民主主義の可能性について~「ヒーローを待っていても世界は変わらない」
すごく久しぶりの更新です。
誰も読んでいないと思いますので備忘録になりつつありますが。
週一更新を目指します。
それで、ロック喫茶ですが、ブックレビューもやることにしました。
ロック喫茶のおやじは本についても語るということです。
早速、下記ます。
あえて、書評風に堅く。
--------------
「ヒーローを待っていても世界は変わらない」湯浅誠著(朝日新聞出版社)
民主主義のもっとも重要なプロセスである衆議院議員総選挙が先般行われた。結果はご承知のとおり自民党の大躍進であった。東日本大震災後の最初の総選挙になのに原発を推進する政党が大躍進を遂げるというのは、選挙結果は本当に民意を反映しているのだろうか。政治家が頼りないとか、マスコミが恣意的な報道をしているとか、いろいろ思うところはあるけれど、民主主義そのものに限界があるのではないかと、そんなことを考えてしまった。僕以外にもそういう人はいたのではないだろうか。
本書は、このようなご時世に、あえて、議会制民主主義や政党政治を擁護したいと言い、その理由を情理を尽くして丁寧に説明している。市民活動家として貧困問題の解決を進め、また、民主党政権では参与として政権内部からこの問題に取り組んできた著者の経験が、今一度民主主義を大切にしていくべきだという思いに至らせる。
著者は、そもそも民主主義は「おそろしく面倒くさくて、うんざりするシステム」だということを認識することが必要だと言う。我が国では、非正規雇用や生活保護受給者、ホームレスなど、生活に余裕のない人が確実に増えている。生活に余裕のない人が増えると、「犯人探し」の勢いが強くなり、「強いリーダーシップ」が待望されるようになる。しかし、強いリーダーシップを持ったヒーローが即断即決して「ばっさばっさ」とやっても、一時は溜飲が下がるかもしれないが、世の中は複雑な利害関係があるのだから、結局は望ましい帰結にはつながらない。だからヒーローを待望するのではなく、面倒くさくてうんざりする調整を地道に行っていくことが必要だと説く。
さらに、橋下徹大阪市長が大きな支持を集めている現象を引き合いに出し、ここ最近の政治不信は、議会制民主主義や政党政治という政治システムそのものに対する不信感に質的に変化しており、議会政治はダメだ、政党政治はもうダメだといって、それらを壊す方向に進みつつあると言う。しかし、一気に取り換えてしまうのではなく、ひとつひとつつみあげながら改善していくことが必要だと著者は主張する。
では、停滞し、閉塞感が高まって行くだろう社会の中で私たちは何をなすべきか。それは、「「誰の責任だ」と目を血走らせるより、課題を自分のものとして引き受け、自分のことのように考える」こと、そしてそれを実行していくことだと著者は言う。
もっともだと思う。ただ、現在の僕たちの生活や、政治の状況を見ていると、つい、民主主義に絶望し、ヒーローを待望したくなってしまう。僕自身もふと感情的にそのように思ってしまうときがある。しかし、そうではなく、主権者である僕らは、社会をより良く変えていくために少しずつ行動を積み重ねていくことが大切だということをしっかり心にとどめておくべきなのだと、改めて思い起こさせられた。
説明が平易かつ丁寧で、また、筆致が冷静であるために非常にわかりやすい。さらに、市民活動家と参与という政権内部の立場も経験していることで説得力もある。ぜひ、選挙結果に絶望している人たちにこそ読んでいただきたい一冊。
店主
NGM Blue Trombone / J.J.Johnson
誰も読んでいないと思いますので備忘録になりつつありますが。
週一更新を目指します。
それで、ロック喫茶ですが、ブックレビューもやることにしました。
ロック喫茶のおやじは本についても語るということです。
早速、下記ます。
あえて、書評風に堅く。
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「ヒーローを待っていても世界は変わらない」湯浅誠著(朝日新聞出版社)
民主主義のもっとも重要なプロセスである衆議院議員総選挙が先般行われた。結果はご承知のとおり自民党の大躍進であった。東日本大震災後の最初の総選挙になのに原発を推進する政党が大躍進を遂げるというのは、選挙結果は本当に民意を反映しているのだろうか。政治家が頼りないとか、マスコミが恣意的な報道をしているとか、いろいろ思うところはあるけれど、民主主義そのものに限界があるのではないかと、そんなことを考えてしまった。僕以外にもそういう人はいたのではないだろうか。
本書は、このようなご時世に、あえて、議会制民主主義や政党政治を擁護したいと言い、その理由を情理を尽くして丁寧に説明している。市民活動家として貧困問題の解決を進め、また、民主党政権では参与として政権内部からこの問題に取り組んできた著者の経験が、今一度民主主義を大切にしていくべきだという思いに至らせる。
著者は、そもそも民主主義は「おそろしく面倒くさくて、うんざりするシステム」だということを認識することが必要だと言う。我が国では、非正規雇用や生活保護受給者、ホームレスなど、生活に余裕のない人が確実に増えている。生活に余裕のない人が増えると、「犯人探し」の勢いが強くなり、「強いリーダーシップ」が待望されるようになる。しかし、強いリーダーシップを持ったヒーローが即断即決して「ばっさばっさ」とやっても、一時は溜飲が下がるかもしれないが、世の中は複雑な利害関係があるのだから、結局は望ましい帰結にはつながらない。だからヒーローを待望するのではなく、面倒くさくてうんざりする調整を地道に行っていくことが必要だと説く。
さらに、橋下徹大阪市長が大きな支持を集めている現象を引き合いに出し、ここ最近の政治不信は、議会制民主主義や政党政治という政治システムそのものに対する不信感に質的に変化しており、議会政治はダメだ、政党政治はもうダメだといって、それらを壊す方向に進みつつあると言う。しかし、一気に取り換えてしまうのではなく、ひとつひとつつみあげながら改善していくことが必要だと著者は主張する。
では、停滞し、閉塞感が高まって行くだろう社会の中で私たちは何をなすべきか。それは、「「誰の責任だ」と目を血走らせるより、課題を自分のものとして引き受け、自分のことのように考える」こと、そしてそれを実行していくことだと著者は言う。
もっともだと思う。ただ、現在の僕たちの生活や、政治の状況を見ていると、つい、民主主義に絶望し、ヒーローを待望したくなってしまう。僕自身もふと感情的にそのように思ってしまうときがある。しかし、そうではなく、主権者である僕らは、社会をより良く変えていくために少しずつ行動を積み重ねていくことが大切だということをしっかり心にとどめておくべきなのだと、改めて思い起こさせられた。
説明が平易かつ丁寧で、また、筆致が冷静であるために非常にわかりやすい。さらに、市民活動家と参与という政権内部の立場も経験していることで説得力もある。ぜひ、選挙結果に絶望している人たちにこそ読んでいただきたい一冊。
店主
NGM Blue Trombone / J.J.Johnson
久しぶりにLow
Low の新しいアルバム、「C'mon」(2011)を聴きました。
Lowらしい静かで、ゆったりとした、美しい作品です。
前作を聞いていないのですが、前々作の「The Great Destroyer」がLowとしては、非常にポップな作品だったので、その方向かと思うと、そうではなく、昔のLowに戻った印象です。
しかし、それは、昔と同じということではないです。
より一層、磨きがかかったということです。
磨いた分、角は丸くなって、初期のとがった感じは、薄らいでいます。
Lowらしさというのが確かにあります。
一番は、ゆったりとしたテンポ。
シンプルで隙の多い演奏。
けだるい男女ヴォーカル。
全体として静かで美しい音色。
そういうものが、もはや、完璧にひとつの型になっています。
芸として確立している感じです。
Low印というのでしょうか。
しして、その型の中で、しっかりバラエティがある。
新しいことは、なにもないです。
(*唯一、ラストのSomething's turning overは、フォークぽっくて、少し異色です。)
でも、Lowのこの世界が好きな人には、猛烈にたまらない。(裏切らない)
そんな作品です。
夏の日の暑い夜に、涼やかな1枚です。
沁みますね。
BGM
1 Try to sleep
2 Nothing but heart
3 Something's turning over
店主
One more heatache
Paul Butterfield Blues BandのOne more heatacheという曲にはまっています。
彼らのサードアルバム、The Resurrection of Pigboy Crabshawというアルバムのオープニングナンバーです。

イントロのベースから小気味良いハンドクラップが続いて、そろそろとヴォーカルが入っていくところ。
間奏のところでトランペットが入ってどんどん盛り上がっていくぞと思わせて、ピタッとベースのソロが入る潔さ。
そこに、こんどは、ピアノがリズムを刻みながらかぶさってきます。
そしてもちろん、おなじみのからだを震わせるハーモニカ。
グルーヴというのでしょうか。聞いていると身もだえしてきます。
ドロドロのブルースが多い彼らの初期の作品の中では比較的聞きやすい曲です。
調べたらこの曲は、シングルのB面でした。
初期のアルバム2枚が有名ですが、The Resurrection of Pigboy Crabshaw は、素晴らしいです。
実は、このあと、Driftin' and Driftin'という、ドロッドロのブルースに入ります。
この展開も、堪らないですなぁ。
店主
BGM
1. Run out of time
2. One more heatache
3. Driftin' and Driftin'
彼らのサードアルバム、The Resurrection of Pigboy Crabshawというアルバムのオープニングナンバーです。

イントロのベースから小気味良いハンドクラップが続いて、そろそろとヴォーカルが入っていくところ。
間奏のところでトランペットが入ってどんどん盛り上がっていくぞと思わせて、ピタッとベースのソロが入る潔さ。
そこに、こんどは、ピアノがリズムを刻みながらかぶさってきます。
そしてもちろん、おなじみのからだを震わせるハーモニカ。
グルーヴというのでしょうか。聞いていると身もだえしてきます。
ドロドロのブルースが多い彼らの初期の作品の中では比較的聞きやすい曲です。
調べたらこの曲は、シングルのB面でした。
初期のアルバム2枚が有名ですが、The Resurrection of Pigboy Crabshaw は、素晴らしいです。
実は、このあと、Driftin' and Driftin'という、ドロッドロのブルースに入ります。
この展開も、堪らないですなぁ。
店主
BGM
1. Run out of time
2. One more heatache
3. Driftin' and Driftin'
