正確にはロッドでジグの重さを受け止めてタメて曲げ込んで、そこから上方にパワーを掛けてやる(^^)
このパワーを掛けるタイミングはロッドに最も負荷が掛かった状態が効率的なタイミングなんです。
ジグの重さと落下する力のベクトルがシッカリとロッドに乗っているタイミングにほんの少し、上げのパワーを掛けてやるだけで充分。
このロッドに、最大限のパワーが掛かっている時、ロッドとラインの角度は90度が理想的。
船に乗っていると船の揺れや波のうねりでこの角度が意図せずに変わってしまう事もあります。
ロッドエンドを脇に抱え込んで、シャくると楽ですが、前述の様に角度を最適にしてしゃくりたい訳ですからロッドエンドを肘に当ててロッドを持つ様にすると、角度を自由に使えて、より効率的なタイミング、角度でジャークすることができる様になるんですね。
このロッドにパワーが掛かった状態で更に逆方向のパワーを掛けてやるのはフライキャスティングのホールと同様の原理です。
パワーの掛け方は急激では駄目です。
ロッドティップがバタつかない様にスムーズに、尚且つオートマチックミッションの様にパワーの出方が徐々に加速度がつく様にパワーを掛けてやらなければなりません。
パワーが掛かっている最中に、パワーの抜けや加速度が変化したりするのはジグの挙動に変化が付いてしまい、飛びが悪くなる原因になります。
これもフライキャスティングと同様ですね。
パワーがピークになったら、そこでロッドを止めてホールドします(^^)
このホールドする事が重要です。
キッチリと止める。
するとロッドは曲がり込み貯めたパワーを解放しようと復元し始めます。
このロッドが真っ直ぐに戻ろうとするパワーがジグに初動を与えるのです。
つまりロッドの反発がジグを動かす事になります。
アングラーはタイミングを合わせて、上方にパワーを掛けるだけ。
後はロッドに貯めたパワーがジグを飛ばすのです。
ここ大事。
力任せにシャくるのでは有りません。
タイミングと要所要所で堪えたり、止めたりすれば、後はロッド任せで良いのです。
スローピッチジャークで本当に使えるロッドが実はそう多くはないというのはこういった使い方をするためなんです。
反発の弱いロッドは加速度に負けてタメが効かない。
戻りのパワーが弱く、ジグを飛ばせない。
まだ、近海の浅い海域なら、それ程問題にはならなくても、狙う水深が深くなればなるほど、ラインの受ける抵抗でモアパワーが要求されます。
ロッドが戻ってくれないから、余計に腕でフォロースルーを入れてやらないと使えないとかはアングラーの負担ばかりが増えて、釣りに集中出来なくなります。
このジャークができる様になると、楽に簡単に釣りができる様になります!
つまり、ジグを加速度的にスムーズな初動とフリーな飛び、そしてギクシャクしないフォールへと繋がっていきます。
この一連の流れはワンピッチジャークでも同様、1番釣れるジャークだと思います。
必要以上のパワーをジグに入力しない事がギクシャクしないポイント。
スローピッチジャークはロッドがジグを動かすので、ジグが重くなったら、ロッドを合わせていく事で同様の動きを再現できます。
逆にジグを替えずにロッドだけ変えれば、より激しいアクションをジグに与えたり、逆におとなし目のアクションに控えたりも可能になるわけです。
ジグとロッドの組み合わせはタックルの数だけあるわけで、スロー系アングラーが船に沢山のロッドを持ち込むのはこの為です。
また、スローピッチの利点として、ロッドがジグを飛ばす事でいつものタックルでも、その日の潮で軽く、或いは重く感じる事も有ります。
その原因は潮が効いている、二枚潮などが要因です。
人間の手の感覚は当てにならないものです。
ロッドがジグを飛ばす事で海の中の様子が分かりやすいのもスローピッチの利点だと思います。