家臣団が殿の周りを取り囲み、「ありがとう」と感謝や忠誠を口にする構図は、エヴァっぽいと言えば言える光景。
監督やっぱりエヴァのガチファンよね、オマージュっぷりが凄かったと思ったり。
ちなみに、エヴァでも主人公を身近な登場人物が囲む光景は最終回でした。
エヴァの主人公シンジくんは、それまで自分を卑下し続け否定し続けていた。
でも、最終回で「僕はこのままでいいんだ」と自分を肯定することが出来た。それはシンジくんの人格が、シンジくんの中で生まれ変わったと同じこと。
周りを取り囲んだ人々は、実はシンジくんと影響し合い、支えてくれた人たちでした。「おめでとう」のお祝いの言葉を受けるシンジくん。
そして、最終回でのセリフ。
「人の数だけ真実は存在する」
エヴァのテーマのひとつです。
この言葉は、どうする家康にとっても、根本の重要なテーマだったのでは?
徳川家康はタヌキ親父か、はたまた白うさぎか。
家康公は、ここから何百年と続く平和で安寧な日本・美しい江戸の町が作られることを知りません。
金色具足をつけてからのち、やりたくもない事ばかりをやって来て、最後はもう殺して欲しいくらい辛かった。(刀を構えず豊臣勢に向かった姿・また生き残ってしまいましたなぁという本多正信のセリフから推測)
家康公の行いに、報いが欲しい。
いや、報いてあげたい。
そんな想いからのラストシーンだったと思います。
瀬名との出会いのあたりから、子役ではなく潤くんでずっと演じてきた意味が分かりました。
ラストカット、
遠景に東京タワーが見えてビックリ!
前に増上寺にお参りに行った時の記事👇🏻
時空を超えて、現在の江戸の町。
スカイツリーではなく東京タワーでなければいけない意味もまた、ちゃんとあるのでした。
昨年11月に書いたこの記事👇🏻では、潤くんが家康公を演じると聞いて、東博に展示してあった刀剣、「大般若長光」を見て、家康公に思いを馳せました。
そして家康公から、家康公を演じる潤くんに繋がり👇🏻
Japonismのオープニングムービーを思い出していました。
多分六本木の東京シティビューに、足を運ぶ五人。
潤くんの堂々とした歩みがカッケェな。
そこに展示されている刀剣が、どうする家康の全ての話を一年かけて履修したわたしには、大般若長光に見えてくる😇
ムービーでは、刃の切っ先を上に向けている。
これもまた、意味があったのかも(通常ではあまり見ない展示の仕方をしているという、非現実感)
この刀に自分の姿を映した五人は、吸い込まれるように過去の(先祖か?)自分に逢いに行く。
そこではそれぞれが問いを受ける。
「お主は」
「何が見える?」
「何を守る?」
「どうじゃ。美しかろう」
このJaponismが2015年。今から約8年前の作品です。
オープニングムービーの問いかけが、2023年のどうする家康のラストカットにも繋がっている、と言い切って良いのでは?
潤くん演じる、いや、潤くんだからこその、どうする家康の家康公。
家康公が作ってくれた世界。その先に繋がっている未来の「今」。
そして、「今」を生きるわたしたちが、未来を、その先に生きる誰かの「今」を作ってゆく。
『僕らがつないでいく』。
「お主は」
「何が見える?」
「何を守る?」
「どうじゃ、美しかろう」
「良い町じゃろう、刀ではこの町は作れぬ」
いま一度、過去から問いかけられています。
あなたは、
「どうする?」
と。