「D・N・A /Janne Da Arc」レビュー | brilliant-memoriesのブログ

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「久々にフリーな日。バイトの疲れからか、昼過ぎまで寝ていたのであっという間に一日が終わりましたね。でも、あまりにもバイトが楽しいので、早く次のバイトの日が来ないかな...とよく思います。」ちぃっす!アルバムレビューをやっていきましょう。今回レビューするのはJanne Da Arcの「D・N・A」!2000年に発売されたメジャーデビューアルバムです。「ビジュアル系の最終兵器」という触れ込み(にゾックゾクしてしまった私←そこ?)通り今作は、四方八方の世界に派手っ派手に爆発しているという表現が正しいかもしれません。インディーズ時代の世界観もさらに激しく、ものすごく勢いがある作品だと言われています。逆に「月光花」辺りやそれぞれのソロプロジェクトから遡ってジャンヌのファンになった方々は、初期のこのギャップに驚くかもしれませんね。

 

アルバム「D・N・A」のポイント

 

・前作の流れをさらに強めたメタリックな曲、ファンタジアな曲、怖い曲...といったこれぞ!V系サウンドからポップな曲、幻想的な曲といったまで大集合したアルバムです。次作以降でも疾走感のある荒々しい楽曲は度々登場はするものの、徐々にロックにほぐれていくので、特にここまでずっじりとメタリックに振り切ったサウンドは(前作と)今作のみが持っている特徴だと思いました。

 

・そして今作はやはりキーボードの音色達の圧倒的な進化ですよね。インディーズ時代の楽曲と聞き比べると1曲に使われている音色数が増えているのは明らかです。メタルな曲をさらにメタルに、反対にポップロックな曲はとことんPOPにしてくれていて、ものすごく重要な役割を担っています。そして楽曲の世界観も色濃く反映しています。さらにギターとの掛け合いが計算されている感じも最高です。

 

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シングル曲→青 アルバム曲→黒)

 

1.「Deja-vu」(作曲:kiyo)

 

歪ませたベースリフからイン。それぞれの楽器が拳を交えるような荒々しさが目の前に現れます。その裏で、ボーカルが効果音のような役割を果たしているのが印象的、具体的な言葉が無いからインストゥルメンタル扱いってことなのでしょうか。でも、曲構成的にメロが入っていた形跡のある構成になっているのですが、バンドスコアのインタビューにてyasuが元々は歌っていたということを明かしています。しかし、要所要所に挟まれる吐息攻撃が喘ぎに聞こえてしまった私はやはり...

 

2.「Vanity」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

両A面として発売された4thシングルの2曲目。疾走感に身を任せたサウンドを堪能できる楽曲なのですが、キーボードの音色からメタルよりもゴシックロックっぽさもを感じました。イントロはオケヒが凄く良いアクセントになっている他、楽曲中にちょくちょくと顔出すギターのアピールもやんちゃで可愛らしいです。歌詞に「Deja-vu」が出てくることから1曲目との関係があることもわかります。「Vanity」を訳すと「虚栄心」「うぬぼれ」「虚しい行為」などがヒットします。性行為の後のベッドシーンのシチュエーションになっているのですが、読み進めていくと相手は”人妻”、所謂、不倫状態であることが暗示されていますね。ということは1曲目は本当に行為中の曲だったってコト...?

 

3.「ファントム」(作詞:yasu 作曲:kiyo・yasu)

 

サビまでは使われている音色から世界観が少しぐっちょりしているのですが、サビに入るとメロディアスなポップロックに化ける不思議な楽曲。ギターもエフェクターを使って様々な音に化けて彩り、よく聴くと右チャンネルにアコギもいます。要所要所に現れるベースの和音攻撃も見逃さないように。歌詞は未練を残して地縛霊になった彼女が主人公の寝込みを襲い、金縛りを掛けるというお話。主人公は嫌がっているように見えるのですが、KISSには感じている模様。なんだ、結局ツンデレなんじゃん。最終的には主人公も彼女の元へ旅立ちエンドです。

 

4.「EDEN~君がいない~」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

3rdシングル。かなりメロディアスでポップな楽曲が登場。リアルタイムで聴いていた人々達はシングルでもこれまでの2作がかなりのメタルだった為、この曲が出てきたときは驚いたのではないでしょうか。明るく、楽しそうにバンドサウンドやキーボードの音色達が舞っております。ちなみにサビのラインはディルの「予感」のBメロや愛内里菜の「FULL JUMP」、GLAYの「BEAUTIFUL DREAMER」など結構、色んな曲で使われていることが確認できます。そして、歌詞の「虹」とは憧れのラルクのことを指しているらしいですよ。

 

5.「child vision~絵本の中の綺麗な魔女~」(作詞:yasu 作曲:kiyo)

 

前曲の快晴のお空も夜になれば二度と帰れぬ闇の世界へ様変わり。泣き叫ぶようなギターの音色からスタート。キーボードの音色達もピエロみたいな感じがして、「赤ちゃんの泣き声」も飛び出すので本当に奇妙です。しかし、ベースソロ→ギターソロのコンボや終盤の転調などカッコいいポイントも要所要所に存在します。歌詞は家政婦から虐待を受けている幼児視点で物語が展開していきます。もうね、本当に音と歌詞から子供の喰らっている痛々しさが伝わってきて胸が痛くなります。しかも、パパと家政婦は不倫していて、ママは出て行っちゃったというおまけ付き。最終的に家政婦は逮捕されますが、まだパパがいることを考えると、そこから二度目の悲劇が始まっても何もおかしくありません。それも加えると余計に後味が悪いですね...Janne Da Arcの楽曲の中でもかなりディープで重苦しい内容の楽曲だなと思いました。

 

6.「Stranger」(作詞:yasu 作曲:you・yasu)

 

展開多し、疾走感のあるロックナンバー。youが作曲に携わっている曲ということもあって常にギターが大暴れしております。暴れ尽くしたと思いきや、ギターソロに入るとさらに歪な世界へ突入。キーボードとギターが飛び交うトンデモゾーンが待ち受けております。一部ではジャンヌ最高難度とも言われている楽曲ですが、改めて、メンバー全員の演奏技術の高さを体感できる楽曲ですね。歌詞は周りに相手にもされない主人公が自分自身を責め立てる内容になっています。

 

7.「桜」(作詞:yasu 作曲:ka-yu)

 

ka-yu作曲。”和”のテイストが強く、高級料亭のような高貴さと幻想的な雰囲気を醸し出す楽曲。ファンの中でも人気の高い楽曲でもあります。この曲の”美しさ”をより増幅させているのは、やはりキーボードですよね。様々な音色達が桜の花のように舞っていて素敵です。さらにラスサビの最後の最後でスピードアップする展開も独特でいいなと思いました。歌詞は失恋した主人公が桜を観て元・恋人を今でも思い続けると言う内容になっています。それほど2人にとって「桜」は思い出のページを彩っていた重要な役割をしていたのでしょうね。生と死を綱って描かれることの多い「桜」というタイトルだけあって、ラスサビ前まで観ると「死別」かな...という展開も想像したのですが、ラスサビにて「新しい季節を誰かと生きているの?」という歌詞が登場するため、そのパターンは無いのかなと思います。

 

8.「Lunatic Gate」(作詞:yasu 作曲:you・yasu)

 

2ndシングルはyouとyasuの共作。イントロの怪しいビブラフォンの渦に飲み込まれてからの「デーン!」のコンボがたまらない!夜の世界を映したカッコいいメタルナンバー。この疾走感と重低音が気持ちいいですね。シングルも次回以降から徐々にポップになっていくので、個人的にジャンヌのメタルな要素の集大成な楽曲だと思っていたりします。でも、このようなサウンドも、メロディアスなメロディラインが乗ることで、聴きやすい楽曲になっているのも流石ですよね。歌詞は躰だけの関係だった女性にどんどん依存していく主人公が描かれております。

 

また、個人的な話になってしまうのですが、アスカノの「留奈ちゃん」のストーリーって、どこかこの曲っぽさがあるのですよね。この話が実写化されたこの前のドラマの時もそうでした。「風俗店で出会った頃は恋愛感情もゼロだった留奈ちゃんにもうアタックをしかけるバシくんとか。」「徐々にバシくんに堕ちていく留奈ちゃんとか。」「お互いの気持ちが揺れあうシーン」とか要所要所でこの曲を連想してしまいます。あ、ちなみにバシが留奈を思って制作した楽曲は「Lunatic Moon」です。

 

9.「Janky Walker」(作詞:yasu 作曲:kiyo・yasu)

 

メタリックなシングルに挟まれたのはキーボードのオルガンの感じからも分かるとおり荒々しいハードロックなナンバー。バンドスコアのyasuへのインタビューにて「この楽曲はkiyoの楽曲2曲にyasu曲を合体させた」ということが明かされています。そしてハードロック・ナンバーなので速弾きギターソロがマッチしないわけがないのです。やはり圧巻ですよ、ギターソロ。歌詞は幼い頃の純情だった世界から成長するに連れて世の中の醜さを徐々に知っていって今に至った主人公の怒り(...というか失望)が綴られています。

 

10.「RED ZONE(Album Mix)」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

1stシングル。メジャーデビューして初めてリリースした楽曲はまさかのメタルナンバー。疾走感に身を委ね、脳がぶん殴られているようなこの重圧...もはや鳥肌モノですよ。まさに満を持してついに目覚めた「ビジュアル系の最終兵器」がメジャーシーンで大暴れするこの感じが最高です。チェンバロをはじめキーボードの音色達も夜の幻想さを表現しています。歌詞は躰の関係に当たる女性にあの手この手で弄ばされる主人公のお話なのですが、男性はその女性に恋心を抱いているため、いつまで経ってもその罠から抜け出せません。今(歌詞の中)では疑心暗鬼で迷いの部分も存在しますが、サビのシナリオの部分や「そうね この自分を生かせるのも殺せるのも君次第」と言う部分から徐々にドM化していているのもわかります。このままいくと彼女のペットになってしまいそうな主人公ですね。

 

11.「ring」(作詞:ka-yu 作曲:ka-yu・yasu)

 

ka-yuが作詞・作曲を手掛けたポップロックナンバー。どこかダークファンタジーな世界観が見えるのはやはりキーボードの音色のお陰なのかな...と思っています。そして意外にも展開はかなりシンプルですが、複雑な展開が多かった今作の楽曲の中なので、逆に新鮮と感じてしまう部分にも作り込まれているなと思います。歌詞は離婚して銀の指輪が薬指から消えた主人公が妻だった女性をずっと想い続けているといった内容になっています。「桜」と似たようなシチュエーションですが、作詞した人が違うとここまでグッと世界観が変わるのもメンバー全員が楽曲制作に携わるバンドだからこそ味わえる面白さですよね。

 

12.「Heaven's Place」(作詞:yasu 作曲:yasu)

 

両A面として発売された4thシングルの1曲目。まさに今作のラストに相応しい、壮大に広がるミディアムバラードですが、7分近くある楽曲であるためか、後にシングルカットされたバージョンでは総集編のように一部展開が削られてしまっているのです。なので、この曲の完全体はこのアルバムのバージョンです。まさに「天国のイメージ」がすらっと浮かぶことができる楽曲ですね。個人的に思う「天国のイメージ」はサイゼリアの壁や天井に描かれている天使達の絵画のような世界です。歌詞は純愛ラブソングで、恋人に対する主人公の想いが綴られています。この曲も「ring」の楽曲展開で思ったことと同様、今作で登場した「愛」はどこかドロドロとしたモノが多かった印象です。なので、最後の最後で一切汚れのない「ラブソング」の登場にここまで新鮮さを感じるのも、やはり作り込まれているなと思いました。

 

...いかがだったでしょうか。目の前の分厚く大きな壁をぶっ壊しながら突き進んでいくようなどんでもなく勢いのある作品でしたね。改めて、聴いてみて思ったのが、それぞれの曲にこめられた世界観や展開を「聴き手側の視点」を予測しての計算された曲順も素晴らしいなと思いました。歌詞のシチュエーションも危なさやディープさ、肉体・心身的な痛さといった歌詞がさらにパワーアップしていましたね。珍しく、女性目線の歌詞はありませんでしたが、それぞれの楽曲の登場人物にアブない女性やヤバい女性はたくさん登場していたので、歌詞を読み続けていくのもマジで楽しかったです!

 

ということでありがとうございました!次回は「Z-HARD」のレビューとなります。どうやらshujiが制作に携わった楽曲があるとのこと...お楽しみにです!