ひばり弦楽四重奏団 ベートーヴェン全曲演奏会vol.9 2024-03-08 ハクジュホール | sakagumoのブログ

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最近は筆不精がたたって、読む専門です。

ひばり弦楽四重奏団 ベートーヴェン全曲演奏会vol.9

漆原啓子 (1st vn)、漆原朝子 (2nd vn)
大島亮 (va)、辻本玲 (vc)
音符ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 ヘ長調 Hess 34
音符ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第11番 ヘ短調 op.95「セリオーソ」
音符ヤナーチェク:弦楽四重奏曲 第1番「クロイツェル・ソナタ」
音符ベートーヴェン:大フーガ 変ロ長調 op.133

 

全10回シリーズのひばりSQによるベートーヴェン全曲演奏会もラス前の第9回。僕は第5回から通い始めたのでこれで5回目。

 

今回は最初の、ベートーヴェン自身がピアノ・ソナタ第9番を弦楽四重奏に編曲したというヘ長調Hess34以外はいずれも気持ちがザワザワする激しい曲が並びました。

 

最初のヘ長調は、まぁお気楽な感じでサロン的。当時はピアノ作品を室内楽にアレンジして楽しむというのが流行っていたそうな。

 

2曲目の「セリオーソ」から気迫十分。風雲急を告げるような第1楽章の激しさ。4人の実力がいかんなく発揮されました。

 

啓子さんのイケイケはいつもながらですが、きょうはチェロの辻本さん、ヴィオラの大島さんが素晴らしく(作品自体、目立つ構成になっている)よく楽器が鳴っていて、まさに4人ががっちりタッグを組んだような強固な演奏で迫力がありました。

 

後半最初はヤナーチェクの1番「クロイツェル・ソナタ」、このひばりSQのベートーヴェン・チクルス。ベートーヴェンももちろんいいんですが、間に入れる他の作曲家の作品演奏が素晴らしく、これまでもスメタナ、ドヴォルザークといった東欧系、メンデルスゾーンなど印象に残る演奏が多かったです。

 

きょうのヤナーチェクも実に楽しませてくれました。ここでも各メンバーの独立した動きが多く、それぞれに美技を披露してくれました。

 

最後の「大フーガ」。最近は第13番の終楽章という本来の姿で聴くケースが多いのですが、こうして独立した「作品133」として聴くとずい分と聴こえ方が変わるものだと思いました。

 

この「大フーガ」1本に集中できるというか、聴き終わったあとの感じ方が、第13番を全部聞いたなかの大フーガではなく、作品そのものを受け止めた・・ような感じ?

 

まったく耳が聞こえなかったベートーヴェンの、はちゃめちゃな作品とも取れますが、これはこれでもの凄い世界を作り上げたのだなと圧倒されました。

 

各メンバーの集中力も凄く、秀演だったと思います。

 

きょうはかなりハードな作品続きのためかアンコールはなし。マイクを持ってきて各メンバーがご挨拶。次回10月のシリーズ最終回の宣伝が中心。次回は4番と8番(ラズモフスキー第2番)と、ひばりSQ結成後最初に取り組んでという(録音も出した)ドビュッシー。これまた外せません。