アスミク・グリゴリアン ソプラノ・コンサート(Bプロ)
指揮:カレン・ドゥルガリャン
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
ドヴォルザーク/歌劇「ルサルカ」
・序曲
・“月に寄せる歌”
チャイコフスキー
弦楽のためのエレジー「イワン・サマーリンの思い出」
歌劇「エフゲニー・オネーギン」
・タチアーナの手紙の場 “私は死んでも良いのです”
・ポロネーズ
歌劇「スペードの女王」
・“もうかれこれ真夜中...ああ、悲しみで疲れ切ってしまった”
ティグラニアン/歌劇「アヌッシュ」
・“かつて柳の木があった”
ハチャトゥリアン/「スパルタクス」
・スパルタクスとフリーギアのアダージオ
リヒャルト・シュトラウス
歌劇「エレクトラ」
・クリソテミスのモノローグ “私は座っていることもできないし、闇を見つめることもできない”
歌劇「サロメ」
・七つのヴェールの踊り
・サロメのモノローグ “ああ! ヨカナーン、お前の唇に口づけをしたわ”
一昨日に続いてアスミク・グリゴリアンのリサイタルのBプロ。前半はAプロと同じ。後半がリヒャルト・シュトラウス(+オケのみのハチャトゥリアン)。
前半は一昨日とほぼ同じな感じ。ちょっと慣れた感じでしたかね。会場の反応も良く、アスミクも今日の方がくつろいでいたように見えました。
後半、期待のR.シュトラウス。やはり素晴らしかったです。
シュトラウスのこのあたりの役がアスミクの声のスタイルによくあっているのか、ピタリとはまる感じです。
「エレクトラ」からのエレクトラの妹クリソテミスのモノローグは、この作品の中でも伸びやかで、明るさも見えるところなので聴きやすいです。
アスミクはエレクトラ本人もレパートリーにできそうですが、まずは妹から攻略といったところなのでしょうか。
「サロメ」は2018年のザルツブルク音楽祭で大成功を収めた役で、一昨年のノット/東響でも圧巻の歌唱を披露してくれました。
今日も作品のクライマックス、約20分近くの長大なモノローグをやってくれて嬉しい限り。
抜粋ということもあって、ノット/東響のときのような感動は得られませんでしたが、アスミクの実力がいかんなく発揮された名唱だったと思います。
オケのことを言ってもしょうがないのですが、ミョンフンと素晴らしいコンサートオペラをやってくれる東京フィルとは思えない、全く別のオケのようだったのが残念。
それなりに頑張っていて(AプロもBプロも)、Aプロの「マノン・レスコー」間奏曲や、今日の「サロメ」7つのヴェールの踊りなんか力演ではありましたが、全体としては低調。
アルメニアの指揮者ドゥルガリャンもそつないのですが、それだけ。
多彩な曲目が並び、数々のオペラからの抜粋抜粋で中々熱量も上がらない点は致し方ないとしても、そこは何とかもう少し盛り立てて欲しかったです。
とは言え、世界中から引っ張りだこで旬のアスミクをナマで見て聴けて本当に良かったです。