「JOKER/Janne Da Arc」レビュー | brilliant-memoriesのブログ

brilliant-memoriesのブログ

ドエルさんでもあり、V系好きのギャ男でもあり、60〜00年代の音楽好きでもある私がお送りするこのブログ。アルバムレビューや自作曲の発表、日常、ブログなどいろんなことをします!

「大学が始まってしまいました。なので、前日のバイトで夏休み最後の思い出を作ってきました。」どうもこんばんは!アルバムレビューのお時間がやってまいりました。今回は2005年に発売されたJanne Da Arcの6thアルバム「JOKER」のアルバムとなります。現時点でジャンヌのラストアルバムとなっている今作には大ヒットしたアニソン含めた人気のあるシングル、そしてメンバーそれぞれの個性が存分に発揮されたアルバム曲がたくさん収録されていると聴きます。どうやら作詞にshujiが参加した楽曲があるとか...!楽しみですね。果たしてどのような世界が広がっているのでしょうか!

 

「JOKER」のポイント

 

・今回の収録曲はとにかくキーボードのデジタル要素が強いです。キーボードの音色以外にもエレキパーカッションやリバースシンセと言った音も楽曲の彩りがさらに広がっておりますよ!

 

・そして、このアルバムのラブソングはhydeに向けて書かれているらしいですよ。このアルバムのyasu曲には色々な所にラルク要素が出てくるのもひとつの特徴です。その都度、考察をかいていきますが、皆さんも是非、楽曲を聴きながら探してみてくださいね!

 

それでは行ってみましょう!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

青→シングル曲 黒→アルバム曲)

 

1.「In silence」(作詞:yasu 作曲:ka-yu・yasu)

 

「In silenceぅ~それはぁ~♪」の方では無く、シンセパッドの分厚みで浮遊した静かなナンバーと見せかけ一気にヘヴィロックに変貌するトリッキーなナンバー。ka-yu曲が1曲目に来るのも珍しいですね。ヘヴィロックゾーンでは7弦ギターと5弦ベースのユニゾンが印象的でゴリッゴリの音作りとスリリングなストリングスが絡み合い、デジタルな音達もバックでなるカオスゾーンになっております。歌詞はジャンヌ初の全英詞。私は英語ぜんぜん出来ないので、和訳サイトを参考にしました。「夢」と「恋人」どっちを選ぶか悩み「夢」を選んだ主人公が「大航海船長」するという内容になっております。この曲がオープニングってなかなか攻めてますね。

 

2.「ツメタイカゲロウ」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

「デジタル版・ヴァンパイア」と言ってもいいでしょう。疾走感と共に駆け抜けるハードロックナンバー。荒々しいバンドサウンドとデジタル要素が絡み合う絶妙な楽曲となっております。やはり、メロディラインが完全に沼るので、一気に楽曲にのめり込んでしまいますね。歌詞は早くも登場、ツンデレ属性とヤンデレ属性を兼ね備えた元嫁でございます。愛が深すぎたあまり耐えきれなくなった旦那に離婚を切り出され、1人残された妻の部屋の中には毒のような愛の残り香が舞う中で、旦那のことを今でも想いながら1人で泣くという内容になっています。シチュエーション的にも結婚してから1年も経ってなさそうだし、彼女のヤンデレな思考も普通なら恋人の期間に分かるはずなので、この2人は出会いからすぐに結婚したパターンなのかなと予想しています。

 

3.「月光花」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

23thシングル。アニメ「ブラック・ジャック」の初代OPに抜擢され、アニソンとしてかなりの知名度を誇る楽曲で、世間ではジャンヌの代表曲というイメージも強い楽曲です。(ブラック・ジャックって歴代OP・ED共に全部avex所属のアーティストの曲なんですよね。他には大塚愛やglobeも歌ってるよ)全体的にバンドサウンドは控えめで、ストリングスとピアノが全面に引き出された構成になっており、全力で切ない世界観を創り上げています。歌詞はふとしたことを全て元カノに重ね、思い出してしまう主人公が描かれていて、それでも失恋の中から抜け出したいと懸命に努力する姿が印象的です。

 

 

4.「D DROP」(作詞:yasu・you・shuji 作曲:you)

 

タイトル通り、ギターとベースが「Dドロップチューニング」で演奏されるポップロックナンバ-。普通にバンドサウンドだけ聴けば、ロックサウンドなのに、デジタルサウンドが絡み合うことでここまでポップに化けるのも、不思議です。作詞はなんと3人の共作で、その中にはあまり作詞をしないyouと激レア枠のshujiもいるという激アツなメンツとなっています。すごく日常感のあるリアルな歌詞が印象的で、「ドラクエ」も登場する遊び心が目立つ歌詞となって面白いです。サビでは日常で疲弊するみんなを応援する歌詞が飛び出すのも印象的ですね。

 

5.「Hell or HEAVEN~愛しのPsycho Breaker~」(作詞:yasu 作曲:kiyo)

 

一転して、ゴリッゴリの不気味なサウンドで攻める激しいナンバー。16分を基準に楽曲が展開していくのも関わらず、フレーズは繊細という恐ろしい楽曲となっています。歪ませたドラムのフェードインや随所で鳴るシンセ音のデジタルなアレンジが目立つのも流石kiyo曲ですね。歌詞は1番が「ドMなカレシ視点」2番が「ドSなカノジョ視点」で書かれており、かなり面白い構成となっている「共依存カップル」のお歌でございます。両者ともあまりにも愛が深すぎて、最終的には一周回ってこれも一種の”愛のかたまり”と取れてしまうのが面白い。きっと、この2人の恋の終わりは「別れ」では無く、ヘラりすぎて片方を殺してしまうエンドの方があり得るパターンだと思いますね。(その後、我に返り「ボク(アタシ)はなんてことを...今、逝くからね(グサッ)」までがワンセット。)

 

6.「仮面」(作詞:yasu・kiyo 作曲:kiyo)

 

引き続きkiyo曲。「かなり不気味でおどろおどろしいサビ前」と「優しく明るいサビ後」という全く世界観が異なる2つのゾーンが交互に展開されるナンバー。特にサビ前はとことん怖くしようとするシンセのブラッシュアップが凄いですね。後半では大事な役割を務めるピアノ音色も前半部分ではシリアルな顔を見せます。歌詞は前半部分では仮面を付けて、周囲に溶け込むために感情を捨てた主人公が描かれていて、後半部分では、そんな主人公へむけて天の声がやさしく語りかけるという構成になっています。この曲、2番が終わったらあっさり終了してしまうのですが、これはこれで好きです。

 

7.「I'm so Happy」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

yasu曲の中でも特に耳に残るメロディラインが印象的な楽曲です。これまでに無いほどの明るさに包まれたポップロックナンバーとなっております。しかもラスサビでは転調してドラマチックになるのも最高です。タイトルがそのまんまラルクですが、これはhydeに向けて書かれたラブソングだからあえてラルクの(しかもhyde作詞・作曲の)楽曲と同名のタイトルにしたのではないかとさえ思えますね。そう考えると自由奔放なギター、歌うベースライン、ドラムの展開という演奏フレーズもラルク要素を感じます。主人公の「大好き」が溢れまくる汚れが一切無い、シンプルなラブソングとなっています。

 

8.「WILD FANG」(作詞:yasu・kiyo 作曲:kiyo)

 

「ロックマンX8」のCMソングとなったkiyo曲。イントロのギターリフから飛ばしまくり、ゴリッゴリのサウンドで攻める疾走感に身を任せた楽曲となります。kiyo曲なので、逆再生S.Eや、浮遊感を出すシンセパッド、ゲーム感を表現したベルといったキーボードのブラッシュアップがカッコいいです。歌詞は夢と自我を捨てて、偉い人にただ従って生きている人々に強く疑問を投げかけるメッセージ性のある歌詞が特徴。特にSNSの発達により、より多くの同世代を観られる時代となってしまったため、インフルエンサーのような煌びやかな人には到底叶わないと、夢を捨ててしまっている人も多いように思います。そんな時代になってしまった今こそ、改めてこの歌詞が強く刺さります。

 

 

9.「easy funky crazy」(作詞:yasu 作曲:you・yasu)

 

そのまんま、聴きやすく、ブラス隊も加わりファンクな曲調で、(難易度が)CRAZYな楽曲です。7弦ギター、繊細な速弾きリフ、手数が多く複雑なドラム、スラップベースだけでは無く、MIYAVIでお馴染みギターのスラップまで登場し、テクニカルな技術がてんこ盛りの楽曲となっています。歌詞はプレイボーイが仕掛ける女へのナンパをDJ風に仕上げるという、面白い構成になっています。楽曲のテクニカルさと早口というコンボで歌詞が聴き取りにくいだろう...という利点を活かした、ストレート且つモロなワードが目立つリリックとなっています。

 

10.「Mr.Trouble Maker」(作詞:yasu 作曲:you)

 

キメがカッコいい、攻撃的なハードロックナンバー。とにかくテンポが速い上に変拍子や16分といった要素が大集合なため、かなり忙しく難易度も高い楽曲です。繊細なギターリフやジェットコースターのように高速で旋律を昇っては降りタッピングも出てくる最狂ギターソロ、その前のスラップベースソロ、全体を通してツーバスプレイといったyou曲ならではのテクニカルな技術が至るところに登場し、メンバーの高い演奏技術を堪能することができます。さらにそこにサイレンや恐怖心を煽るストリングス、スリリングな音色を操るキーボードが入り混じり、かなり世界観が深紅に染まっております。ある事ない事記事にするマスコミに向けた怒りが綴られており、かなり攻撃的な歌詞になっております。なにより「fxxc!」まで飛び出すので、相当ブチ切れているのが分かりますね。近年では暴露系配信者達にも通じる歌詞となっております。これは、前作に収録された2ちゃんねるをテーマにした楽曲「ACID BREATH」にも通じる話になりますが、当時の歌詞の警告や怒りが、時代を超えて悪化している現状に嫌気がさしますよね。しかし残念なことに、最近では「青い鳥が飛んでいった鳥籠」にもこのような方々が増えているのが現状なので、今後更に悪化していくのでしょうね。

 

11.「Love is Here」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

22thシングル。曲調やキーボードの音色がミステリアスな雰囲気を感じさせるポップロックナンバー。シンプルでダンサブルなバンドサウンドにこのキーボードが乗っかり、絶妙な世界観となっております。歌詞は愛しているのに相手が振り向いてくれないという片想いしている時の心のドキドキが綴られております。これは実際に(自分含め)片想いをしたことある人ならかなりリアルに感じます。この歌詞もhydeに向けて書かれたのかなと思ったのですが、この曲、サビや歌詞のシチュエーションがラルクの「Lies and Truth」っぽさを感ませんか?(キーに関しては同じロ長調(♯5個)です。)両曲の歌詞を見比べてみると、両者が片想いしている状態となり、この歌詞が「Lies and Truth」の主人公へ歌われていると考えると、ストーリーが繋がっている感じがするのです。もしかしたら、「Lies and Truth」のアンサーソングとして制作されたのかもしれませんね。(違ったら本当にごめんなさい...!)

 

12.「風にのって」(作詞:yasu 作曲:ka-yu)

 

ka-yu作曲の美しいバラードナンバー。メロディラインが演歌っぽくて「桜」を思い出しました。アコースティックギターと歌のみのオープニングから始まり、本編へ突入すると、ピアノの音色から、力強く進行するバンドサウンド、美しく奏でるストリングス陣といったバラードには欠かすことの出来ない面々が揃い踏み。ギターソロもいつもの速弾きではなく、聴かせるギターソロになっているのも印象的です。歌詞は2004年に発生した「スマトラ沖地震」の犠牲になってしまった方々へ向けた鎮魂歌となっています。隠喩なしのストレートな歌詞となっていて、yasuの歌い方もいつもより言葉を噛みしめている感じがします。変ロ調(♭2個)という暗いキーから始まり、終盤でハ長調(♯♭なし)に転調して光が刺し込む構成も、完全に聴き手を泣かせにきています。

 

13.「ダイヤモンドヴァージン」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

24thシングル。「♪ダイヤモンドヴァージン オ・ト・メ!」でお馴染みの楽曲でフィナーレ。まさに「ダイヤモンド」のような煌びやかなウェーブベルや高級感のあるリードシンセが印象的。疾走感のあるロックナンバーとなっていて、ツーバスやギターとベースのユニゾンといった要素も楽しめますよ!また、ベースソロからギターソロというコンボも見逃せません。夜の都会のネオンが集まったキラキラとした街並みを連想できて最高ですね!この曲をレットカーペットを歩いている気分になれるのはきっと私だけだと思います。歌詞は彼女に向かって自身の壮大な愛を歌いあげる彼氏というラブラブカップルが描かれていますが、勿論この曲もお相手はhyde様へ向けてとなっております。今回のアルバムのyasu曲には度々ラルク要素が出てきましたが、最後の最後でこれが出てきたら、もうyasuがどれだけhydeに憧れていて、愛しているのかが分かりますね!

 

いかがだったでしょうか!、今作は全体的にテクニカルな技術が見られた楽曲が多かったですね!今までに見られなかったジャンルや、歌詞も新鮮なシチュエーションがあったりと、かなり聴き応えがあった56分でした。これ以降シングルを2枚出して、ジャンヌは活動休止してしまうのですが、幻の次作にはどんな世界が広がっているのか、メンバーそれぞれのソロを聴いていてると、更に、気になってしまいます!さて次回は最終回、アルバム未収録の楽曲をまとめてレビューしていこうと思います!今回もありがとうございました!