「HEART/L'Arc〜en〜Ciel」レビュー | brilliant-memoriesのブログ

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日常で起きたことや、趣味、自作曲の発表、アルバムレビューとかできたらいいなと思います。

ここからは中期ラルクに入っていきます。sakuraが抜けてゆっきーが加入した現体制でリリースされたアルバム、「HEART」のレビューをして行こうと思います。1997年の半年に及ぶ活動休止を抜けて、虹を架けてファンの前に帰ってきたラルクの「ただいま」という言葉がこのアルバムの10曲に込められている気がします。そういえば、このアルバムだけなぜかバンドスコアが2種類発売されているんですよね。ドレミとソニーで。自分は今はドレミしか持ってませんが、いつかソニーのバンドスコアも購入して比べてみようと思います(4000円代となかなかのお値段だけどね。バイトしなきゃ汗...尚、現在は中古で6000千円代です、ゑ?)。

 

アルバム「HEART」のポイント

 

・前作の「Trueと比べるとロック色が強くなった印象。また、休止期間中に海外にリフレッシュしに行ってたのもあって、洋楽の香りもこれまで以上に感じられます。これは今作で5曲の作曲を担当したkenちゃんの楽曲によく現れていて、これまでのポップなカラーが消滅し、ダークな楽曲を多く手掛けるようになりました。今作以降、2000年の「NEO UNIVERSE」までkenちゃんのポップな新曲は聴けなくなってしまいます。

 

・このアルバム名は「子供の頃からいろんなイメージがあるから」や「心のことを歌っている」などとhyde様のコメントがwikiに載っていたが、全アルバムの中で一番難解かもしれません。

 

・sakuraとゆっきーのドラムってよく「こっちの方がいい」って比べられてる印象があります。自分は「shibuya7days」の数ヶ月後に産まれて、ラルクに興味をもったのも、もちろん現体制だったから、この曲はゆっきー、この曲はsakuraって聴く事ができたのですが、どやはり前から応援していたファンからしたら、すごく複雑な心境だったのかもしれないですね。自分が思う感じにsakuraのドラムは音が重く、複雑なタム回しやシンバルの叩き方などにジャズっぽさがある、ゆっきーのドラムは音はシャープにだれど音の種類が多かったり、機械的なフレーズが多い印象。そんな違いを味わって聴いています。(二人が談笑している写真をtwitterで見かけてウルッを通り越して号泣したのは秘密で。)

 

さて、結構長く語ってしまいましたが、レビューのほうに行ってみましょう。

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青→シングル曲 黒→アルバム曲)

 

1.「LORELEY」(作詞:hyde 作曲:hyde)

 

モンストをやっていた自分は、「ローレライ?人魚のことかなぁ?」と予想していましたが、実際はドイツのライン川のローレライ伝説にまつわる岩が元になったらしいです。hyde様のサックスが一番の聴き所だが、耳を澄ませばハープの音やピアノの音などの音が川の流れの雰囲気を表現しているように思える。しかし、自分がこの曲を初めて聴いたときに浮かんだのは、「湖の上を小舟に乗って深い霧の中を漂っていたら、大きな沈没船が現れた。」っていう映像で、この曲を聴くたびにこの映像が頭から離れない。そして、今もその映像のどこかに人魚を探してしまう。

 

2.「Winter fall」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

8thシングル。疾走感のあるバンドサウンドにストリングスとブラス隊が絡み合うナンバー。「ラルクリ」で一発目に来たときは鳥肌が立ちました。この曲意外ってなのがkenちゃんは真逆の夏をイメージして書いたところです。それなのに真っ白な銀世界を想像できちゃうラルクの表現力の高さを全身で感じることができます。ゆっきーがプログラミングとしてクレジットされているんだけど、打ち込みがほぼ無いこの曲のどこをやっているんだ?って思いながら聴きまくった記憶。おそらくAメロでうっすら聴こえる、ブレイクビーツの部分なのではないかと予想してます。また、これは色んな人が考察しており有名な説ではあるが、この歌詞の「君」はsakuraなのでは?と言われています。そうなると、ラスサビの「僕は無くした面影探してしまうけど」って...

 

3.「Singin’ in the Rain」(作詞:hyde 作曲:hyde)

 

雨粒のようなピアノの音色が彩るジャズソング。雨の日の午後に表参道のおしゃれなカフェにて、窓越しの雨粒を見ながら聴きたいですね。ちなみに自分の体は雨の日の午前はGLAYの「RAIN」、雨の日の夕方にはムックの「雨のオーケストラ」、雨の日の夜はXの「Endless Rain」を聴きたくなります。ちなみにこの前ピアノでこの曲を弾いてみたら非常に気持ちよかったです。でも裏で流れているシェイカーが最高。イメージは叩きつける雨じゃなくて降り続く雨の方なんですよね。

 

この曲こそ、大学の学費に貯めてたお金を出したせいで行くことが叶わなかった、2022年の「L'Arc〜en〜Ciel 30th L'Anniversary LIVE」のハイライト。24年ぶりに再披露されたこの楽曲。始まる前のHYDEさん様が傘を出した瞬間に響き渡るファンの動揺が鳥肌でした。行きたかった...。当時TLでこの曲のこと「新銀座」って呟いてた人が居たのがツボりました。

 

4.「Shout at the Devil」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

この楽曲もライブのド定番。一発取りで録られた曲で、4年のせめぎ合いを聴ける攻撃力と破壊力が抜群の盛り上がる楽曲です。ライブだとさらに威力を増します。この曲の歌詞は「”人間を生み出しまくるくせに、なにもしてくれないじゃん。この無責任!”」と神に対して訴えてる歌詞が特徴です。ここで前作の「Round and Round」の存在を思い出してください。こちらの曲は神目線で「痛みを知らない大人は嫌い」と皮肉っていたが、自分はその”大人”が神に対して「おめぇもだよ」と皮肉ってるのではないかと思ってたりします。

 

5.「虹(album ver)(作詞:hyde 作曲:ken)

 

7thシングル。出ました。ラルクを語るにはこの曲なしでは語れませんね。メンバーにとっても、ラルクのメンバーにとっても、とても大切な1曲です。「7枚目」、「虹」、「ラルク」。アメトークでは「突然の活動休止で心に雨が降っていたファンに虹を架けてくれた」とファンが一度は思ったであろうことをすべて話してくれました。映画「るろ剣」の主題歌にもなったけどこのような深い背景があるからこそ、この曲を”アニソン”として捉えるのは違う気がするな...。また注目すべき点としてCHOKKAKUさんがアレンジに参加してることです。自分の中ではジャニーズの編曲家としての印象が強いです。シングルバージョンとの違いは間奏の語りがはっきり聞こえるかどうかなんだけど、聞こえにくいからこそ、虹の透けてる感を感じ取れる自分はシングル版の方が好きですね。

 

6.「birth!」(作詞:hyde 作曲:hyde)

 

「誕生!」。この記事の頭の方にこのアルバムにはラルクの「ただいま」って言葉が込められていると書いたが、「虹」と並んでこの曲にもその想いが大きく現れていると歌詞を読んでみると分かりますね。ロックサウンドにポップなシンセがのっかるHYDE様の楽曲です。サビの「Reauilze」を連呼してる部分が凄く好き。曲の方はなんとなくだけど、マリオカートで流れてそうな感じがしました。特にギターとシンセが重なってるところとか、ノリの良いドラムとか。なんとなくだけど、8の「エレクトロドリーム」辺りで流れてても違和感ないかも。(笑)

 

 

7.「Promised Land」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

ネジが狂ったように狂いながら突き進むダークなナンバーで自分もかなり好きな楽曲です。かなり退廃的な世界観が広がっており、エフェクターを使ったギターの音色やメロトロンなどが取り入れられたりと、どこか宗教観も漂います。ゲストに「Devil's Voice」として木村 匡也さんが参加しており、ナレーションを披露しております。尚、木村さんは「ポケモンサンデー」や「めちゃイケ」、「格付けチェック」のナレーションをしているのでかなり木村さんのナレーションを聴いた人も多いのではないでしょうか。ライブになるとテンポアップして凶暴な世界観に変貌します。長らく披露されていないので、聴きたいですね。

 

8.「fate」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

kenちゃんのダークな楽曲が続きます。バックで流れているブレイクビーツやサビのシンセストリングスが曲の浮遊感を演出しています。このことから初期の耽美な雰囲気も感じられ、個人的に初期と中期のラルクの音楽性が融合したような世界観という印象があります。さらにAメロの「キーン」というギター音が格好いいですね。歌詞は「嘘」なのかが分からない疑心暗鬼状態に陥る主人公が描かれています。ちなみに、バンドスコアにはブレイクビーツも楽譜が丁寧に採譜されていました。

 

9.「milky way」(作詞:tetsu 作曲:tetsu)

 

てっちゃんが初めて作詞を担当した楽曲。hydeの歌詞がうみ出す幻想的な世界観とは違って、アイドルみたいな明るく、キラキラした恋心を感じさせる歌詞が特徴です。となると世界観もアイドルみたいな「Blame」のような可愛いシンセ音とか入ってるんだろうなと思ったらこれまた意外でアコギを中心としたバンドサウンドであり、シンセが一つも使われてないのも驚き。この曲の虜になった方は、是非是非てっちゃんのソロアルバムも聴いてみて欲しいです。

 

10.「あなた」(作詞:hyde 作曲:tetsu)

 

さてさてやって参りました。今作のフィナーレを飾るのはほとんどのライブでは毎回ラストで演奏されて、ラスサビをファンがみんなで合唱するバラード曲。ライブビデオを観ると泣きながら歌っているファンが映るのも印象的です。会場でも画面越しでも本当に泣けます。ストリングスを中心にオーケストラが輝いた壮大な世界観を創り出していて美しさが感動的な気持ちにさせます。元々はこの曲のタイトルを「milky way」にする予定だったらしいが、たしかにそう考えてみると、ギターのアルペジオやチェンバロなどの音色が、キラキラした星が輝く天の川を画がスっと、浮かびますね。またいつかこの曲を会場で合唱をする日が訪れますように...

 

 

という感じでレビューしてきましたが中期ラルクの始まりの作品でもあり、音楽性も更に広がった印象があります。この年にラルクはヒット曲を連発し国民的人気バンドになるのですが、それはこのアルバムを一通り聴けば分かるようにそれぞれのメンバーがそれぞれの思うような曲を自由に作れるからだと思います。今でもライブで頻繁に演奏されている曲が多かったりするのでおすすめです。というわけでお疲れ様でした。お疲れ様でした。今まで以上に長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございます。

 
 
それでは♪(そういえば、次回どっちからレビューしよう。。。)