「迎えに行くから大人しく待ってろよ」と言った歌詞が更に切なく感じてしまいます。私たちファンはいつまでも迎えを待っております。

 

メビウス」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

26thシングル「HEAVEN/メビウス」の2曲目。シンセの音色から、宇宙空間にいるような気分になるナンバー。サビが前半の8小節がベースソロとデジタル要素、後半8小節がバンドサウンドというちょっと面白い展開になっているのがポイントです。さらに、サビのメロディラインがインディーズ時代、1stミニアルバム「Dearly」に収録された「confusion」のオマージュが入っているのも、かなり胸アツです。デビュー当時から追いかけていたファンは絶対ニヤリととしたでしょうね。ギターソロのギターとピアノが螺旋を描きながら併走する感じも最高です。歌詞は人々の恋模様を「メビウスの帯」に置き換え、傷ついて恋して傷ついて…という無限ループを繰り返す人生を歌っております。

 

 

さて、いかがだったでしょうか。これにて、現在音源化されているJanne Da Arcの全楽曲のレビューが終了しました。ライブ音源だった「-S-」を含め、ジャンヌは正式に音源化されていない楽曲も結構あります。インディーズ時代の楽曲では「Justice」や「Lost」などですね。そしてメジャー以降はANOTHER SINGLESの回でも出したshuji作詞・作曲の「チョコクリスピーの唄」やARCADIAツアーの時にやっていたkiyoボーカルの「D.E.B.U」(SINGLES2に付いているDVDにはkiyoがいろんなご飯を食べていくというMV?付き)という曲まで、様々な未発表曲があるということで、そちらの方もどこかで聴けたら良いなと思います。

 

その後yasuはソロプロジェクト「Acid Black Cherry」、ka-yuは「松本和之」名義のソロ、「DAMJAW」のソロプロジェクト、youとkiyoはソロ活動を経て2021年に「Nicori Light Tours」を結成(この前の海老名の路上ライブ観に行ったよん!)、shujiはバックで演奏していたり、それぞれがソロ活動をしています。来年になってしまいそうですが、各メンバーのソロのアルバムレビューもやっていく予定です。

 

私が本格的に「V系」が大好きになった2017年は「Janne Da Arc」は活動休止中だし、「Acid Black Cherry」はその年に活動休止、「DAMJAW」もいない...という時期でした。2年後には「Janne Da Arc」が解散してしまい、凄く寂しかったです。ですが、私はいつか、奇跡が起こることを信じております。まだまだ若いですが、死ぬまでに1回はライブに行ってみたいアーティストは間違いなく、「Janne Da Arc」です!