「GAIA/Janne Da Arc」レビュー | brilliant-memoriesのブログ

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ドエルさんでもあり、V系好きのギャ男でもあり、60〜00年代の音楽好きでもある私がお送りするこのブログ。アルバムレビューや自作曲の発表、日常、ブログなどいろんなことをします!

「トモダチコレクションの魅力に再度惹かれ、最近ずっとトモダチコレクション新生活をプレイして住民達に癒やされています。あの島、平和でイイですよね。24時間友達とずっとはしゃげるって、最高じゃないですか!移住してみたいな...」お疲れ様です!迫り来る秋学期がはじまる前に、アルバムレビューのコーナーやっていきましょう。今回レビューするするのは3rdアルバム「GAIA」です。前作ではハードロックナンバー中心に様々なジャンルが登場しましたが、今作は先行で発売されたシングルの時点で、さらにPOPで聴きやすいロックナンバーが登場していて、果たして今作ではどんな世界が広がっているのか、ワクワクしますね。今作のコンセプトは「研究して音を録った。勢いだけじゃなくて、音楽的に洗練されたモノを作ろう。その辺のロックバンドと一緒にしないでもらおうか!」だそうです。

 

アルバム「GAIA」のポイント

 

・プロデューサーに岡野ハジメさんを起用しており、全体的にかなりポップなアレンジが目立ちます。しかし、音色の方はかなり洗練されており、一見目立たないような音にもこだわった音作りがされていることが分かります。バンドスコアを読みながら楽曲を聴くことで、新たに発見したフレーズもあったので、かなり聴き応えがあります。

 

・シングルは「恋愛三部作」とも言われている3作が収録されています。こちらは簡潔に纏めるとバッドエンドを迎えるのですが、今作では順番を変えることによって新たな説が生まれました。また、feel the wind」と「シルビア」はストリングスの音色がシンセから生音にアレンジされて収録されています。

 

それでは行ってみましょう。

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(シングル→青 アルバム曲→黒)

 

1.「GAIA」(作詞:yasu 作曲:you・yasu)

 

いきなり、アルバムタイトル曲。嬰ヘ長調(♯6個)の楽曲なのでかなり不安定な世界観になっております。煌びやかに舞うギターの音色が美しく、バックのストリングスの音色と絡み合っているのが美しいです。全パートに繊細なフレーズが多く、非常に複雑な楽曲となっております。「ガイア」とはギリシア神話に登場する女神のことで大地の象徴とも言われています。その「ガイア」の要素を世界観へ交えつつ、今まさに、この世界に生まれようとしている男の子の視点で物語が展開していきます。

 

2.「セル」(作詞:yasu・kiyo 作曲:kiyo)

 

前曲の余韻が流れる中、現れたのはkiyoのダークロックナンバー。このゴリッゴリと脳を持って行かれる感じがいいですね。ジャンヌの中では珍しく低音で歌う場所も存在します。間奏のベースソロでは、高速スラップにエフェクターを当ててシビれるような音を演出、乗ってきたところで「おいおい、俺も負けちゃいねーぞ」と高速ギターソロも現れて楽曲が最高潮に盛り上がる部分がたまりませんね。歌詞はyasuとkiyo共作。歌詞は女を弄び捨てたことを武勇伝のように語りながら笑うクズ男の歌です。

 

3.「sister」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

イントロのぶん殴られるようなシンセドラムの音から、疾走感ある本編へなだれ込む、今度はyasuのロックナンバーです。やはりyasu曲は、メロディラインが聴きやすいので、一気に”楽曲に”スッとのめり込めるのがイイですね。突っ走るバンドサウンドに重苦しいシンセパッドや怪しいストリングスが乗っかり、薄暗さを演出。この薄暗さがこの楽曲の歌詞を映えさせていると思います。そんな歌詞には、早くもyasuの狂った女が登場(やったぜ!)、この曲ではヤンデレ彼女による、地下室での「監禁プレイ」を堪能できます。手錠を掛けられ、攻められて、求められて...まさにドMには最高なシチュエーションになっております‼

 

4.「feel the wind(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

11thシングル。「恋愛三部作」のラストを飾る楽曲が早くも登場。疾走感のある爽快なポップロックなバンドサウンドにストリングスやシンセベル、シーケンスサウンドが乗っかる煌びやかな世界観を。ラスサビでは転調して高まる世界のクライマックスを演出、光のような楽曲になっています。ここまで、楽曲の明るさを表現したら、そりゃ、ハッピーエンドだと思うじゃん?歌詞は失恋した主人公が恋人との思い出を回想する内容になっています。最後に元カノの将来に嫉妬もしています。「ゑ?」...そうなんです、こんなに明るくて爽快な楽曲にこの歌詞が乗るのです。こうして生まれるギャップを全力で味わうのがこの曲の真の姿なのです。

 

5.「curse」(作詞:yasu 作曲:kiyo)

 

「curse」=「呪縛」「呪い」の意味合いを持つ、kiyoのファンクナンバー。とにかくベースが前に出ている印象です。しかし、個人的にはオルガンが居ることで生まれる曲の厚みにも注目していただきたいですね。他にもギターとベースのユニゾンや、キーボードソロ、ギターソロといったシビれるポイントが至るところに用意されているので、沼りますよ。歌詞は、前曲「feel the wind」の主人公の続編とみています。元カノの呪縛から抜け出せなくて、ついに欲求不満に陥ってしまった主人公の葛藤が描かれています。タマるのは「ミルク」と「フラストレーション」というもはや隠す気も無い隠喩がまたオモシロイ。きっと彼女との経験が相当幸せだったからこそ、今はどんなに抜いても抜け出せないのでしょうね。

 

6.「GUILTY PAIN」(作詞:yasu 作曲:ka-yu)

 

ここで、ka-yuの曲が登場。今回は7弦ギター、5弦ベース、ツーバスといった分厚い重圧で攻めるバンドサウンドをヒューチャーした、今作の中でもトップクラスの荒々しさ味わえるヘヴィ・ロックナンバーとなっております。重いギターリフを連発した後にやってくるギターソロでは3連符のコンボからの速弾きフレーズのコンボもシビれますね。歌詞は少年兵を葛藤がテーマになっていて、優しい心を持つ主人公だからこそ、生まれる感情と失望が描かれています。

 

7.「ZERO」(作曲:you)

 

youのアコースティックギター1本のみで構成されたインストゥルメンタル。演奏時間の2分の間にyouらしい様々なテクニカルなフレーズが飛び出し、まさにアコギの要素を最大限に活かした演奏を堪能することができます。youのソロでも度々演奏されている楽曲です。

 

8.「still」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

yasuのポップロックナンバーが登場。プロデューサーの岡野ハジメさんもコーラスとして参加しています。バンドサウンドに乗っかるオルガンやピアノ、シンセストリングス、更には煌びやかなシンセウェーブも非常に心地よいですね。ギターソロも今回はのびのびとしたフレーズが目立ちます。歌詞は、別れた恋人をずっと忘れられない主人公が描かれていて、未練たらたらな感じが思いっきり出ているのもリアリティがありますよね。

 

9.「AGE」(作詞:yasu・kiyo 作曲:kiyo)

 

「アゲ~!!」....と一度やってみたかったボケを1発かましたところで、kiyo作曲のロックナンバーに入っていきましょう。サビまでのダークな世界観とサビ以降の明るい世界観という2つの顔を持っていて、その摩擦で生まれるギャップを味わうことができる楽曲になっています。音色面は「curse」同様、ベースが全面に出ているのが特徴ですが、サビ前とサビ以降の一気に変わる世界観に全楽器が完璧に応えている部分が個人的に聴いて欲しいポイントだと思いました。歌詞は阪神タイガースのバース選手について歌われています。

 

10.「seed(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

9thシングル。ロックなサウンドにメロディアスな歌メロが乗るナンバー。やはりキーボードがロックな要素を上手くほぐしてくれている感があって、聴きやすくなっているのがイイですね。手数の多いドラムのパターンやイントロのベースとギターとユニゾン、一気にポップロックになるサビといったジャンヌらしい要素が揃った楽曲となっております。「恋愛三部作」のオープニングを飾るこの曲の歌詞はフラれた女性に下心を隠しながら猛アタックする主人公の歌。弱っているのを逆手に彼女を捕まえて、懸命にアピールしている様子が描かれています。

 

11.「Plastic」(作詞:yasu 作曲:you)

 

イントロのグロッケンの音色が印象的な大人しめなナンバー。「ワウギターのアプローチ」や「小刻みに刻む忙しいドラム」、そしてこのように特殊な役割をドラムが果たしているので、「代わりにしっかりと曲を引っ張るベース」、「ストリングスの音色で世界観をより幻想的に映し出すキーボード」といった、「静かな世界観」を逆手に取った、いつもとはひと味違う楽器陣のテクニカルな演奏を堪能することができます。歌詞は傷ついた恋人を励ます歌詞となっています。ここでとある説を挙げたいと思います。それはこの歌詞は「seed」の続編説です。下心で近づいて、弱みにつけ込み恋人関係になった主人公と彼女ですが若干、「seed」でも見せていましたが主人公は彼女にする際に近づいた行為を反省している様子があります。なのでこの曲では彼女の前の失恋で生まれた心のしこりを本気で癒やそうとする(生まれ変わった)主人公視点のお話なのではないのかなと思ったりするのです。もしも、曲順的にも「恋愛三部作」がまだ、展開されているのならば、この曲がここに入ることによって原作とは違う展開を迎えるのではないかと思っています。そう考えると、IF物語の伏線のカギを握る重要な楽曲です。

 

12.「シルビア(作詞:yasu 作曲:you・yasu)

 

10thシングル。「恋愛三部作」のターニングポイントとなるこの曲はシングルでは2ndシングルの「Lunatic gate」以来となるyouとyasuの共作。いままで、難度の高い複雑な楽曲を作曲することが多かったyouですが、こんなにもキャッチーで明るい楽曲に登場に凄く驚きました。しかしながら、タッピング奏法を使ったイントロにテクニカル感を出しているのもまたyou曲らしいです。歌詞は、今日のデートのクライマックス彼女にプロポーズしようと気合いを入れる主人公が描かれていてなんて素敵な世界なんでしょう!!、(まさか、この後あんなことになるなんて...)また、シングルの変更点として、イントロの追加とシンセストリングスが生のストリングスの音色変わるというアレンジが加えられています。ただ、このアレンジの変更には残念と思う部分もあります。この曲の特徴といえば、疾走感と爽快感です。「シンセの音は軽すぎる」という声は聞きますが、その軽さこそがシングル版の爽快感を生みだしていました。しかし、今回はシンセが生音に変わることによっての”重さ”が粘っこく絡みつき、爽快感が減少している感が否めないのです。先程の「恋愛三部作」のIFストーリーが成立して、プロポーズに成功して「結婚式場」というシングルとは少し異なったハッピーエンドなシチュエーションでこの曲を聴くことで、改めてこのアレンジもいいねと感じるようになりました。

 

奇しくもyouとyasuの共作曲で始まり、youとyasuの共作曲で終わるという展開となった今作。いつも以上にロックナンバーが多かった印象がありますが、ポップロックやダークロック、ヘヴィロックといった、様々なジャンルに挑戦しているというのが印象的でした。また、「GAIA」や「Plastic」や「シルビア」ではyou曲の新たな一面が見られたのも、個人的には印象的でした。思えば今作は全体の「1/3」がyou曲だったのですね。そしてラストの「恋愛三部作」に唱えた説もいかがだったでしょうか!

 

さて次回は「ANOTHER STORY」のレビューとなります。よろしくお願いします!今回もありがとうございました!