「ark/L'Arc〜en〜Ciel」レビュー | brilliant-memoriesのブログ

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ドエルさんでもあり、V系好きのギャ男でもあり、60〜00年代の音楽好きでもある私がお送りするこのブログ。アルバムレビューや自作曲の発表、日常、ブログなどいろんなことをします!

さて、今回はどっちからレビューしようか迷った結果「ark」からレビューすることにしました。時は1999年。人気絶頂期に”アルバム2枚同時発売”という速報は当時の日本(特に音楽好き)にはたまらないニュースだったと思いますし、この2つのアルバムがきっかけでラルクの知ったり、ファンになったよという人も多いと思います。そして意外な発見ですが今作から収録曲が10曲から11曲になっています。SNSや掲示板を見ると当時の中高生は「GLAY派、ラルク派」でクラスの話題は賑わっていたらしいし、正直めっちゃうらやましいです。

 

(この前まで高校生だった私の周りでは「Tiktokで流行った音楽とか、K-POPの話題」が多かった印象。あとはKing Gnuとかだったかな?。ラルクの話題ではシングル曲やアニソンタイアップ曲で盛り上がれる友達が2人ぐらいしかいなかった印象でした。)”大学にはラルクファンいますように...”と密かに願いながら行ってみましょう。

 

アルバム「ark」のポイント

 

・ダブルミリオン越えでラルクで1番売れたアルバム。この作品は「ray」と比べるとポップ寄りな作品であり、聴きやすいということから2作の中で売り上げが高かった理由なのではないかと考察しています。正直話、ポップな音楽のアルバムの方が聴きやすいということは24年経った今でも変わらないと思います。(まぁポップな曲が異常なまでに増えている気がするし、だからこそふれあう機会が多くなったからなのかなとも思う。)

 

・「ark」とは箱船という意味。このアルバムの2曲目「HEAVEN'S DRIVE」の歌詞から取られたとのことで、kenちゃんが付けたらしいです。

 

・ポイントはいろんなジャンルの曲が入ってるということです。感覚的にはコンセプトというよりはオムニバスって感じ。そして、ポップな曲が多い...ということはてっちゃんの曲がいっぱい入ってるって事です♪、アルバムの半分である5曲収録されています。後は4人全員の曲が収録されているとのことですが、シングル「snow drop」を買わなかった人は、ここでゆっきーの曲を初めて聴く事になると思います。どうだったしょうか。私は"「この世界観は一体...」”って思いました。本当にゆっきーの曲って独特なんですよね。

 

それでは収録曲の方へ行ってみましょう。

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青→シングル曲 黒→アルバム曲)

 

1.「forbidden lover」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

1曲目は14thシングルにもなったkenちゃんの壮大すぎるダークな曲から壮大に幕開けです。「禁じられた恋」がテーマということで、1音1音が重い感じがしますよね。マーチングビートを基準にしてズッシリと突き進むサウンド、響き渡るストリングスや凍えるようなシンセベルが彩りを添え、間奏以降では合わせシンバルやティンパニが盛り上げています。自分の中では「学校に行こう!」の人気コーナーでの「東京ラブストーリー」でマサーシーがボートをこぎながらこの曲を熱唱してたのを思い出しました。すごく面白いです。確かに一応あれも「禁じられた恋」だもんね(笑)

 

マサーシー

 

2.「HEAVEN’S DRIVE(作詞:hyde 作曲:hyde)

 

歌詞のワードがこのアルバムのタイトルにもなった15thシングル。面白い点はイントロ→Aメロ以外の箇所全てで転調しておりHYDE様の特徴が現れています。ロックンロールなAメロとキャッチーなサビが交互に切り替わるのが印象的です。この曲の主役はベースです。終始ベースが暴れ回っています。ライブだと更にテンポアップするのですが、暴れ回るベースラインを弾きながらコーラスもやっちゃうてっちゃんがただ、凄いです。

 

1999年の紅白歌合戦でもこの曲が歌われたのですが凄い歌詞が端折られてました。やっぱりあの部分がNHK的に駄目のだったのかな...マスコミを皮肉ったこの歌詞は今の時代にも通じると思います。後ほど登場する楽曲でもてっちゃんがマスコミを皮肉りますがこれでも何も変わらなかったから「REAL」のとある2曲では...

 

3.「Driver's High」(作詞:hyde 作曲:tetsu)

 

アニメ「GTO」の主題歌でお馴染み。17thシングルとしてリカットされました。突き抜けるような爽快感を持ち、突き抜ける楽曲で、ファンからの人気もかなり高いです。「GTO」はアニメも漫画もドラマも全部見ましたが、個人的には98年の反町版とアニメが今でも観るくらい好きなんですよね。OPのモノグロな映像が凄い印象的でした。ライブでは定番曲で「Clash!」や「Flash!」とみんなでコールしながらジャンプするのが、もう最高なのですよ。歌詞は特攻隊の歌という都市伝説がありますが(っていってもほぼほぼ事実)、それを思わせない程のこの爽快感!!。いつか高速でこの曲を流してMVみたいに爆走してみたいですね。やり過ぎると確実にスピード違反しそうですが(汗)。

 

アニメGTO OP

 

4.「Cradle」(作詞:hyde 作曲:yukihiro)

 

皆さんはこの曲を聴いた時、どう思いましたか?。凄く不思議な世界観の曲ですよね。沢山のシンセを操るゆっきーワールドって感じをこの曲で知りました。この曲がさらにラルクの楽曲の幅を広げたと自分は思っています。歌詞も幻想的。「眠りによせて」ではお昼寝にピッタリと書きましたがこの曲は、夜の深い眠りの香りがします。出だしのスクラッチ音やオルガンとシンセピアノが生み出す浮遊感。個人的にサビのシーケンス音の正体を探るべくバンドスコアを見たところ、「TB-303」というROLANDのシンセサイザーを使用しているようです。そこに内蔵されているシンセベースの高音がシーケンス音の正体でした。スッキリしました。去年の30周年ツアーの1講演のみで演奏されたらしい。完全に激レア枠ですね、生で聴けた人がうらやましいです。

 

TB303

 

5.「DIVE TO BULE(作詞:hyde 作曲:tetsu)

 

9thシングル。てっちゃんカラー全開の大空を思わせるような透き通った明るい曲調が特徴のナンバー。サビのメロディラインの浸透力はトップレベルだと思います。爽やかなシンセパッドを始めとしたシンセ達の風に吹かれる中、駆け出すバンドサウンド達、どこか懐かしい感じもするディレイを掛けたギター、動き回るベース、しっかりと支えつつも小技を使いアピールするドラムが勢揃いした楽曲です。

 

自分、最初この歌詞が「飛び降り自殺」の事だと思ったのですが、調べたところ「自殺の歌」、「応援歌」、「転生」といった色んな解釈があるようです。歌詞の世界って深いですよね。「100人が聴くと100人別々の世界を想像する」というのはまさにこのことだと思います。MVに映る女装したてっちゃんは(個人的には)必見!。この前、友達と遊んだとき、友達が「俺、”DIVE TO BULE”しか聴いたことないけどあの曲好き」と言っていて、嬉しかったです。

 

6.「Larva」(作曲:yukihiro)

 

ゆっきーが次の曲「Butterfly’s Sleep」のバックに使われたタブラをサンプリングしたフレーズを気に入ったkenちゃんが「Youこれでもう一個作っちゃいなよ!」とアドバイスしたことで、生まれた曲です。蝶になる前の「幼虫」がテーマということで、次の曲とセットで聴くとより世界観に浸かれる。最近話題になったイントロを飛ばしてしまう人は非常に勿体ない事してる気がします...

 

7.「Butterfly’s Sleep」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

「Larva」から間を入れずに、現れたのは美しい蝶の羽を思わせるような激しいストリングスと激しいバンドサウンドがぶつかり合う歪でダークな楽曲。なんとなくだが「DUNE」や「Tierra」の攻撃的な楽曲達を思い出すような妖しげな曲調ですね。オルゴールやパイプシンセがダークな世界を色づけている印象です。。歌詞は「結ばれない燃ゆる恋」を歌っているが「その寝顔を静かに見つめた」という歌詞からおそらく恋心を抱いていた相手は死んでしまったのではないと予想。うーん解釈が難しい。そういえば、12枚目のアルバムのタイトル「BUTTERFLY」ってなにかこの曲に関係あったりするのでしょうか?

 

8.「Parfect Blue」(作詞:tetsu 作曲:tetsu)

 

てっちゃん作詞作曲のハワイアンを思わせるような爽やかなサウンドが特徴。なんですが、歌詞は「ルールを守らない悪質なファン」を批判している。ところどころに隠喩があるがわかりやすい。だからこそ、「プライベートまで追っかけてくるファン」や「一緒に撮った写真を週刊誌に渡して金をもらうファン(実話らしいです)」に対して静かに激しく燃えるような怒りが伝わってきます。それはまるで私たちやワイキキビーチを照らす”太陽”のように...

 

この曲、ラルクのライブでは長らく披露されてませんが、てっちゃんのバースデーライブで披露ました。自分も客席にいたのですが突然のお披露目にビックリした記憶がします。

 

9.「真実と幻想と」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

緊張感が漂うイントロから深くミステリアスな世界に誘われるナンバー。ピアノの3音だけでここまで緊張感を生み出せるのは一つの楽器の音に秘められた表現の幅を実感することができますね。ニュース番組のオープニングに流れたら凄い合いそうです。歌詞は詩人の葛藤についてかたられているが作詞家も勿論含まれてると思われます。それは勿論hyde様自身のことかもしれないですが「肌を刻む」ということは過去の経験の歌詞の事だと読み取っている、なので個人的にはこの歌詞を読んで曲を通して思いを社会に訴えた、若者のカリスマと言われた「尾崎豊」を思い浮かべました。皆様はどの詩人を思い浮かましたか。

 

10.「What is love」(作詞:hyde 作曲:tetsu)

 

同性愛をテーマにした切なさと「本物の愛」を知りたいという葛藤を綴った意外な歌詞が特徴。雲に包まれたようなシンセパッドの浮遊感、サビの突き抜けるような確実に耳に残るメロディラインが凄く夏の夕暮れの空にピッタリですね。Bメロに入る可愛いピアノの高音も好き。この情景を例えるならマリオカート7のコース「ウーフーアイランド2」の最後の空を飛ぶ映像を思い浮かべて欲しいです。てっちゃんのバースデーライブで披露された際には、イントロの「デーン」で、会場に動揺が走っていたのが印象的。自分も客席でひたすら空いた口を両手で押さえながら出だしのサビを聴いていました。

 

 

11.「Pieces(ark mix)(作詞:hyde 作曲:tetsu)

 

16thシングル。てっちゃんが「あなた」を越える曲を作るって言って制作されたナンバーでライブの最後の曲は「あなた」と入れ替えでラストに演奏される事が多いです。この曲もストリングスを中心に壮大な世界観を作り出しているが「あなた」は完全にオーケストラでしたが、こちらはオルガンやヒューマンシンセパッドなどが取り入れられているのがポイント。系統は壮大な感動系のバラードだけど、意外とそのような点で変化を見つけるのも面白いですね。

 

また、この曲のメロディラインは胸を打つような儚さが特徴なのですが、特にサビが半端ないです。サビに入ると楽曲自体が転調するのですが、「F→G→Em→Am」と続く中、「私の欠片よ」の「の」の部分が「G」のコードの中をD→C♯へ半音さがっていくのが大きな理由ですね。

 

MVは100年の時を超えた「ナイフの呪い」をテーマにしたストーリーが展開されていくのですが、凄く泣けるんだこれが。YoutubeでMVが見れるので是非見て欲しいです。シングルとの違いはラスサビ前のストリングスが途切れているかいないかの違いなのですが、ライブ映像を見過ぎた私はmixバージョンの方が好きと胸を張って言います。

 

 

という感じで一通りレビューしてきましたが、1枚のアルバムで色々な種類の曲が楽しめるのがこのアルバムのポイントだと思います。そして、ゆっきーの曲が異彩を放っていてすぐにハマりました。このアルバムを聴く場合はぜひ、ray」と一緒にお聴きください。全盛期のラルクを堪能するにはぴったりな2枚組です。実際「ray」を含め22曲がバラバラに収録されているのですが、どっちが「これは逆じゃないのか?」と思った曲もあると思います。私も数曲そう思った曲がありました。それらは次の「ray」レビューの総評の際に触れていこうと思います。

 

というわけでお疲れ様でした。お疲れ様でした。ここまで読んでくださりありがとうございます。近いうちに「ray」のレビューもしますのでそちらもどうかよろしくお願いします。

 

 
それでは♪