香りの記憶21☆櫻葉さんのお話 | step and go☆嵐が大好き✩.*˚羽生結弦くん応援!

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現在は主に、羽生くんの事、嵐さんの空想のお話を掲載しております。
(過去の嵐さんの空想のお話は、『Angelique』を再掲中です。他のお話については検討中です。申し訳ありませんが、ご容赦くださいませ)



─── ───『雅紀』


隣で手を繋いでたはずなのに、頭上からしょーちゃんの声がする…?

周りをキョロキョロと見渡すオレ。
あれ?ここ、どこだろ??

足元は砂地で、ゆらゆら波紋のような光が揺れる。
川?海?水の中みたい。
でも不思議と息苦しさや冷たさを感じない。

見上げた水面には、光が差して夢のようにキラキラと煌めいていた。



キレイ。
ほんとに夢みたいな光景

夢…

オレの中で消えそうになっていた夢が、再びハッキリと形を成す。
オレだけじゃない、沢山の人たちの想いも詰まった夢を。
そうだ。約束したんだ。


迷い、躊躇い、怯みながらも
それでも自分の今までを信じて。

約束の地を目指し、ひたむきに前に突き進むと。

光の射す方へ、手を伸ばす。
視界が光で満ちてゆく。
この圧倒的に煌めく強く眩しい白い光を、オレは良く知っていた。

あまりの眩しさにホワイトアウトする直前に、一瞬五人で見た景色が見えた。
そして、聴こえたんだよ。
音楽と、、地響きのような。お客さんで一杯のドームが揺れるような、あの……



「雅紀?
起きたね、おはよう」


「しょー、ちゃん…?」


チュンチュン、チチチ、と賑やかな鳥のさえずり。

朝の爽やかな光の中で、微笑んでオレを覗き込んでいるしょーちゃんと目が合った。


「ン?どした?なんで泣くの、どっか痛いのか?」


「ううん。あ、ホントだオレ泣いてるね。。
何だろ、夢見てたんだけど、、聴こえた」



「聴こえたって、何が」


「歓声が」


「歓声??」


何だったっけ、どんな夢だったんだろ。
分からないけど、胸の奥に火の玉みたいに燃える思いが確かにあって


「まだ、耳に残ってる。…夢見てたんだ、どんな夢かもう思い出せないけど。
でも、オレたちにものすごい沢山の人の歓声が‥。
ねぇしょーちゃん、、人の力って凄いねぇ」


「うん??うん。
よく分かんねぇけど、確かに人の力は凄いよね」


しょーちゃんは、昔からずっと、オレの言うことを肯定してくれる。
こんな、乱雑無章に過ぎないただの夢の断片さえも。


「ふふふっ」


オレが笑うと、ちょっぴり心配そうだったしょーちゃんも、ふんわり解けるように笑顔になる。


「ねぇねぇしょーちゃん、いつから起きてたの?」


「んー、雅紀が起きるちょっと前かな」


「起こしてくれて良かったのに」


「雅紀の寝顔をね、見ていたかったんだよ」


優しく唇を啄むようなキス。
柔らかな光の中微睡みながら、くしゃくしゃの温いシーツにまだくるまっていたいって思いつつも、しょーちゃんが大好きって気持ちがムクムク膨らんできて。

大好きで大好きで、嬉しくて!
歌い出しそうになるくらい胸が踊るんだよ♪


「しょぉちゃんっ、すっごかったねぇ♡」


チュッて音を立てて離れるや否や、クルッとしょーちゃんごと回転して、背中にオレの体重を預け、ガバッと抱きしめた。


「ぐげ」


しょーちゃんてば、潰れたカエルみたいに変な声を出しちゃって♡


「えへへ、だいすきぃ~♡」


しょーちゃんへの好きが溢れちゃって、キューって思いっ切り抱きついちゃう♪


「ぐぅ」


「えへへっ♡ふふふふっ」


大好き大好き大好き♡
うなじにいっぱいキスしちゃお


「げ…元気…だねぇ」


「だいすき♡しょぉちゃん♡ちゅーしよ」


「もうされてますう…」


「くちびるにしたいの♡」


「ン〜」


しょーちゃんが仰向けになって、


「よし、形勢逆転!」


今度はオレが転がされて、


「えー?なんでぇー?」


キャッキャ笑いながらコロコロ転がって、お互いキスの雨を降らせた。


「はー、おなかすいた!朝ご飯食べに行こ」


心も身体も愛で満たされたら、なんか急にお腹が空いてきた!


「へ?ごはん?」


しょーちゃんはキョトンと大きな目を見開いてる。


「しょーちゃん、お腹空いてないの?」


「いや、、そういえば空いてますけどね」


「じゃ、いこ!何があるかなぁ~♪」


しょーちゃんの手を取って立ち上がって、脱ぎ捨てられてた浴衣を羽織らせて、帯をくるんと巻いた。


「はい、カッコイイ♡」


「ありがと」


「朝ごはんはなぁにがあるかな~♪」


「やっぱシャケは外せないだろ、あと卵。どんな調理で出てくるかな?卵焼き、オムレツ、スクランブルエッグ?」


「あと、温泉卵も!」


「あー、良いねぇ」


話しながら、それぞれ顔を洗って身支度を整えた。


「ふわぁぁぁ」


しょーちゃんがでっかい欠伸をして、ウーン、て伸びをした。


背後の大きな窓の外に見える山は、朝の光を浴びて緑が鮮やかに映えている。


「良い天気だねぇ」


「ほんと」


「今日も一日がんばろうねッ♪」


「うん」


お互い手を合わせると、パチんと気持ちの良い音が鳴った。



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