チェンバー・ミュージック・ガーデン2024
エルサレム弦楽四重奏団
ヴァイオリン:アレクサンダー・パヴロフスキー/セルゲイ・ブレスラー
ヴィオラ:オリ・カム
チェロ:キリル・ズロトニコフ
ピアノ:小菅優
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第1番 変ホ長調 作品12
ベン゠ハイム:弦楽四重奏曲第1番 作品21
ドヴォルジャーク:ピアノ五重奏曲第2番 イ長調 作品81
CMG再登場のエルサレムSQ(前回は聴いていませんが)。客席の反応を見るに一定のファンがついているようです。
さすがイスラエルの団体だけあって、弦の響きがふくよかで、厚みがあって素晴らしいです。
その美質がメンデルスゾーンの第1番でよく発揮されていました。
よく演奏される第2番とセットで作られた作品ですが、演奏機会は2番に比べて少ないようですが、十分に楽しめました。
続くベン=ハイムはドイツ出身のイスラエルの作曲家ということで、ユダヤ系ゆえナチスを逃れて1933年にパレスチナに移住。
そんな中、1936年に作曲されたのが今回の弦楽四重奏曲第1番とのことです。
初めて聴いた作品ですが、民族的な旋律がふんだんに取り込まれ、非常に聴きやすいものでした。
状況が状況だけに、作品に深刻なメッセージが込められているかと思いましたが、そういったところは少なく、極めて温厚で良くも悪くもぬるい作風でした。
これが全4楽章、40分近くやってましたかねー。長かった。
これだけ長いのをやるなら、前半はメンデルスゾーンかどちらか1曲で良かったのではと思いました。
後半スタートは20時半くらい。
ドヴォルザークのピアノ五重奏は、民族色豊かな充実期の作品。名曲です。
この第3楽章を聴くと、中村紘子さんと東京カルテットとのハウス・ザ・カリーのCMを思い出します(古いか!)。
小菅さんのピアノは相変わらず素晴らしいのですが、ブルーローズの中ほどの席からでは視界もイマイチで、全く弾いている姿は見えず、自動ピアノみたいでした(もちろん演奏は芸術的ですが)。
エルサレムSQのメンバーも、素晴らしい弦の音色全開で、第1楽章から朗々と歌いまくります。
第2主題なんか、かなりテンポを落としてたっぷりと歌い上げるのですが、個人的には、もともとこってりした作品なので、歌心はありながらもサクサクと進めてもらう方が好きなんですがね。
こんなペースでさらに第1楽章は提示部の繰り返しもやるもんだから、ちょっと辟易ぎみに。
さらにゆったりの第2楽章まで終わった時点で、すでに21時過ぎ。
もうこうなると(あとに何があるわけでもないのに)時計ばかり気になってしまいダメですね。
演奏は彼らの持ち味発揮の素晴らしいものだったと思いますが、やはりプログラムが1曲多いという印象が強く疲れました。