「Z-HARD/Janne Da Arc」レビュー | brilliant-memoriesのブログ

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ドエルさんでもあり、V系好きのギャ男でもあり、60〜00年代の音楽好きでもある私がお送りするこのブログ。アルバムレビューや自作曲の発表、日常、ブログなどいろんなことをします!

「なんだ、もう朝かと、ひとりごつ...焼けたパンにう゛ぁたぁぁ!...」どーもです。今夜もアルバムレビューをやっていきましょう!今回レビューするのはJanne Da Arcの2枚目のアルバム「Z-HARD」でございます。2001年にリリースされた今作は、前作とはまた違う世界観が広がっていると聴きます。改めて、本作発売前のシングルをチェックしてみると、様々なジャンルに挑戦しているということが分かりますね。果たしてどんな世界が広がっているのでしょうか!、また、「アルバム発売の1ヶ月前には3曲しかレコーディングが終わっていなかったからレコーディングが大変だった」というエピソードもファンの中では有名ですね。

 

アルバム「Z-HARD」のポイント

 

・「激しさと勢いで突っ切った」前作と比べると、今作はハードロックや大分テクニカルな演奏技術が光る楽曲が多く、ジャンヌの頭脳派な側面を堪能できるのが今作の特徴だと思ってます。また、今作発売前に発売された3作のシングルはリミックスされた音源が収録されており、シングルの音源と聞き比べて変化を楽しむのもオススメですよ。

 

・そして今作はミニアルバム「Resist」を思い出させる部分が多いです。前回「Resist」をレビューしたときに「原点に立ち会えた」とレビューしましたが、その原点から徐々に派生して成長していった要素が歌詞や曲調...といった至るところに観られます。

 

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シングル→青 アルバム曲→黒 カップリング曲→赤

 

1.「nightmare」(作曲:yasu)

 

「♪想い合ったはずなのに、厭きれるほど遠すぎて~」の方では無く、本作のオープニングを飾るインストゥルメンタル。ギターとキーボードのみで構成されているのですが、タイトルの禍々しさとは裏腹に、どこか高貴な感じ(前作でいうところ「桜」にも通じる)がして、共に洗練された音色が光っております。

 

2.「-救世主 メシア-」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

ライブでも定番曲として定着していたというハードロックナンバー。ヘヴィな感じがしますが、明らかに前作の「メタル」なヘヴィさとはひと味違う「ヴィジュアル系」特有のヘヴィさがします。(特に掛け声とか)曲中はゴリッゴリなリフで、ソロではタッピングを交えた速弾きソロが炸裂し自己の存在をアピールしているのが特徴です。その裏で奇妙に輝くキーボードの音色も聴き逃してはなりませんぞ!歌詞はバンド名にもなっている英雄「ジャンヌダルク」の生涯が描かれています。

 

3.「prism」(作詞:kiyo 作曲:kiyo)

 

kiyoが作詞・作曲の荒々しさと毒々しさが同居したナンバー。頭がぴよぴよ🐣してしまいそうな、シンセの音色達に病みつきになってしまったら、貴方はもうこの曲の虜です。「奇妙な歌メロ」、「大量のキーボード軍団」「それぞれのメンバーのソロ」...と詰め込まれている要素が多すぎて1,2度聴いただけではこの曲の世界観は分からない、聴き手を完全に沼らせようとしている曲調がたまらないですね。歌詞は「プリズム」を人間の心に置き換え、様々なプリズムが交わることによって生まれるコミュニケーションが歌われています。

 

4.「Dry?(Album Mix)」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

7thシングルは、yasu曲お馴染みのシャッフル・リズムのジャジーな楽曲。イントロのベースとオルガンのユニゾンがもうエロい。サビのブラス音もなかなかイヤらしい、まさに中身が空っぽの恋愛を描いたような楽曲ですね。ウォーキングリズムをしっかりと弾きこなし更に2番の頭では和音攻撃まで仕掛けてくるベースやジャズ特有のパターンを展開するドラムといったリズム隊にも注目してみてください。歌詞は...ついにやってきました。欲求不満が限界突破してしまった女性の登場です。普段のドライな性格が、ここまで化けの皮が剥がれてここまであからさまにあると、もう誰にも止められませんね。それにしても、サビの「イカせて!すぐイカせて!」はあまりにも直球すぎてこっちが赤面するほど。ストレートならでは威力がありました(笑)、素晴らしいですねぇ!、今でも脳裏にある「ジャズ曲=エロティカな歌詞」というイメージが生まれたのもこの曲を聴いたのがきっかけかもしれません。

 

5.「7-seven-」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

再び、ハードロックナンバー。イントロの「恋のフーガ」のオマージュした印象的な部分のユニゾンシーンとその裏で流れる割れていく硝子音が気持ちよすぎる。しかもそこでは4拍子なのに、変拍子に聴こえるというトリックも仕掛けられています。ギターソロではメシアよりもパワーアップした速弾きフレーズが登場、疾走感を纏いながら駆け抜けて行く感じが最高です。歌詞は浮気をしてしまった彼女にDVをしながら「七箇条」を突きつける彼氏という危ない「わからせ」シチュエーションとなっています。是非ともドSな方は「彼氏」、ドMな方は「彼女」になりきって、この楽曲を聴いてみてください。しかし、「彼氏」視点で聴いた場合は最後に「七箇条」を自分自身にも遂行するのでご注意を。

 

6.「NEO VENUS」(作詞:yasu 作曲:kiyo)

 

ロックマンでおなじみ、本作発売後に8thシングルとしてシングルカットされた、シングルの中では珍しいyasuが作曲に携わってない3曲のうちの1曲です。kiyo曲ということでゲームのような世界観を持つ音色が輝いています。非常に爽快なポップロックナンバーです。歌詞はファンに向けたメッセージとなっていますが、実はこの曲、「Resist」収録曲の「stare」の続編となっていて、メジャーデビューという夢を叶えたジャンヌがファンのみんなに感謝を伝えるという激エモな歌詞となっているのです。Cメロの「少し前に約束した”空の向こうを見せてあげる」という表現は「stare」にも登場します。インディーズ時代からずっとジャンヌを応援していたファンはこの曲を聴いて号泣したのは間違いないでしょう。

 

 

7.「will~地図に無い場所~(Album Mix)」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

5thシングル。弦楽器達のイントロから、一気に物語に引き込まれる、モノクロームでバラードな楽曲の世界観。のんびりと進行しつつも、壮大に、サビでは転調を交えてドラマティックに楽曲が展開していきます。アウトロでは激しくエレキギターを強調しながらフェードアウト感じも好きです。失恋してしまった人を励ます温かい歌詞が彩る楽曲ですが、個人的にこの語りかけている人物が「友人」なのか「天の声」なのか、気になるところです。

 

8.「WARNING」(作詞:kiyo・yasu 作曲:kiyo・you)

 

この曲もイントロのベースソロから一気に引き込まれますよ。疾走感を纏いつつ、荒々しい楽器達の殴り合いを堪能することができます。この曲はyouが楽曲に参加していることから、終始ギターが大暴れ。サビまではリフの暴力で攻めまくり、早くもサビで速弾きフレーズが登場しますが、それでもボーカルを邪魔してないのが素晴らしいです。また、kiyoのキーボードも要所要所に現れては強烈なアピールをかますので見逃せません。歌詞は彼女と自分の刺激を求めるリズムに「ズレ」が起きてしまい、彼女が他の男と夜遊びをしたのをきっかけにブチ切れて破局。しかし、最終的には主人公はその「ズレ」を認識して後悔するという内容となっております。

 

9.「Liar」(作詞:yasu・shuji 作曲:kiyo)

 

そして、出ました。作詞にshujiが参加したナンバーです。なので、歌詞のシチュエーションにもどこか新鮮さを感じます。全体的にギターのカッティングが印象的で、ファンクな雰囲気を持つ楽曲。さまざまな見せ場が用意されていて、先に進めば進むほど楽しくなる楽曲です。歌詞は彼女に格好つけようと性格を作っている主人公が本当の自分とのギャップに疲弊するというシチュエーションになっています。

 

10.「Dear My....」(作詞:yasu 作曲:ka-yu)

 

ka-yu作曲。秋の夜がお似合いなアコースティック・バラード。アコースティックギターや温かいラインを奏でるベース、尺八の音色にパーカションの音達に酔いしれましょう。また、この曲がバンドサウンドにアレンジされた音源が11thシングル「fell the wind」のカップリングに収録されています。歌詞は甘々なラブソングで恋人とイチャイチャしながら眠りにつくというシチュエーションになっております。時期的にもピッタリなので、この曲を子守歌として聴きながら寝るのもありかもしれませんね。

 

11.「Mysterious(Album Mix)」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

6thシングル。今作のラストは疾走感のあるロックナンバーでフィナーレ。Bメロで徐々に頭角を現しつつ、メロディアスさ全開、王道の2ビートのサビが来るって展開が楽しいですね。ベースソロを挟んで、ギターソロに流れ込む展開もポイントです。歌詞は、たくさんの顔を見せる彼女に弄ばされる主人公が描かれているのですが、その彼女なしでは生きれない程、依存している躰になってしまったので今夜も彼女に弄ばされてしまうという無限ループに陥っているのが最高です。

 

いかがだったでしょうか。個人的には、ベースの16分なフレーズやギターのテクニカルな展開がさらに増えたと思いましたね。前作特有のメタルなナンバーは無くなりましたが、その代わり様々なジャンルの楽曲が飛び出し、インディーズ時代の楽曲の続編やshujiの初作詞の曲といった見所もたくさんあって、常に進化し続けているな...と感じますね。

 

さて、次回は「GAIA」のレビューとなります。今回もありがとうございました!