頭痛診療をしていると色々な頭痛とめぐり合えます。


40歳代半ばの女性、1ヶ月前より風邪症状があり咳を続けていたそうです。

ここ2-3日前より前頭部、後頭部のズキズキする頭痛症状が出現、我慢できず

私の外来へ・・・・・


問診にていままで、頭痛の症状はなく、咳をするとひどい頭痛症状が出現、症状は30分位つづき

なかなか改善されず。呼吸をしても頭痛症状が悪化するとのこと。


危険な頭痛も念頭に 頭部MRI・MRAの検査へ・・・・


頭部MRI・MRAは異常所見は認められず。


症状より咳嗽性頭痛と診断し治療を行いました。


この頭痛は笑ったり排便や排尿をする際にも頭痛症状が起こると海外で古く発表されており、

Chales Symonds (英文)としていわれています。


この方の頭痛は咳嗽性頭痛と診断し治療しました。


咳嗽性頭痛は主に男性に多く40歳以上の方に診られ、男性(80% 以上)

に多いそうですが、今回は女性でした。群発頭痛も以前は男性に多いと言われておりましたが

女性もちらほらいらっしゃいます。頭痛診断が確立したためとも考えられます。


この患者さんは脳脊髄液の流れなどの関連も注意しなければなりませんが、

投薬にて頭痛症状はなくなり本人も楽になったとのこと。

良かったです。


以前、書きました性行為に伴う頭痛 と並んであまり多くない頭痛です。




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 頭痛診療をしていて、私はなるべく患者さんからの質問・疑問には答えるよう

心がけておりまうす。


あまりにも質問がないときにはこちらから

   『頭痛で何か心配なこと、不安なことははありませんか?』

と突っ込みをこちらから入れます。


そんなことで患者さんとお話しておりましたところ・・・・・・


『私の飲んでいる片頭痛予防薬(カルシュム(Ca)拮抗剤:ミグシス)はどうして

頭痛が予防できるのでしょうか?』


と質問されました。



   『おっ・・・・』



今までにない質問ですね。


尽かさずその患者さんは


『片頭痛は血管が拡張したり炎症をおこしたら私の飲んでいる様な血管拡張剤は

頭痛をかいって悪くするのではないでしょうか?』


非常に鋭い質問です。

患者さんが他にも多く待っていましたがここでお話をしなければ

おそらくこの方はこの先質問をしてくれないと思い

頭痛の講義をいたしました。



このブログでは以前にお話しました、片頭痛の発生機序は未だ不明でありますが、

現在も血管説、神経説、三叉神経血管説等が提唱されており、その中で三叉神経血管説

が最も最近は有用な説と言われております。

おさらいとして


血管説は血液中の血小板からセルトニンをいう物質が何らかの原因で放出され脳血管が収縮し、脳の

虚血や脳低酸素状態から前兆として物が見ずらくなったり流れ星の様な光や、ミラーボールの光

が見えたりいろいろしてから、血中に増えたセロトニンは代謝、消費されて脳血管が拡張して頭痛が誘発される

という仮説。


神経説では大脳(大脳皮質)のゆっくりとした脱分極シフトによる活動抑制が伝播する(spreading depression)

ことに脳機能障害または脳代謝の低下がこうとうようから前方に広がり、不随して脳血流が減少し、頭痛が

誘発される。

三叉神経血管説では三叉神経という顔面の感覚などをつかさどっている神経の何らかのストレスが神経

末端より血管を広げる物質が放出され、血管拡張、血管の透過性行進(血管がブニュブニュになること、

言い換えれば浮腫を起こすこと)、がおこりその結果として神経炎症を引き起こし頭痛を引き起こします。


では、片頭痛予防薬であるカルシュム(Ca)拮抗剤(ミグシス)はなぜ予防薬として有用なのか?

との質問には

カルシュム(Ca)拮抗剤作用として脳の血管収縮を抑制する作用があり、

片頭痛の頭痛発作の前駆期に引き起こされる脳血管収縮を抑えたり、脳の神経炎症を抑えたりすると

言われております。前駆期の脳の血管収縮を来たすことにより更に片頭痛の症状を悪化されると

私は考えており収縮をさせないことにより頭痛が軽減されると思います。

よって片頭痛の患者さんに対し、カルシュム(Ca)拮抗剤(ミグシス)を内服することにより片頭痛

が軽減されると思われます。


少し難しいお話ですが、かなり簡略してお話させていただきました。


このように片頭痛をもたれている患者さんは感受性が高く、聡明な方が多いですので

私に自分の飲まれている薬の作用を聞かれたと思います。


疑問に思われている方々もこのブログでいると思います。

少し理解していただけたでしょうか?



追伸:機会がありましたらトリプタン製剤の作用機序も記載しようと思います。



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頭痛で悩まれている方、特に慢性頭痛で悩まれている方は大勢おられ、

今日も患者さんと個々の頭痛について治療計画と対処方法をお話させていただきました。



頭痛外来で初診の患者さんとお話をしていたら、


『頭痛のお医者さんがいたんで安心しました。』

といわれたり、

『私の頭痛を分かってくれて有難うございます。』

と言われ少し照れくさいようななんともいえない思いになります。

残念ですが救急外来では中々聞けないです。


このブログを読まれている頭痛で悩まれている方も試行錯誤され、

悩まれていると思います。




中には、


『医師にかからずとも自分で治す。』

『薬など副作用がありいやだ。』

『漬けになる。』


など、色々と考えられると思います。




頭痛治療の大御所の一人である、東京女子医大の清水先生は

慢性的に片頭痛がある患者さんは脳が過敏になっていてその過敏状態が年齢と供に

変化しめまいや耳鳴りと起こす?

とも言われております。



私自身、その全てに賛同するかは別として、面白い見解と思っております。


やはり頭痛など痛みは生体(人間)にとって良くない信号であり

痛みをごまかしたり、するのではなくしっかりと治療をすることが必要と最近強く感じます。



先の清水先生は鎮痛薬であるNSAIDsを長年内服することにより血小板からのプロスタグランディン

の放出抑制を来たし、末梢循環が悪くなり結果的に高血圧などを起こしますとも言われております。



私もその考えは賛同できかつ、今でも鎮痛剤を乱用されている方には注意を呼びかけてます。

悩まれいてる方は是非、頭痛専門医ないし、頭痛外来に受診していただきたいですね。




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