「memoire DX/MALICE MIZER」レビュー | brilliant-memoriesのブログ

brilliant-memoriesのブログ

ドエルさんでもあり、V系好きのギャ男でもあり、60〜00年代の音楽好きでもある私がお送りするこのブログ。アルバムレビューや自作曲の発表、日常、ブログなどいろんなことをします!

「10月に入りましたよ!皆さん!9月もあっという間でしたね。年末まであと2カ月...早い!皆様は何か良い思い出はありましたか?」新シリーズ突入ということで、今回からはMALICE MIZERの1期、2期に出されたアルバムをレビューしていこうと思います。(3期はCDが手元にないので、買ってからのレビューとします...ゴメンナサイ!)マリスといえば、やはりこのロックと西洋音楽、クラシック...様々なジャンヌが融合したかなり独特な楽曲に映る世界観でしょう。まるで、映画や舞台を観ているような気分になります。ゴスロリの教祖、麗しきMana様とKözi君の奏でるギター陣、Yu~ki伯爵のベース、kami様のドラムのアプローチも、J-POPの他の楽曲の譜面に比べると少し違う感じがしますよね。今回レビューするのはtetsuがヴォーカルを務めていた1期に発売されたミニアルバム「memoire DX」となります。よろしくお願いします。

 

「memoire DX」のポイント

 

・今回は音色や歌詞から、西洋世界を映した楽曲が多いなと思いました。様々なジャンルの楽曲が収録されているのもいいですね。今作にはボーナストラックとして「バロック」が追加されています。マリス第1期の集大成といってもいいでしょう、タイトル通りバロックな世界観が広がっています。

 

・ロックとクラシックの融合というMana様の世界観はこの頃から変わらないものの、元々ロック志望だったtetsuの歌声やバンドサウンドの音色が激しくロック要素が強く感じられるのはまさに1期ならではの魅力ですね。作詞もtetsuが担当しているので、今後のマリスでは観られないシチュエーションが多く登場している歌詞が観られるのもポイントです。

 

それでは行ってみましょう!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(黒→アルバム曲)

 

1.「de memoire」(作詞:tetsu 作曲:Mana)

 

ピアノのみで演奏されるインストゥルメンタル。クラシカルなフレーズが黙々と展開されていき静かにその世界観を創り上げていきます。「memoire」とはmemoryの複数形、沢山の思い出達という意味だそうです。

 

2.「記憶と空」(作詞:tetsu 作曲:Mana)

 

パイプオルガンの高貴さと激しいバンドサウンドが混ざり合う楽曲。tetsu様の歌声もマッチしており、ここまでロック色が激しいのも1期ならではの魅力だと思います。変拍子の曲調、ピアノの音色やストリングス、柱時計のサンプリング音も入っていて面白いですよね。ゴシック音楽とロックが混ざりあう芸術が広がります。生と死に怯えるという歌詞もいいですね。

 

3.「エーゲ海へ捧ぐ~the vault of heaven~」(作詞:tetsu 作曲:Mana)

 

海のS.E音とギターのアルペジオから始まる刹那的なナンバー。世界観に浸りながら、さまざまな展開が用意されているため最後まで楽しむことが出来ます。ラスサビの歌詞が重なり合う部分が、まさにクライマックスに相応しい盛り上がりどころです。歌詞は夏が過ぎて秋になり自身の恋の終わりを歌いながら回想するというシチュエーションとなっております。果たしてラストの「さよなら」は彼女に対しての言葉なのでしょうか、それとも自身の人生に向けての言葉なのでしょうか。また、この曲は第2期の2ndアルバム「merveilles」にて、コードや歌詞が一新されたリメイクが収録されました。

 

4.「午後のささやき」(作詞:tetsu 作曲:Mana)

 

アコースティックギターやドラムのアプローチなど、ボサノヴァの要素を取り入れた静かで温かさのある楽曲です。サビではさらに濃密にそして神秘的になります。「レム睡眠」~「ノンレム睡眠」を行き来するする状態を音楽にしたような感じがしました。歌詞は2人が天国に昇っていく様子が描かれています。2分半で終わるあっさりとした構成もこの世界観をさらに深くしている感じがしました。

 

5.「魅惑のローマ」(作詞:tetsu 作曲:Mana)

 

バンドサウンドとヴァイオリンの音色が交わるクラシカルな楽曲。まさに古代ローマの場景や芸術を世界観に映しており、高貴さと共にメロにはポップさもあるので、聴きやすい楽曲になっています。ヴァイオリンが奏でるイントロのメロディが後の「月下の夜想曲」感があるのもポイントですね。歌詞は古代ローマに迷い込んだカップルが街の美しさの見とれているというシチュエーションではないかと予想しています。

 

6.「seraph」(作詞:tetsu 作曲:Közi)

 

このアルバムでは唯一のKözi君作曲のナンバー。Mana様のクラシカルな楽曲とはまたひと味違う、打ち込みを使った高貴さを表現した楽曲の登場に、Köziの表現する世界観が分かりますよね。「seraph」(セラフ)とはキリスト教やユダヤ教の天使のことをさしていて、歌詞ではセラフと幼なじみ関係である人間の主人公が映されています。生まれてしまった恋心を忘れることができず、「異種族の恋愛」という禁忌を犯しけていることを自覚している主人公がセラフに「殺してくれ」と言いかけるシーンが切ないのですが、この恋心を消すには自身の存在を消すことしかできないという、深い「愛」を感じることができます。

 

7.「バロック」(作詞:tetsu 作曲:Mana)

 

DX盤にて追加収録された7分半にも及ぶ楽曲。変拍子、S.E音、オペラ要素、ギターのワルツ、ギターソロに挟まれる「エリーゼのために」...といった要素が大集合したマリス第1期の集大成と言わんばかりの、ロックとクラシックが融合した究極体を見せてくれます。歌詞は彼女を絞めて殺めた主人公が彼女に死体に愛を囁くというヤンデレシチュエーションとなっているのですが、マリスの曲の中でもかなりV系な歌詞となっている感じがしますね。

 

いかがだったでしょうか。荒々しい曲から静かな曲まで大集合したアルバム曲でしたね。そして、なによりもtetsuの手掛けた歌詞をちゃんと観て考察したのは初めてだったのですが、「生と死」、「溺愛」、「ヤンデレ」をテーマにしたザ・V系な歌詞が凄く新鮮に感じました。今作を最後に「音楽の方向性の違い」を理由にtetsuはマリスを脱退してしまうのですが、tetsuは後にsakura達と一緒にロックバンド「ZIGZO」を結成しております。

 

さて、次回はGackt様が新ボーカルとして加入したマリス2期のアルバムレビューとなります。よろしくお願いします!