インバル/都響のショスタコーヴィチ&バーンスタイン 2024-02-16 サントリーホール | sakagumoのブログ

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会社員です。クラシック音楽と読書と温泉が好きです。あと万年百十の王だけど、楽しくゴルフ⛳をすることが好きです。
最近は筆不精がたたって、読む専門です。

東京都交響楽団 定期演奏会(Bシリーズ)

指揮/エリアフ・インバル
語り/ジェイ・レディモア
ソプラノ/冨平安希子
合唱/新国立劇場合唱団
児童合唱/東京少年少女合唱隊

音符ショスタコーヴィチ:交響曲第9番 変ホ長調 op.70    
音符バーンスタイン:交響曲第3番《カディッシュ》

 

1936年2月生まれのエリアフ・インバルは今回の来日中に米寿88歳の誕生日を迎えたそうな。

一方、先日長い闘病生活の末亡くなられた小沢征爾さんは1935年9月生まれなので、こちらも88歳。同じ88歳でもこの違いには色々と考えさせられました。やはり大病を患うとツラいですね。

 

とにかくインバル氏の元気なこと!矍鑠と早歩きで登場。

前半のショスタコの9番。先日の13番「バビ・ヤール」と正反対で、人を食ったようなおどけた作品。全5楽章だけど30分弱ほど。

 

早めの行進曲風の第1楽章。びっくりしたのは盛り上がるところで、インバル氏は指揮台のうえで行進(進まないけど)しながら棒を振ってました。

 

ほか全曲通してテキパキとオケに指示しまくって、きっちりかっちりと仕上げてました。

 

第1楽章のトロンボーン、第4楽章のファゴットのソロなど素敵でした。

 

後半バーンスタインの大作「カディッシュ」。なにせ大編成のオケに、混声合唱、少年少女合唱、歌手、語りを要します。

 

インバル/都響は2016年にもこの作品を取り上げていて(私は未聴ですが)、その時はホロコーストの生き残りだったサミュエル・ピサールの語りテキストで演奏されたそうです。

 

イスラエル生まれのインバルにとってこの作品は思い入れの深い作品のようで、こうした時勢のなか今回8年ぶりの再演となりました。

 

素晴らしい演奏でした。第1楽章、語りの後ろのハミングによる合唱は効果的で、実演でないと味わえない響きでした。

 

9名もの打楽器奏者による様々な打楽器も迫力満点で聴きごたえ十分。

 

語りのジェイ・レディモアも基本は淡々と、感情が高ぶるところでは熱くとメリハリがあって良かったです。ステージ後方にテキストの日本語字幕があったのですが、情報量が多い上、早いのでほとんど見てられませんでした。ここはある程度の予習と、英語のヒアリング能力が必要ですね。

 

冨平さんも第3楽章を中心に素敵な声を響かせていました。

 

シリアスな音楽ながら、どこかいかにもバーンスタインっぽいミュージカルを聴いている感じもあるし、前向きで明るいクライマックスで気分は晴れやかになりました。

 

インバル/都響の組み合わせは鉄板です。