となりの五兄弟☆20 | step and go☆嵐が大好き✩.*˚羽生結弦くん応援!

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現在は主に、羽生くんの事、嵐さんの空想のお話を掲載しております。
(過去の嵐さんの空想のお話は、『Angelique』を再掲中です。他のお話については検討中です。申し訳ありませんが、ご容赦くださいませ)


おひさまの光もうららかに、少しづつ春が近づいてきた今日この頃。



 ここは、小さな商店街からほど近い、下町に暮らす五兄弟たちのマンションです。


「ただいま~!」


「ただいま!」


「よっこいしょっと、たでーま」


幼稚園から戻った末の双子のにぃのとじゅーん、長男のさとの元気な声が、順番に玄関に響きます。


「みんな、おかえりぃ~!
俺今日は午後休講になったからさ、結構早目に帰ってきてたの。って、どしたの?その荷物」


リスの如くピュッと走って玄関に出迎えたのは、次男で大学生のしょぉ。まるでどんぐりでも落としたかのように、真ん丸な瞳で首を傾げてキョトンとしています。

さとがよっこいしょっと言いながら置いた荷物は、大小色とりどりの紙袋で、ひいふう、20袋以上はありそう。狭い玄関のスペースは、もういっぱいになってひしめいています。


「これさ、全部にぃのとじゅーんのやつよ。
大きい紙袋にまとめたりしたんだけどな。ハー、こんだけ数あるとかさばったわ〜」


自由になった手で、肩を軽くトントン、とするさと。


「さとちゃんのもありますよ?」


「そぉだよ、おにいさんにどうぞ、ってされたもん!」


「ね〜」


「ね~」


くすくす甘えて、しょぉの脚の、右と左からきゅっとしがみつく、にぃのとじゅーん。


「へぇ~、何頂いたのかな?」


しょぉが、細いのにマッチョな両腕で双子をうんしょと持ち上げると、キャッキャと歓声が上がります。
双子のつやつやマシュマロほっぺが、しょぉのほっぺにムニっとくっつくと、しょぉのお顔も、もっとふんわりやんわり、もうとろけそうです。


「あー、確かにちょこっとおいらのもあるけどな。そうそう、しょぉくんのもあるよ」


「えっ、俺に?何?…ってもしかしてだけど今日の…」


「そうそう」


「ばれんたいんだから、っていっぱいどうぞされました」


「うふふっ、ぜぇ~~んぶちょこれいと~」


「うわ、これ全部?すっごいねぇ…。ていうか幼稚園児の時点でこの量って」


些か引き気味のしょぉですが、実は下町でひっそり評判の五兄弟。
それぞれ見目麗しいだけでなく、おじいちゃんやおばぁちゃんにも優しく、元気に挨拶したり、町内会の役割やゴミだしなどのルールもキチンとしているので、心までイケメンな五兄弟を、これからもすくすくと健やかに育って欲しいと、そおっと見守るファンが多いのです。


「…兄さん実はさ、さっきお隣から回覧板回ってきて、みんなで食べてってチョコも頂いた」


「ンはは、今年もだ」


「うん、なんか、気を遣わせてしまってるのかなって、申し訳ない気もするんだけどね」


「ありがてぇね~。はぁい、にぃのとじゅーん、家に着いたら?」


「てあらい!」


「うがい!」


「良く出来ました~」


外から戻ったら、手洗いとうがいのルーティン。
双子たちは幼稚園の制服も着替えて、空のお弁当箱と水筒をキッチンに持って来ると、おやつの時間です。

さて。
本日のテーブルの上に鎮座しますは、頂いたチョコレート。


「くんくん、あま~いにおい!」


「ちょこれいとのいいにおいですねぇ」


チョコの包のお山の前に、うっとりしているにぃのとじゅーん。これだけあると、まるでチョコレートの工場みたいにカカオの甘~い香りでいっぱいです。
さらに、


「実はさ、俺も大学で貰ったんだけど」


しょぉがリュックから5つほど取り出すと、


「あ、そういえばおいらもアトリエのお客さんとか商店街で貰ってる」


さとも、部屋から大きな包みを重ねて持って来て、
テーブルの上は、ますますチョコレートでいっぱいになって、もう溢れてしまいそうです。


「たっだいまぁ~!」


ひときわ元気な子が、ランドセルを賑やかに鳴らして、つむじ風みたいにリビングに飛び込んで来ました。三男のまぁです。


「ねぇねぇ、家の中、めちゃくちゃ甘くていいにおいする~!
あっ!これなぁに??」


「ちょこれいとですよ」


「チョコレート?これ全部?さとちゃん、オレんち、チョコレート屋さんするの?」


まぁが真面目な顔で聞いてきたので、さとは


「そうだな、こんだけあったら店開けるな」


笑って言いました。
と、


『ピンポーン』


インターホンが鳴りました。


「あ、俺出るね。…は〜い」


しょぉがインターホンに出て、


「オレ手洗ってうがいしてこよっと」


まぁはまた風のように洗面所へ。
しょぉはインターホンを切って、


「まぁ、同じクラスのお友達みたいだよ~」


まぁにリビングから声を掛けました。


「え、オレぇ?風間ポン?」


「話したのは女の子だけど。中入ってって言ったら、お邪魔になるので外でいいですって。すぐ帰りますって言ってたけど」


「女子?なんだろ?オレ忘れ物でもしたかな?」


まぁに続いて、好奇心旺盛な双子たちも玄関へ。
まぁがドアを開けると、外にはクラスの女の子たちがズラリといて、びっくりしました。


「え、なになに?」


「まぁくん、さっきのお兄さん?」


「さっき?ああ、しょぉちゃんのこと?」


「しょぉさんっていうんだ、すっごいイケメンだね」


一人の女の子の声に、みんなウンウンと頷いています。


「そうでしょ~、しょぉちゃん、カッコイイだけじゃなくて、頭もすごい良いんだよ~」


自慢の兄のことを褒められて、まぁも嬉しくなりました。
まぁの嬉しそうな声に、双子たちが後ろから、チラッと顔を覗かせると、


「まって、この子たちめっちゃ可愛い!」


「弟さん?」


まぁの脚にしがみついたまま、こくりと頷くにぃのとじゅーん。


「お名前は~?」


「じゅーんちゃん…」


「にぃのちゃんですよ」


「可愛すぎ~!」


「お兄さんも弟さんたちもカッコよすぎる!」


女の子たちが色めき立って、ざわざわとしています。
そのざわめきはリビングにも届いて、


「ン?なんかちっと、騒がしいな。双子連れてくるわ」


さとが玄関に向かいました。


「え?もう一人お兄さん?」


「あ、うん、さとちゃんだよ!」


「どぅも」


さとが会釈すると、キャー!と女の子の間から黄色い声が上がりました。


「にぃの、じゅーん、お話の邪魔になるから、お姉ちゃんたちにバイバイって」


「ばいばい」


「ばいば~い」


もみじのお手々をフリフリするにぃのとじゅーんに、


「バイバイ」


「またね~」


女の子たちも口々にそう言って手を振ってくれました。
さとたちがリビングに戻ると、程なくしてまぁも戻ってきました。


「あれ、もういいの?」


「うん。女子一同からだって」


まぁが紙袋から、白い箱を取り出しました。
蓋を開けると、


「あ、チョコレート」


「まぁちゃんも、ちょこれいと?」


「うん」


「わざわざ皆んなで持って来てくれたんだね」


「そうだね、女子って大変だね~
風間ポンはどんなの貰ってるかなぁ。明日聞いてみよっと。
あ、そうそう、女子たち、『まぁ君の兄弟、イケメン過ぎる』って言ってたよ~、くふふふっ♪」


チョコレートを貰ったことより、兄弟を褒めてもらったことの方が嬉しそうなまぁです。


さて、テーブルの上に山と積まれたチョコレート。


「……どうすっかなぁ。食いきれんのは誰かにあげる?」


「いや、バレンタインで頂いてるんだし、それはダメでしょ」


「だよなぁ…」


「でも、食べ切っちゃうんじゃない?
去年も最後は、ホットケーキに入れたり、溶かしてホットチョコレートにしたり、何だかんだ、美味しく頂いたもんね」


「きっと年々量が増えてくぞ」


「まぁもにぃのもじゅーんも、成長してけば食べる量も増えてくし、大丈夫だよ、ね?」


「うん!いっぱいたべるよ」


「ちょこれいとだいすき」


「にぃのちゃんは、、ちょっとだけたべます」


「ハハハッ、うんうん、みんなそれぞれで、ね」


「ン。じゃぁ、有難くいただきましょう!」


「は〜い!いっただきま〜す♪♪♪♪♪」





💙❤️💚💛💜