トランプ大統領の政策が、アメリカの大学における留学生に対して大きな影響を与えています。実際に30年前留学生だった自分は、現在の留学生たちの状況が想像できないだけでなく、アメリカの大学のありかたも心配になってしまいます。
今年5月にトランプ政権はハーバード大学に対し、連邦政府からの30億ドルの研究助成金の凍結を発表しました。これは、同大学が留学生の名簿提出を拒否し、政府の要求に応じなかったことや反ユダヤ主義への対応が不十分であるとされたことが理由とされています。さらに、リベラルな思想を持つ教授陣の雇用を続けていることも問題視されました。
もちろん大学側も黙ってはいません。ハーバード大学は、これらの措置が憲法違反であり、大学の学問の自由を侵害するものであるとして、トランプ政権を提訴しました。また、大学の財政への影響を最小限に抑えるため、学長の給与削減や資金調達の強化などの対策を講じています。
ハーバード大学以外にも、コロンビア大学やペンシルベニア大学などが、トランプ政権の政策により助成金の削減や監視の強化の対象となっています。
トランプ政権は、NASAの科学部門予算を約50%、国立科学財団(NSF)の予算を56%削減するなど、主要な研究機関への資金提供も大幅に減少させました。これにより、多くの研究プロジェクトが中断や延期を余儀なくされています。
3月にNature誌が実施した調査によると、アメリカ在住の科学者のうち約75%が国外での職を検討していると回答しました。特に、博士課程の学生やポスドクなどの若手研究者ではその傾向が強く、約80%が移住を考えているそうです。このような状況下では当たり前ですよね。
アメリカは移民の国です。労働者はもちろんですが、30年前のその時でさえ、海外からの研究者をたくさん受け入れ、各分野で研究が進み、その分野の研究者たちがアメリカや自国に帰って活躍をしました。30年前に流行っていたのがTelecommunicationです。今で言うところのITですね。この分野がものすごい勢いで発展したのはもちろんアメリカの功績も大きいですが、アメリカで最先端の研究を行った世界中の研究者やビジネスマンのおかげだと思います。
トランプ大統領の政策によって、今のアメリカは長年築いてきた科学研究のリーダーシップを失う危機に直面していると思います。研究者の国外流出は、イノベーションの停滞や経済成長の鈍化など、広範囲な影響を及ぼしています。結局アメリカとしてはメリットよりデメリットの方が多いのではないでしょうか。




