頭痛診療をしていて、私はなるべく患者さんからの質問・疑問には答えるよう
心がけておりまうす。
あまりにも質問がないときにはこちらから
『頭痛で何か心配なこと、不安なことははありませんか?』
と突っ込みをこちらから入れます。
そんなことで患者さんとお話しておりましたところ・・・・・・
『私の飲んでいる片頭痛予防薬(カルシュム(Ca)拮抗剤:ミグシス)はどうして
頭痛が予防できるのでしょうか?』
と質問されました。
『おっ・・・・』
今までにない質問ですね。
尽かさずその患者さんは
『片頭痛は血管が拡張したり炎症をおこしたら私の飲んでいる様な血管拡張剤は
頭痛をかいって悪くするのではないでしょうか?』
非常に鋭い質問です。
患者さんが他にも多く待っていましたがここでお話をしなければ
おそらくこの方はこの先質問をしてくれないと思い
頭痛の講義をいたしました。
このブログでは以前にお話しました、片頭痛の発生機序は未だ不明でありますが、
現在も血管説、神経説、三叉神経血管説等が提唱されており、その中で三叉神経血管説
が最も最近は有用な説と言われております。
おさらいとして
血管説は血液中の血小板からセルトニンをいう物質が何らかの原因で放出され脳血管が収縮し、脳の
虚血や脳低酸素状態から前兆として物が見ずらくなったり流れ星の様な光や、ミラーボールの光
が見えたりいろいろしてから、血中に増えたセロトニンは代謝、消費されて脳血管が拡張して頭痛が誘発される
という仮説。
神経説では大脳(大脳皮質)のゆっくりとした脱分極シフトによる活動抑制が伝播する(spreading depression)
ことに脳機能障害または脳代謝の低下がこうとうようから前方に広がり、不随して脳血流が減少し、頭痛が
誘発される。
三叉神経血管説では三叉神経という顔面の感覚などをつかさどっている神経の何らかのストレスが神経
末端より血管を広げる物質が放出され、血管拡張、血管の透過性行進(血管がブニュブニュになること、
言い換えれば浮腫を起こすこと)、がおこりその結果として神経炎症を引き起こし頭痛を引き起こします。
では、片頭痛予防薬であるカルシュム(Ca)拮抗剤(ミグシス)はなぜ予防薬として有用なのか?
との質問には
カルシュム(Ca)拮抗剤作用として脳の血管収縮を抑制する作用があり、
片頭痛の頭痛発作の前駆期に引き起こされる脳血管収縮を抑えたり、脳の神経炎症を抑えたりすると
言われております。前駆期の脳の血管収縮を来たすことにより更に片頭痛の症状を悪化されると
私は考えており収縮をさせないことにより頭痛が軽減されると思います。
よって片頭痛の患者さんに対し、カルシュム(Ca)拮抗剤(ミグシス)を内服することにより片頭痛
が軽減されると思われます。
少し難しいお話ですが、かなり簡略してお話させていただきました。
このように片頭痛をもたれている患者さんは感受性が高く、聡明な方が多いですので
私に自分の飲まれている薬の作用を聞かれたと思います。
疑問に思われている方々もこのブログでいると思います。
少し理解していただけたでしょうか?
追伸:機会がありましたらトリプタン製剤の作用機序も記載しようと思います。
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