「REAL/L'Arc〜en〜Ciel」レビュー | brilliant-memoriesのブログ

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ドエルさんでもあり、V系好きのギャ男でもあり、60〜00年代の音楽好きでもある私がお送りするこのブログ。アルバムレビューや自作曲の発表、日常、ブログなどいろんなことをします!

今回は「REAL」について解説していこうと思います。お待たせしました。全盛期の終盤ってこともあって、メンバーの中でも休むか休まないかでピリピリでしていた時期のアルバムらしいです。たしかにそれは歌詞にも少し現れてると思いました。ですが、掲示板やSNSなどで確認するとファンの中ではトップクラスの人気があるアルバムです。というわけで、やっていきましょう。

 

アルバム「REAL」のポイント

 

・洋楽寄りでロック色が強い印象。自分の体感的に「HEART」×「ray」ー「Tierra」って感じがします。なのでポップな曲が好きな人には合わないかも知れません。逆にロック音楽や洋楽が好きな人は間違いなくこのアルバムを好むと思います。

 

・タイトルのREAL」はhydeが「歌詞が醒めている感じがしたからそういう意味を見据えての現実」ということらしいですね。リリースラッシュやグラクロツアーといった音楽業界に伝説を刻んできた90年代ラルクの集大成という感じがします。

 

・2曲目と10曲目にコーラスとして”k”という人物がクレジットされているのですが、情熱的な歌声をしていてどんな人か詳細を調べようとおもったのですが、「kenちゃんが歌った声をピッチ調整で加工した」や「倖田來未」といった沢山の説があって気になってます。結局、未だに誰なのか分からないです・・・。気になる。。

 

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青→シングル曲 黒→アルバム曲)

 

1.「get out from the shell -asian version-」(作詞:hyde 作曲:yukihiro)

 

今作はデジタルチックでダーク曲からスタート。今までに無い異質な始まり方です。「STAY AWAY」カップリング曲の英語バージョンとなります。延々と続くシンセベース、響き渡るシンセ達。そしてエレキギターと6弦ベースのユニゾン、機械的なドラム...っといったゆっきー全開の世界。後のゆっきーのソロプロジェクト、「acid android」を面影を感じられるサウンドが特徴です。

 

2.「THE NEPENTHES」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

変拍子を交えた起爆剤のようなハードナンバー。荒々しいサウンドの中には終始スラップで演奏するてっちゃんの新しいベースプレイや、スノドロ以来となるトーキングモジュレーターを交えたソロなど、見所もかなり多いです。ウツボカズラがモチーフになっていおり、全国の男性の方、お待ちかねのドエロソング。英語が多い曲ですが和訳したサイトをチェックしてみてください。なかなか過激ですぞ。曲調はドッシリとしたハードなサウンドに”k”さんの情熱的なコーラス。男のエロい胸の内が垣間見えますね←(自分だけかな?)

 

3.「NEO UNIVERSE」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

両A面シングルとして発売された19thシングルのうちの1曲。「カウントダウンライブ」で2000年代突入して最初に演奏されました。近未来的なサウンドが特徴。6弦ベースが常時裏で動き回っていて、シンセ音と絡まりあうのが最高。底抜けに明るい曲調なので、てっちゃんが作った曲だと思いがちだがkenちゃんが作ったと聴いてこれまた驚き。久々に思えるkenちゃんのポップな世界観が聴けます。そして19thシングルの驚きはこれだけでは終わりません。詳しくは「finale」の項目にて。

 

ちなみに自分はいつもこの曲を聴くと横浜にある「BAYQUARTER」を思い浮かべてしまう。特に共通点とかはないのにここにピッタリな曲だなと何故か毎回思い浮かべてしまいます。

 

そういえば遂にウマ娘にこの曲が由来となった馬のネオユニバースちゃんが実装されましたね。ストーリーにこの曲を思わせる部分が散りばめられていてニヤリとしました。「ネオユニバースちゃんが歌うNEO UNIVERSE」期待しちゃってもいいですか?

 

 

4.「bravery」(作詞:tetsu 作曲:tetsu)

 

例の歌詞が賛否両論な問題作で、当時はかなり物議を醸したらしいです。てっちゃんが懐古ファンにむけてかいたキレッキレの歌詞が炸裂します。でも曲は歪んだベース音やすこし懐かしさを感じさせるレトロなサウンドで構成されていて、かなりのギャップを生み出しているのがいいですね。この心地よさかなり好きです。プロデューサーにはゲストとして”師匠”こと亀田誠治(東京事変)が参加しております。ライブではやはり2000年代のREALツアー以降一切やっていないといういわくつきの楽曲ですが、怖い物みたさで観てみたいですね、、、

 

5.「LOVE FLIES」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

18thシングル。グランジっぽい香りがする乾いたギターの音が全体をリードしています。グラコロツアーの後更地になった跡地を見て生まれた楽曲であり、世界観の中に漂う静寂さにもこの影響が出てきますね。この年代の曲の中では珍しくkenちゃんもコーラスに参加しており、hyde様とてっちゃんとkenちゃんの3人の歌声を楽しむことができます。この曲が主題歌に起用されたドラマ「青い鳥症候群」を観た影響なのか、違う意味での悲しさを感じられますね。

 

6.「finale」(作詞:hyde 作曲:tetsu)

 

両A面シングルとして発売された19thシングルのうちの1曲です。映画「リングバースデー」の主題歌になったことから歌詞は「もしも、貞子が恋人だったら」という感じで書かれたとのことで、貞子へのラブソングですね。曲の方は全体的にストリングスが目立ったホラーでおどろおどろしい曲調ですがなんと作曲したのはてっちゃん。個人的には退廃的な「死の灰」以上のこのダークさにはかなりの衝撃がありました。完全にいつもとは違うてっちゃんの一面をご堪能ください。

 

7.「STAY AWAY」(作詞:hyde 作曲:tetsu)

 

20thシングル。トップレベルにベースが暴れ回る疾走感のあるナンバーで、ライブの定番曲。「GLAY」と「サザン」と発売週が被り2000年の中でも特にチャートが盛り上がった印象があります。歌詞は「自由になる為に規則をぶち壊せ」みたいな感じで捉えており、同時に「貴方たちは規則に疑わずに生きてくんですね、可哀相な人間達」といった皮肉な意味も感じてきます。てっちゃんが「bravery」で過去一の皮肉を炸裂しましたが、hydeさんも「Peeping Tom」、「HEAVEN'S DRIVE」で警告してたのに何も変わらないという現状に、さらにもう一歩踏み込んだキレキレさを綴っていますね。

 

この曲の一番のポイントは「踊るラルク」。ダンスは合成だがあの息ピッタリなダンスを踊るメンバーのMVは斬新だった。最近、セカオワの新曲「Habit」でメンバーが踊るMVが話題になっているが、この映像をめざましテレビかなんかで観て真っ先にこの「踊るラルク」を思い出した。「学校」や「学生服」といったMVの世界観も同じなのでそれが余計に。

 

8.「ROUTE 666」(作詞:hyde 作曲:hyde)

 

この疾走感があるサウンド、”アメリカ版 Driver's High"といえば分かりやすいですね。洋楽のカラッとした感じが好きな方や洋楽ファンには是非とも聴いて欲しいナンバーです。今思えばHYDEソロの「666」以降の音楽性の片鱗が映っているようにも思えます。サビを中心にキャッチーなメロディラインや意外にもAメロやBメロでは大人しいと思えばやっぱりサビで暴れてソロまで披露しちゃうベース、疾走感を出すのには欠かせないオルガンなど仕掛けが沢山あるのでそういった要素を探してみるのも楽しいかもです。気になった方はバンドスコアを買うのもおすすめですね。公式なので完璧に採譜されています。

 

9.「TIME SLIP」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

「虹」以来、CHOKKAKUさんが参加している曲。この曲もkenちゃんのかなり久々な明るい曲となります。木琴やカリンバ、サビではストリングスといったカラフルな音色がバンドサウンドに厚みをつけており、どこかに懐かしさと暖かい優しさを感じられますね。この曲が好きなファンも多いように感じます。歌詞はhydeが昔の友達と再会した時の出来事を歌詞にしたとのこと。個人的にはサスケの「青いベンチ」と共に、同窓会で流してみたい1曲だったりします。この曲も「MMXX」で久々に披露されましたね。

 

10.「a silent letter」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

一変してkenちゃんの過去一暗い曲が登場。ゲームとかのバッドエンドとか鬱エンドにかかってもおかしくないぐらい、ひたすら暗くて永遠と続く闇の中、ですが儚さも感じられるというあまりに濃すぎる世界観に酔いしれますね。前半はパッドの集団が空間を作る中、hyde様とkenちゃんのギターのみで進行、2番以降バンドサウンドが合流します。途中のコーラスとチューブラーベルが入ってくるところが最高潮に悲壮感を感じられます。歌詞は死んでしまった彼女へ向けての手紙だと読んでいます。バラードと聞かれるとひと味違う、スローテンポの曲です。

 

11.「ALL YEAR AROUND FALLING IN LOVE」(作詞:hyde 作曲:hyde)

 

重い濃い楽曲が続きに続いた中、最後は暖かさを感じられる曲でフィナーレ。「flower」を思い出せるストレートなラブソングであり、個人的には「flower」のカップルの続編説という考察をしています。6弦ベースと4弦ベースの掛け合い、安心感を感じさせるシンセパッドと輝くシーケンスサウンドが鮮やかに曲を舞っている。個人的には春の桜が舞う情景が浮かびますね。それこそ卒業式。この曲も2020年の「MMXX」で久々に披露されたのだが、好きな曲なので胸が熱くなりました。正直「風に消えないで」よりも個人的には胸が熱くなりました。

 

 

こんな感じで一通り書いてみましたが、いかがだったでしょうか。全体的に喜怒哀楽のなかの怒と哀にスポットがあてられている印象でした。これは、先ほど書いた、この時期のメンバーのピリピリ感も伝わってきたりします。実際、この後、2001年にシングル1作とベストアルバムをだしてラルクは活動休止するのですが2001年に発表された曲は2曲共hyde曲ということもあり、当時、ファンもこの状況に気づきつつもどうすればいいのか分からなかったと思います。しかしながら、ファンの中では名盤との呼び声が高く、ラルクのロックを聴きたい!という方は是非とも聴いて欲しいと思います。

 

 

次回は2003年に出されたアルバム「C/W BEST」のレビューの方をやろうと思います。よろしくお願いします!!それでは♪